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目覚めた世界で生きてゆく 僕と愛犬と仲間たちと共に  作者: SUGISHITA Shinya
第一部

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083 建国の地へ

 ゴードン本部長が僕のスパ棟にやって来た。

 「宰相の秘書官がスパエチゼンヤの視察に来て、『モーリス侯爵とウルバノ大司教が私兵を率いて向かっている』と独り言を呟いて行った」


 「今朝の懸念が早速現実になりましたか。お知らせ、ありがとうございます。お客様に迷惑をかけるわけには参りません。丁重にお迎えしましょう。それから我らは今日でここを引き払います」

 「何処へ参られるか」

 「滅びの草原です。そこに建国します」

 「あそこは誰もーーー、いやシン様なら良いのかもしれんな。流石に神だ。どのあたりに国を作る?」

 「草原全てが我が領土で、差し当たり住むのは王都寄りにしようかと思っています」

 「俺も行っていいかね」

 「歓迎します」


 「そうそう、これが建国の宣言です。宰相を通じ国王陛下にお願いします。これはエリザベスさんから生国アングレア王国へ、イサベルさんから生国のスパーニア王国への手紙です。建国の宣言とともに届けてくれますか」

 「面白そうだ。引き受けよう」


 それとこれは我が国の国民か関係者の印です。してくれますか」

 「もちろん。細いけど綺麗だな」

 線指輪は見えなくする事も出来ると説明しておいた。本部長も体が光った。

 なるほど光ったか。じゃ追加。

 「何かあったら神国の外交官と名乗ってください。それから線指輪は収納になっています。100立方メートルの広さがあります。そしてこれが携帯。何処にいても携帯同士で話せます。説明書をつけておきます」

 「目が回るようだ。承知した」

 本部長は、冒険者組合はすぐ辞職だなと思いながら門へと戻って行った。


 さて出発する事にしよう。二百人衆は最初にオリメさんが作った服を着ている。愛着があるらしい。僕のスパ棟と宿舎を収納する。

 エチゼンヤさん夫妻がバトルホースを連れて駆けてきた。バトルホースが一緒に行くと言っている。そうかい。前足に線アンクレットをしてやる。体が光った。エチゼンヤ夫妻に慣れている二頭には残ってもらう。線アンクレットをしたので納得してくれた。


 みんな人化だ。僕、アカ、マリアさん・ステファニーさん、ブランコ・エスポーサ、ドラちゃん・ドラニちゃん、オリメさん・アヤメさんで騎乗。エチゼンヤさん夫妻も門まで送ってくれる事になった。ゆっくり駆けて行く。スパエチゼンヤはよく作ったから僕らがいなくなっても大丈夫だろう。みんな見送ってくれる。

 大手門では相変わらず本部長が門番をしている。今日が最後かもね。


 門前に僕を真ん中に騎乗のまま横に並ぶ。後ろに二百人衆が整列した。

 スパエチゼンヤさんのお客さんは何事が起きたかと集まってきた。


 遠くから土煙をあげ兵が乗った馬が勢いよくかけてくる。お、神父服を着た人が両手を広げ止まってくださいと言っている。跳ね飛ばされた。

 馬はすぐこちらに気付いたんだろう。急にゆっくりになった。止まって後退り始めた。鞭をくれても後退る。しまいには兵を振り落として逃げて行った。

 偉そうな二人が埃を払いこちらを見る。とたんに後退った。何か言いたそうだけど言えないようだ。徐々に下がって行く。


 「者ども行くぞ。我が国へ」

 二百人衆がオウと応える。


 バトルホースが駆け始める。ドドドドッ、ドドドドッと蹄の音を轟かして駆ける。二百人衆も乳児はおぶい、大人も子供もバトルホースに遅れずに駆けて付いてくる。

 偉そうな二人は水たまりの上に頭を抱え蹲っている。

 兵は既に蜘蛛の子を散らすように逃げ去ってしまっている。

 さっきの神父服の人が倒れている。見覚えがある。貧民街で出会ったハビエル神父さんだ。怪我をしている。治してやろう。怪我治れ。


 東西街道に出て草原に入る。


 ひたすら駆け街道から300キロ入ったところで止まる。アカがここが良いと言ったのでね。みんなに魔の森の泉の水に谷川の水をポタポタしたものを配る。お馬さんにもだ。乳児には一と垂らし。みんな息も荒げていない。


 「ここを建国の地としよう。街道から300キロ、人は入れない。侵略されることはない。あとは皆で国づくりをしよう。とりあえず今日は食事をして休もう」


 広場を作り宿泊棟とスパ棟、厩舎をそれぞれ十分離して出した。温泉と飲料水用の井戸も掘った。お馬さんが温泉、温泉というものだからね。間に木を植え自然の中に点在する建物にした。広場に篝火を焚き、車座になって大宴会だ。バトルホースも一緒。皆自分たちの国が出来たんで喜んでいるね。

 バトルホースは二百人衆より世話の申し出があり頼んだ。


 宴が終わり二百人衆は宿舎へ、バトルホースは厩舎に入っていった。

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