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目覚めた世界で生きてゆく 僕と愛犬と仲間たちと共に  作者: SUGISHITA Shinya
第一部

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078 ステファニーさんとマリアさんの国人の子孫 二百数十人が僕(しもべ)になった

 海岸の村に着陸すると出迎えた村人が一斉に平伏した。

 「どうしたの」

 「我ら一同、国王陛下から樹乃神様に託されました。よろしくお願いいたします」

 「聞こえたの」

 「はい。逐一。国王陛下を先頭に我らの同胞が皆天に還れましたこと感謝の念に堪えません。この地にあった我らの墓地からも魂が国王陛下のもとに馳せ参じ同胞と一緒に天に還ることが出来ました。以後、誠心誠意、樹乃神様にお仕えいたします」

 エチゼンヤの他に信者が増えたと思うシンであった。


 「とりあえずお立ちください。それと僕はシンと呼んでください」

 「神様ですね。わかりました」


 一同深く頷いている。あちゃー。目が据わっている。

 「これからのことですが、ここでは暮らしが成り立たないと思います。良かったら向こうの大陸に渡りませんか。仕事はお世話します」


 「神様のお心のままに。我ら一同神様のしもべでございます」

 「明日の朝出ようと思います。持って行くものがあれば明日回収します。まとめておいてください」

 「承知しました」


 濃い時間を過ごしたからだいぶ時が経ったかと思ったがまだ日は中天だ。

 「じゃ、昼食にしましょう」

 板長さんの食事もだいぶ減ってきた。帰ったら補充してもらおう。今日は果物を出した。もちろん巨樹の森の果物を劣化袋に入れて出したものだ。


 昼食が終わり、住民は自宅に引っ越しの整理のため帰った。


 さて、アカ、ブランコ、エスポーサ、ドラちゃん、ドラニちゃんには、午後いっぱい海の幸を採れるだけ採って収納してもらう。魚、貝、海老、海藻など、食べられるものは全てだ。お土産だね。美味しいぞ、海鮮丼。


 さて、ローコーさんに携帯で連絡だな。ついでだから携帯所有者全員が聞けるようにしよう。ちょいちょいだ。


 「もしもし」

 ローコーさんが出た。クリアだな。距離は全く関係ないようだ。


 「シンです。これは携帯所有者全員に聞こえるようにしてあります」

 と告げ、続いてこれまでの経緯を話し、二百人ほど明日スパエチゼンヤに連れて帰る。彼らは、僕のシモベなので、安心できる。なので面接してスパで雇えるのなら雇って欲しい。宿舎は帰ってから作るし食事は自炊させるのでよろしくと頼んだ。

 「全て神様の御心のままに」

 全員が異口同音に返事した。

 あれ、大陸の話が聞こえてたのかね。一段落ついた。


 海に向かって、おおい帰っておいで。夕飯だよと呼ぶと一斉に海の中から飛び出した。ブランコを先頭に皆んな水の上を走っている。ドラちゃんとドラニちゃんはお魚と大きな海老を咥えて、アカとエスポーサの上だ。

 夕飯は今日で最後だ、豪華にいこう。料理はわからないから村人に魚とエビを渡した。煮付けらしい。人数が多いから今日も立食だ。テーブルを出し、食器を並べ、煮付けが出来上がる頃、板長さんの料理を出した。

 今日は健康回復を祈って、魔の森の泉の水に谷川の水をポタポタして配ろう。あれ、作っているところを見つかった。

 「御神水だ」

 コップを持って並んでいるよ。しょうがない、一人一人コップに注いでやる。


 コップに注がれるとすぐ飲む。あれ、体が光ったような気がする。次々に注いでやると全員が光る。えええ、どうすんだこれ。見なかったことにしよう。え、アカ、見てたの。そう。気が付いてないだけで、今までも関係者は全員光っていた。そうなの。へえ。でどうなのこれは。シモベです。えええええ、じゃエチゼンヤのローコーさんも、エリザベスさんも、イサベルさんもその他の人も皆んなそうなの。じゃなければあの鞭は振れません。オリメさん、アヤメさんは世界樹製裁縫道具は使えないし、シン製剣を振れません。そうなの。うわ、思ったよりも信者が増えている。


 最後の一人に水を注いでやり、飲み終わると一斉に平伏した。

 「本日は御神水をいただき、一同感激しております。体も軽く、不調であった足腰も体の不具合も、病気も全て治りました。お仕えするに支障は何もなくなりました。どうぞ何なりとお命じください。身命を賭して遂行します」

 みなさんの目が完全に据わっているよ。エチゼンヤさんとセドリックさんを思い出すね。

 「とりあえず、食事にしましょう。本日も立食の無礼講です。たくさん食べて明日に備えましょう」


 夜スパ棟でオリメさんに言われた。

 「実は簡単な服を全員分作った。明日はスパに入って着替えて身だしなみを整えてからスパエチゼンヤに向かって欲しい。シン様の僕が見窄らしくては困ります」

 「気がつきませんでした。ありがとう」


 翌朝、マリアさんとステファニーさんに各家を回ってもらい、持参するものを預かってもらった。渡した食料以外ほとんどなかったとのことであった。


 全員で朝食。

 「今日はスパに入って、オリメさんが用意した服に着替えてもらいます。そしたら出発しましょう」

 スパから出てきた人を見れば、僕の世界樹製服に似ているデザインの服だ。驚くことに皆さん美男美女だ。知らなかった。

 二百数十人の服をよく作れたね。もはやオリメさんも神の領域だな。アカが、だって眷属よ。そうなの。知らないことばっかりだ。アカに任せておこう。安心、安心と現実逃避する。


 今日は皆んなにも人化してもらう。人化してスパから出てきた。あれま。また平伏されてしまった。

 「どうぞ立ってください。紹介します。アカ、ブランコ、エスポーサ、ドラちゃん、ドラニちゃんです」

 あれ、ドラニちゃんも人化できたの。へえ。服はドラちゃんのを借りた。そう。じゃスパエチゼンヤについたらオリメさんに作ってもらおうね。


 硬いので厚く思えるかもしれないがごく薄い金属板を出した。みんなが十分乗れる大きさだ。

 「これに乗ってください。周りはバリアで囲ってありますから落ちません」


 みんな乗った。浮上がらせる。ふわっと浮いた。村を一周し、村の墓参りをした。それから峠に向かった。降りてもらって墓参りだ。泣いているね。もう会えないからね。天に昇ってしまったから却って辛いのかもしれないね。


 また板に乗ってもらう。故郷を空から一周する。皆食い入るように見ているが、あるのは緑の木々のみ。人の営みの跡は見えない。

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