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4. 私は床には座れないらしい。



「あの…顔をあげてはもらえないんでしょうか…?」



一人だけベッドの上にいるのが嫌でみんなと同じ床に膝をつけて聞くと、入ってもいいかと聞いてきた男の人が慌てたように更に姿勢を低くして「ご命令であれば」と言う。


命令、って…意味がわからない。


顔は見えないけど、どう考えてもこの人は私より年上。身なりも良さそうだし、後ろの二人はどう見てもこの人の護衛って感じがする。


なのに…この人の物言いといい、態度といいそんな偉そうな人より私の方が偉い立場だってことを教えてくれてるよう。


なんで私なんかが偉いの?異世界転移者だから?

あー、もっと異世界転移もの読んでおけばよかったぁ。もしくはマコ(漫画好き(イケメンが出てくるに限る))に異世界ものの漫画借りとけばよかった…



「あの…私と顔を合わせたくない理由がありますか?」


「合わせたくないなど…!滅相もございません!」


「じゃあ…顔を上げてもらえると…私は嬉しいんですが…」



命令って言われたけど、命令です、だなんて言えるわけない。

どうか上げてくれ。って気持ちを込めて言うと先ずイケメンさんが顔を上げてくれた。


次に顔を上げてくれたのは最初に入ってきた男の人。

その人のはイケメンさんによく似た顔をしていた。


イケメンさんのお父さん…かな?

顔の良さに年を重ねた渋みがいい感じで出てる。

シブイケオジさんだ。


そんなどうでもいいことを考えてると最後にその後ろにいた二人の男性が顔を上げてくれた。

二人とも三十代半ばから四十代な感じで…やっぱり顔がいい。


イケメンしかいないのかな?この世界。

ま、なんでもいいけど。

とりあえずみんな顔あげてくれてよかった。


そう思ってるとイケメンさんはすっと立ち上がり、私を抱き抱えてまたベッドに下ろした。

おかげでみんなが顔を上げてくれたっていうのにまたなんか一人偉そうに見下してる感。


嫌だと思ってベッドから降りようとすると、イケメンさんは無言の笑顔。笑顔と一緒についてきたのは有無を言わせない凄み。



「見下してるみたいで…嫌なんです。ここから動いちゃだめなら、せめて皆さんが立ってください…」



ビシッと反抗して言いたかったけど、イケメンさんの笑顔の凄みが怖くて結局はしゅんとしながら言うことになったのは仕方ないと言うことで。


イケメンさんたちの顔を見ると四人共困った顔をしてるのが見て分かった。


そりゃそうだよね。みんなが立つと今度は私が見下ろされてる風になる訳で。みんなはそれが出来ないから今こうして床に膝をつけてるんだもんね、きっと。


ついさっきまでイケメンさんがしてくれてたように、みんなベッドに腰掛けてくれれば同じ目線にはなるだろうけど…

流石に五人でベッドに座って顔を合わせるっていうのも変すぎる。


やっぱり私も床に座ろう。

イケメンさんに怒られるかもだけど、重病中ならまだしも、そうじゃないのに一人でベッドの上にいるのは何回考えても嫌すぎた。


ベッドから降りたところで何を話せばいいか分からないんだけどね。

とりあえず名乗り?

そう思って名前を言おうとすると、私が声を出すより先にシブイケオジさんが声を出した。



「ミツカイ様、どうか、お戻り下さい…!ミツカイ様を床に座らせるなんて許されていいことではありません!」



私の身体はまたイケメンさんにベッドの上に戻らされる。

うーん…これはいくら降りても永遠にベッド強制送還パターンかな?


イケメンさんを何気に見上げるとイケメンさんは困った顔で微笑んで私の横に腰を下ろしてくれた。


三人はまだ下だけど…これで勘弁してくれ、ってこと…なのかな…?ていうか…



「ミツカイ様…?」



床に座るのを諦めた私はイケメンさんに聞いた。

この中で話したことあるの、イケメンさんだけだからね。会話したうちに入らないくらいの会話しかしてないけど。



「あなた様のことですよ」



イケメンさんは言う。


あなた様…すごい言われ方。



「この世界とは異なる世界から女神様が使わせて下さった、日を正すことのできる御方のことを我々は勝手ながらミツカイ様と呼ばせていただいています」



今度はシブイケオジさんが言った。


なるほど。分かった。

カタカナで”ミツカイ”じゃなくて、”御使”ね。


でも、また分からない言葉が出てきた。

”日を正す”って何?


……ま、いいか。


今、はっきり言ってたなぁ。”異なる世界から”って。

そうだよね、やっぱ。

異世界転移、確定ですね。


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