【第12話 王族パーティー、湖で溺れかける】
天空水城は、魔王撃破のニュースが大陸中に広がった翌朝、
異常な賑わいを見せていた。
城の下——地上の湖畔に、豪華な馬車と旗の列がずらりと並ぶ。
大陸中の王族、貴族、使節団が「同盟を!」と押し寄せてきたのだ。
リシアは城のバルコニーから下を覗き、ため息をついた。
「……みんな来すぎ。
同盟って、何? 私ただのんびりしてるだけなのに」
エリシアが横で紅茶を注ぎながら。
「ご主人様、チャンスです。
これで大陸の半分を味方につけられます。
世界征服の第一歩ですよ♡」
アーテリアとミレーヌが即座に睨む。
「征服って……ご主人様を巻き込まないで」
「ご主人様はのんびりしたいだけです♡」
塔の声が報告。
『来訪者総数:十五カ国。
総勢五百名。
目的:同盟締結、婚姻提案、水資源共有など。
推奨:歓迎パーティー開催♡ 会場は湖上特設ステージ準備中』
リシアは頭を抱えた。
「……パーティー? めんどくさい……
ちょっと津波で流す?」
エリシアの目が輝く。
「いいアイデアです!
津波で弱い国をふるい落として、強い国だけ残せば……」
「違うよ!! 流すって、帰らせる意味で!!」
結局、パーティーは開催された。
湖上に水のプラットフォームを張り、
王族たちが船で集まる。
リシアは渋々、城から降りて(水のエレベーターで)挨拶。
「えー、みんな来てくれてありがとう。
同盟とかよくわかんないけど、水はみんなでシェアしようね」
王族たちが拍手。
しかし、すぐに本題。
ドライア王国の王女(前からいる)がまず。
「聖女様! ぜひわが国と永遠の同盟を!」
インプライア帝国の王子が割り込み。
「いや、わが帝国と婚姻を! あなたを皇后に!」
びしょ濡れ皇帝が叫ぶ。
「待て! この湖は朕の……ぐぼっ!」
誰かが押して湖に落ちる。
カオスが始まった。
王族同士の言い争い、
贈り物の競り合い、
ついには魔法で威嚇し合う。
リシアは耐えかねて手を振った。
「もう、うるさい! ちょっと静かにして!」
その瞬間——
湖全体が揺れた。
ゴゴゴゴゴ……
小さな津波が湖面をうねり、
プラットフォームを揺らす。
王族たちが悲鳴を上げる。
「わぁぁぁ!!」
「溺れるぅぅ!!」
波が高くなり、
馬車ごと湖に落ちる使節団、
ドレスが濡れてパニックの王女、
王冠を落として泳ぐ王子。
びしょ濡れ皇帝は二度目の水没で、
「もう朕は帰る……」と諦めモード。
リシアは慌てて波を止めた。
「……ごめん、ちょっと強くしすぎた」
エリシアが笑いながら。
「完璧です、ご主人様。
これで弱い心の者は去り、残った者だけが本物の同盟者です♡」
残ったのは、ドライア王女と数カ国のタフな王族だけ。
彼らはびしょ濡れながらも、
「同盟、結びましょう!」と土下座。
リシアはため息。
「……まあ、いいよ。
でも、パーティーはもうなしね。
みんな、温泉入って帰って」
こうして、アクアリシア連邦は
大陸の半分と同盟を結んだ。
もちろん、リシアはすぐに城に戻って温泉タイム。
第12話 終わり。
【次回予告】
同盟の余波で、連邦の人口が爆増!
リシア「街が大きくなりすぎ……」
そんな中、古代の水の神が目覚め、
「私の後継者よ、力を貸せ!」と迫る!?
第13話『水の神「私を崇めよ!」って言い出した』




