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『ありきたりだと思ってた水魔法、実は文明破壊兵器でした〜』  作者: nekorovin2501


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【第10話 同業者(?)が「一緒に世界征服しませんか?」って言い出した】

天空水城のメインゲート(水の膜でできたエレベーター)が開き、

黒いフードの使者がゆっくりと中に入ってきた。

フードを外すと——

現れたのは、意外に若い女性だった。

黒髪をポニーテールにまとめ、鋭い赤い瞳。

服装は黒のローブに銀の装飾、首元に水滴型のペンダント。

年齢はリシアより二、三歳上くらいに見える。

彼女は周囲を見回し、穏やかに微笑んだ。

「初めまして。

私は『水の魔導師』エリシア。

大陸南部の隠れ里から参りました」

リシアは温泉プールの縁に座ったまま、足をぶらぶらさせて応じる。

「……同業者? 水魔法使い?」

エリシアが頷く。

「ええ。あなたと同じく、水を『理解』している者です。

あなたの湖化、塔の浮上、空の城……すべて見てきました。

素晴らしい力ですね」

アーテリアとミレーヌが警戒してリシアの両脇に立つ。

「ご主人様に危害を加える気ですか?」

「ここはご主人様の城です。失礼な真似は……」

エリシアは手を挙げて制した。

「危害など加えません。

むしろ、提案に来ました」

彼女は一歩踏み出し、静かに言った。

「一緒に、世界を征服しませんか?」

リシアの足がぴたりと止まる。

「……は?」

エリシアの瞳が輝く。

「この世界は腐っています。

帝国は水を独占し、教会は神の名を借りて民を支配し、

干ばつや洪水で毎年何万もの命が失われています。

でも、あなたの力なら——

水を自在に操り、大陸の気候すら変えられる。

私と組めば、理想の世界を作れます。

誰も苦しまない、水が平等に満ちた世界を」

リシアはしばらく沈黙した後、

ぽつりと呟いた。

「……めんどくさい」

エリシアが目を丸くする。

「めんどくさい……?」

「うん。世界征服とか、理想の世界とか、

なんかすごいこと言ってるけど、私ただのんびりしたいだけなんだよね。

温泉入って、寝て、水出して、みんなが勝手に幸せになってくれればいいや、みたいな」

エリシアは少し呆れた顔で、

それからくすりと笑った。

「あなたらしいですね。

でも、それでいいんです。

私が『征服』部分を担当します。

あなたはただ、ここでくつろいでいてください。

必要なときだけ、水を少し出してくれれば」

塔の声が割り込む。

『提案を解析中……。

リスク:高。

メリット:ご主人様の負担軽減の可能性あり。

推奨:保留♡』

アーテリアが即座に。

「ご主人様を道具扱いする気ですか!?」

ミレーヌも。

「ご主人様は私たちの大切な方です。

そんな取引、認めません」

エリシアは穏やかに手を広げた。

「誤解です。

私はあなたたちを尊重します。

ただ、この世界を変えたいだけ。

あなたが『のんびり』したいなら、それも尊重します。

条件は一つ——

私がここに滞在し、あなたの傍で力を貸すこと」

リシアは温泉に足を沈めながら、

ぼそっと。

「……まあ、邪魔しなければいいよ。

でも、勝手に戦争とかしないでね。

あと、温泉の場所取らないで」

エリシアの顔がぱっと明るくなる。

「ありがとうございます!

これで、私もあなたの……仲間、ですね」

彼女はペンダントを外し、リシアに差し出した。

「これ、私の水の核。

受け取ってください。

これで、私もあなたの『もの』になります」

リシアは面倒くさそうに受け取り、

そのまま温泉に放り込んだ。

「……はいはい、仲間ね」

エリシアは嬉しそうに微笑み、

アーテリアとミレーヌは複雑な表情でそれを見守る。

塔の声が満足げに。

『新メンバー追加確認。

ハーレム……ではなく、仲間増員です♡

ご主人様、今日の夕食は何にしますか?

水で作るフルコース、準備中』

リシアは浮き輪に沈みながら、

「……また増えた……

でも、まあ、のんびりできるならいいか」

こうして、

水魔法の『同業者』が加わり、

アクアリシア連邦の勢力はさらに拡大した。

もちろん、本人は相変わらず温泉派。

第10話 終わり。

【次回予告】

エリシアの加入で、城の雰囲気が少し変わる!

彼女の提案で「水の交易ルート」が大陸中に広がり始め、

経済大国化の兆し。

でも、そんな中、最大の敵「干ばつの魔王」が動き出した!?

第11話『干ばつの魔王「水を全部奪う!」って言い出した』

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