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『ありきたりだと思ってた水魔法、実は文明破壊兵器でした〜』  作者: nekorovin2501


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【第1話 砂漠が湖になった日】

「はぁ……今日も喉カラカラだよぉ……」

灼熱の太陽が容赦なく照りつける大砂漠「エルト・ドライ」。

Fランク冒険者の少女、リシア=アクアリットは、ぼろぼろのマントを頭から被りながら、よろよろと歩いていた。

銀色の長い髪は砂埃でくすみ、青い瞳は虚ろ。

唇はひび割れ、持っていた水筒はとうに空っぽ。

「……もうダメかも」

と、力尽きてその場に座り込む。

「……水、欲しいなぁ……」

その瞬間。

リシアの脳裏に、転生前の記憶がフラッシュバックした。

(そうだ、私……前世は地球の大学生で……死ぬ間際に「水のど乾いた〜」って呟いたら、謎の女神様に「じゃあ水魔法極めなよ!」って言われて……)

「…………いや、それで転生したのかよ! 女神様センス終わってんな!」

思わずツッコミを入れてしまう。

でも、確かにこの世界に来てから、彼女は「水魔法」だけが異常なまでに使いやすかった。

他の属性はゴミみたいな威力なのに、水だけは……。

「ちょっと……本気、出してみる?」

リシアは立ち上がり、両手を砂漠の空に向かって掲げた。

「水魔法の詠唱など、最初から不要だった。彼女にとって水は「理解」そのものだった。

「——水よ、ここに在れ」

ズドンッ!!

空気が震えた。

次の瞬間、彼女の周囲の空気中の水分が一瞬で凝縮し、手のひらに小さな水の玉が現れる。

……いや、小さくない。直径一メートルはある。

「うわ、でかっ!」

驚くリシアをよそに、水の玉はさらに膨張していく。

二メートル、三メートル、五メートル……

「ちょ、ちょっと待って!?

「やばいやばいやばい!! 止まらなーーーーい!!」

ドゴォォォォォォォォォォン!!!

凄まじい水圧とともに、超高密度の水流が一直線に砂漠の地中へと突き刺さった。

まるで神の槍。

砂が吹き飛び、岩盤が粉砕され、地下数百メートルに眠っていた巨大な水脈が——

ブチ抜かれた。

「…………あれ?」

リシアが呆然と立ち尽くす。

その足元から、じわ……じわじわ……と水が湧き出していた。

最初は小さな泉のように。

でも十秒後。

ゴォォォォォォォォ!!!

地割れから、信じられない量の水が噴き上がった。

まるで世界がひっくり返ったかのように。

水は空高く舞い上がり、太陽の光を浴びて虹を作る。

そして降り注ぐ。降り注ぐ。降り注ぐ。

「うそ……だろ……?」

リシアは、自分の足元がもう湖になっていることに気づいた。

いや、湖どころじゃない。

視界の果てまで、水。

昨日まであった砂丘は跡形もなく消え、

代わりに広がるのは、鏡のように澄んだ巨大な湖。

「……私、これ、やっちゃった?」

そのとき、遠くから馬のいななきと人の叫び声が聞こえてきた。

「み、見ろ! 砂漠が……砂漠が湖になってるぞ!!」

「奇跡だ! 神の奇跡だ!!」

「湖だ! 本物の湖だ!!!」

商人、冒険者、難民、帝国の兵士……

あらゆる人々が、涙を流しながら駆け寄ってくる。

そしてリシアの目の前に跪いた。

「あなたは……あなたこそが“湖を生みし聖女”……!」

「え、ちょ、ちょっと待って!? 私ただのFランクだよ!?」

誰も聞いてない。

もう、伝説は始まっていた。

砂漠を一夜にして湖に変えた少女の、

のんびりすぎる世界変革ファンタジー、ここに開幕。

第1話 終わり。

【次回予告】

聖女扱いされて困惑するリシア。

しかし湖の出現で動き出した大国、闇ギルド、そして……湖底から目覚めた“あの人”。

第2話『湖の底から美少女がこんにちは』

(してこなかった)』

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