【第18話 火山異世界、津波でクールダウンする】
天空水城のポータルルームは、異世界の扉が次々と開く賑やかな場所になっていた。
リシアはソファに座り、水のジュースを飲みながら、次のポータルを眺めていた。
「……次は火山の世界? 熱いの苦手だよぉ」
エリスが腕を組んでニヤリ。
「ふはは! 私の知り合いの世界だ。
溶岩が噴き出して、大陸が燃え尽きかけている!
お前の津波で一気に冷やせば、英雄だぞ!」
エリシアがスクリーンを操作。
「座標ロックオン。
ご主人様、征服……じゃなくて、救済の第二弾です♡」
アクアティスがため息。
「火など、水の敵ではない。
我の後継者が、余裕で片づけるわ」
アーテリアとミレーヌが荷物(水のボトル)を持って。
「ご主人様、日焼け止め水スプレー用意しました♡」
「熱中症対策も完璧です♡」
リシアは立ち上がり、ポータルに飛び込んだ。
「……行ってみよっか。
熱いのは嫌だけど、早く終わらせて帰ろ」
——異世界:ヴォルカニア。
空は赤く染まり、地面は溶岩の川が流れ、
空気は熱波でゆらゆら。
遠くに、火山の噴火口が見え、住民たちが逃げ惑っている。
村の長老が一行を見て駆け寄る。
「異邦人か!? この溶岩の海を止めてくれ!
女神の予言で、水の救世主が来ると……」
リシアは汗を拭きながら周りを見回す。
「……うわ、熱い……
じゃあ、津波で一気にクールダウンしちゃおう」
彼女は両手を空に向け、
深呼吸。
「水よ、集まれ。
そして、波となって……」
ゴゴゴゴゴゴゴゴ!!!
空気中の水分が一気に凝縮。
雲が集まり、巨大な水の塊が形成される。
次の瞬間——
ドォォォォォォォン!!!
高さ百メートルの津波が、火山全体を襲った。
溶岩がジュウジュウと音を立てて冷え固まり、
噴火口は水で塞がれ、
大地は一瞬で蒸気と虹に包まれた。
数分後、周囲は冷却された黒い岩場に変わり、
湖のような水溜まりがあちこちに。
住民たちが歓喜の声を上げる。
「溶岩が……止まった!!」
「水の津波だ! 奇跡だ!!」
「救世主様!!」
エリスが大笑い。
「ふははは! 一撃で火山を沈静化とは!
お前の水魔法、恐るべし!」
リシアは扇子(水で作った)で顔を扇ぎながら。
「……よかった。
でも、熱かった……
帰ってアイス食べよ」
エリシアがメモを取って。
「この世界も、連邦の同盟国に♡
資源は溶岩鉱石、いい交易品です」
村の長老が土下座。
「救世主様、ぜひ私たちを導いて!
この世界をお前のものに!」
リシアは面倒くさそうに手を振って。
「……水はみんなで使ってね。
また来るかも」
ポータルで帰還し、
リシアの異世界冒険は、
また一つ成功を収めた。
第18話 終わり。
【次回予告】
異世界の連鎖が止まらない!
次は氷の異世界で、熱湯で溶かす!?
リシア「寒いのも苦手……沸騰させて一気に?」
第19話『氷河異世界、熱湯でメルトダウンする』




