079 大陸から二百数十人の僕(しもべ)を連れ帰った
「じゃこれから僕らの住んでいる大陸に向かいます。海の上は高速で飛びます。大陸上空に達したらゆっくり飛びますので景色など見ていてください」
海の上は高速飛行。あっという間に大陸についた。ここからはゆっくり飛ぶ。と言っても昼前に着きたいので実はかなり早い。遠くに王都が見えてきた。
「あの手前にある四角な森がスパエチゼンヤです。南の門、大手門ですが、その前に降ります」
おお、随分賑やかだ。少し離れたところに着陸する。
「では歩いていきましょう」
ブランコを先頭に殿はエスポーサ。僕とアカはブランコの後ろ。マリアさんとステファニーさんは両脇。ドラちゃんとドラニちゃんが付く。門に到着すると本部長がいる。
「どうしたの」
「二百人と聞いたから出張ってきた。うちで門の警備を受注しているからね」
冒険者が一人、騎乗で駆けて行く。知らせに行ったんだろう。気がきくね。本部長。
「それにしても美男美女揃いだな。組合にも分けてくれないか」
スパに向かいながら本部長が言った。本部長も気安くなったものだ。一時の警戒心が全くなくなった。こちら側にきてしまったようだ。お友達について聞いてみよう。
「宰相さんはどうしています」
「あいつか。だいぶ丸くなった。政治家としても成長したな。一皮剥けた感じだ」
「そうなんですか。そのうち会ってみますかね」
本部長さんは苦笑している。
お、ローコーさんとエリザベスさんがバトルホースに乗ってかけてきた。
「シン様、おかえりなさいませ」
「こちらの方々が僕のみなさんですか」
エリザベスさんが品定めをしている。
「美男美女揃いですね」
外形は合格みたいだ。十数キロ歩くんじゃ大変だから再び金属板を出す。
「これに乗ってください。飛んでいきます」
バトルホースは躊躇なく乗った。へえ。眷属だから。そうですか。アカが近寄ってきた。
エチゼンヤさんとエリザベスさんは片膝ついている。どうもアカに頭が上がらないらしい。いいけど。
「何か変わったことはありましたか」
「なにもありません。順調にお客さんが増えています」
「後で話を聞きましょう」
「じゃ、みなさん乗ったようだね。行きます」
本部長も乗ったが腰が引けてるね。飛ぶのをわかっているんだろう。
金属板はふわっと浮き上がり空中を滑ってゆく。あっという間にスパの前についた。
アカは留守中の報告を受けに、僕はみんなと二百人衆を引き連れて、僕らの居住地の奥に行く。
二百数十人、50世帯くらいだ。後できちんとした名簿を作ろう。
とりあえず60世帯分の集合住宅を作る。4LDKだ。ケチケチしないのだ。2階建、6棟作った。1棟10世帯だ。一家で1階と2階を使う仕様だ。
一部屋に一家だと思っていたらしくびっくりしている。ちょうど50世帯だったので1棟は予備として5棟に入ってもらう。
まずは面接をやってしまおう。
自分たちのスパ棟をいつものところに設置。ホールに机を出す。
アカがエリザベスさんを連れてきた。
早速面接。家族ごとにスパ棟ホールに呼んだ。信者同士だから名前、年齢、家族構成を聞いておしまい。なんだか名簿を作っているだけのようだったね。すぐ終わった。
大人はリゾート旅館と高級スパで働いてもらうことになった。子供は、学校を作り、ステファニーさんとマリアさんが読み書き算数を教えることにした。大人で読み書きができない人には、夜間学校で教えることにした。早速学校を作る。管理棟の近くだ。
エリザベスさんに他の職員にも学校で教えてくれないかと言われたので、子供も大人も受け入れることにした。
さて、イサベルさんに連絡して、アヤメさんを呼んだ。久しぶりに師弟で作業してもらう。
高級スパと旅館で働く人の制服を作ることにした。まだ作っていなかったんだよね。それと二百人衆の服作りだ。いままで制服というものは、執事と侍女はなんとなく世間共通の執事服と侍女服はあったが、それ以外の制服はなかったということなのでローコーさんとエリザベスさんはびっくりしている。
まずは制服のデザイン。スパは、上品で動きやすい服を頼んだ。デザイン画をパパっと描いた。パンツでね。結構体の線がわかる。色は黒に近い紺だ。下着は黒だ。えへへへ。旅館は上下分かれた着物だ。着やすいしね。
女将さんのはちゃんとした着物だ。スリップブラ 長襦袢 半衿付き 腰紐 伊達締め 帯揚げ 帯締め 足袋 草履 髪飾り、など要なの?着物関係は全てデザインしてオリメさんに渡した。足袋のこはぜと草履は用意した。髪飾りは後で考える。
制服の生地は世界樹さんに頼んで全て提供する。縫い糸も生地専用の糸だ。道具はくけ台とかけはり、糸切り鋏を追加しよう。
オリメさんに新たに指貫を作ってやろう。シン金属製だ。内側に例の文字が刻んである。オリメさんの中指にはめてやる。収納付きだ。体が光った。え、アヤメさんも欲しいの。一生外せないよ。独立出来ないよ。ずっと一緒にいることになってしまうよ。いい、覚悟は出来ている。一生シン様とオリメ師匠についていくってか。アカがいいと言っている。それじゃ作ろう。オリメさんとお揃いだ。収納付きだ。中指にはめてやる。体が光った。アヤメさんが50センチくらいの長い丈夫な針が欲しいというから、作って進呈した。何に使うのか聞いたら武器だそうだ。刺して指貫で押し込む。必殺だ。刺しやすいように持ち手を追加した。丈夫だからね、たとえ横から剣で針を折ろうとしても剣が折れるね。
男の服?考えてなかった。作務衣にしよう。悩まずさっと決める。
銭湯とスパで働く男女も作務衣にした。こちらは既製品としてオリメさんの親元に発注しよう。オリメさんが行って説明して貰えばいい。サイズをいくつか作っておけばいいだろう。銭湯とスパでは悪いが裸足。裸足が普通なので抵抗はなく、むしろ何か履くことのほうが抵抗があるそうだ。
銭湯などの職員は臨時雇の通いだ。臨時雇いといえ子供ができて働けなくなっても困るだろうから、託児所を作った。朝子供を連れてきてもらえば帰るまで預かるようにした。就職希望者が俄然増えた。就職希望者が増えたところで、面接を行い、試用期間を設け、採用となれば常雇にした。常雇が増えたことに伴い、銭湯の近くに学校を作る。もちろん常雇だけではなく臨時雇の子供も受け入れる。こちらの先生はエリザベスさんに手配してもらった。
施設管理の人たちも雇った。広大な庭園とか管理が要な場所がたくさんあるからね。この人たちはエチゼンヤ直接管理の奥、旅館、スパには入ってこない。一般の人が入ってくる場所が管轄だ。




