表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
目覚めた世界で生きてゆく 僕と愛犬と仲間たちと共に  作者: SUGISHITA Shinya
第一部

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

73/499

073 宰相殿 スパエチゼンヤの視察に行く

 さて、宰相殿、スパエチゼンヤの粗探しの視察に行こうと意気込んでいる。

 「今からスパエチゼンヤの視察に行く。女湯視察のため、家に寄って家内を連れて行く。馬車を用意してくれ」

 「わかりました」


 コイツらなんかコソコソしているぞ。

 馬車の用意ができたようだ。さて行くか。

 「おい、なんで付いて来る?」

 「奥様をお世話する人が必要です。公的な仕事ですから私が付いて行きます」

 この古狸めと思うが、古狸は公爵の縁続きでヤバいやつだ。しょうがない。

 「わかった」


 家に寄って家内を連れてスパエチゼンヤに向かう。家内もすんなり付いて来る。物見高いやつだ。只だからか。只より高いものはないと言う。一抹の不安がある。


 大手門に着いた。

 なんでコイツらがいるんだ。くそ神モードだ。逆らえぬ。頭が下がってしまう。辛辣奥様は、ダメだ。小娘のようにボーッとのぼせている。秘書の古狸ものぼせている。この女たらしめ。俺の目の前は絶世の美女だ。くそアカ様だ。様を付けてしまった。我としたことが。


 「よくいらっしゃいました。ブランコとエスポーサがご案内します。ごゆっくり」

 シン様とアカ様はドラゴン二匹に跨って飛んで行ってしまった。安心はする。


 「奥様、秘書様これから少し山を登って滝を見に参りましょう。足元が御危のうございます。御手をどうぞ」

 家内好みの若い甘いマスクのいい男だ。おっと手を引かれグラッと身を寄せている。古狸も勝手にグラッとしている。態とらしい。こっちは、随分綺麗で色っぽい女だな。

 「さ、どうぞ」

 付いて行くより他はあるまい。


 庭園を見学した。確かに見たこともない庭園だ。王宮庭師では再現不可能だろう。銭湯も食堂もスパも大衆向けと言っているが、いままで見たこともないしつらえだ。利用者を多数入れなければ高級と言っても過言ではない。


 次は馬車で高級スパか。くそ家内のやつ男にしなだれかかっているぞ。何者だ。秘書も反対側からしなだれかかって、口をだらしなく開けてよだれがタレそうだ。こっちはいい匂いだ。しょうがない。家内への小言は我慢するか。


 石柱が並び立つ神殿のような建物が見えてきた。

「ここが高級スパです。ここでご案内は交代させていただきます。奥様、秘書様どうぞこちらへ」

 「宰相様はこちらへどうぞ」


 くそ男か。ここが脱衣所か。よくできている。トイレは革命だ。素晴らしい。

 あ、男に俺の男が負けた。


 ここがスパ本体か。すごい湯量だ。ここが洗い場か。頭を洗う。シャンプーとな。汚れが落ちて気持ちいい。広い風呂だ。のびのびする。次は、なんだこれは泡の水流だ。疲れがほぐれる。なに、こっちは寝湯とな。頭をのせて体を伸ばす。あ〜〜〜極楽。いかん。こっちは露天風呂とな。趣があってよろしい。次は岩盤浴。眠くなりそうだ。気持ちいい。いかんいかん。次は砂湯。砂をかけてくれるのか。体の中から疲れが溶けていく。いかんいかん。騙されてはいかん。出よう。あれ、新しい下着が置いてある。履いてみよう。おお、ピッタリする。落ち着くな。この筒はなんだ。髪の毛を乾かすのか。温かい風が出てくる。良い。いつの間にか綺麗になって畳んであった服を着る。おや青毒蛇ドリンクが並んでいる。一本もらって行こう。いかん2本持ってしまった。見つからぬうちにポケットにしまおう。

 こちらへどうぞか。次は旅館か。エリザベス様が女将か。怖え。家内と秘書もやってきた。


 「客室を案内しましょう」

 森の中に入って行く。なんと森の中に宿泊施設がある。中に入る。なんだこれは。すごいベッドだ。思わず横になった。隣のベッドには家内。おっと古狸が睨んでる。わかったよ。交代する。ベッドは素晴らしい弾力だ。それにリネン類。国王の寝室も負けている。それになんだ、天井の明かり。昼間のような明るさだ。壁のスイッチなるもので点けたり消したり出来るのか。


 「泊まって行かれますか?」

 泊まって行くものか。

 「帰るぞ」

 「あなたは帰りなさい。私と秘書嬢は泊まっていくわ。公務よ」

 「夕食も食べていただきましょうね。明日の朝、うちの馬車でお送りしましょう」


 くそ俺だけ帰るのか。

 「お帰りはこちらです」

 さっきの男が現れて馬車まで連行された。くそ。


 御者はご機嫌だ。何か貰ったか、食事か。クビにしてやる。ポケットで青毒蛇がガチャガチャいっている。それにブリーフとやらも履いて来てしまった。まずい。クビはやめだ。黙っていよう。


 「帰るぞ。家内と古狸は泊まりだ。明日の迎えは要らぬ」

 「へい、承知しました」


 白狼が出て来た。見送りか。待てよ、さっきの男女はコイツらか。やられた。行動全てをシンとエチゼンヤに報告される。

 クソクソと言いながら一人王宮に戻る宰相であった。


 古女房がいないので夜は久しぶりに羽を伸ばす宰相である。アレを一本飲んで夜の街に繰り出した。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ