071 スパエチゼンヤを国王夫妻と先の国王夫妻が訪れた
朝、エチゼンヤの会議。もちろんスパエチゼンヤで行う。
出席者は、シン一家。支店からローコーさん、エリザベスさん、セドリック執事長、バントー支店長、アンナ侍女長、イツカリ板長、本店からヨシツナさん、イサベルさん、ローレンツ執事長、ベネディクト侍女長、店長、料理長だ。
最初に施設を見てもらった。牧場から馬を連れて来て回った。
森は今まで魔物と獣、盗賊の領域で忌避すべきものだったが、静かで美しく心安らぐ常識外れの森の中にある高級リゾート旅館に驚き、神殿とみまごうばかりの高級スパに驚いた。
人工の山と滝、庭園については、庭園と言えば貴族か王宮のバラ園と広いだけの芝生だけなので、このような自然を取り入れた美しいものはこの世界にない。神の世界か。その庭園が来訪者すべてに解放されていると驚いていた。
大衆向けの銭湯。大衆は顔を洗うぐらい、良くてたまに行水だ。大衆が全身をお湯で洗いお風呂に入る銭湯に驚いていた。
さらにやや高級だが頑張れば入れるスパ。
皆さんの意見。
「これは貴族はもちろん、大衆が仰天するぞ」
会議は熱気に包まれた。まず、全体の管理はローコーさんが責任者、高級リゾート旅館と高級スパはエリザベスさんが責任者の女将で副責任者がイサベルさん。高級リゾート旅館と高級スパは、エチゼンヤ本支店から人を集め従業員とし、新規採用者は入れない。両方の施設では情報収集も行う。大衆向けの銭湯とスパは責任者ほか数名を除き、職員を募集することが決まった。空き地はエチゼンヤさんで様子を見て必要な施設を建設、運営することに決した。
ついでに連絡装置は携帯と呼ぶことに統一した。呼び出す時は相手がスイッチを押したら呼び出した方がもしもしと言うことが確認された。携帯は今日の出席者で持っていなかった人には渡した。
板長さんと料理長さんは、私のようなものはというので、高級リゾート旅館でお出しする料理は普通の料理では満足していただけない。板長さんと料理長の指示などが必ず必要で是非使ってもらいたいと言って受け取って貰った。なお、軌道に乗るまで、板長さんと料理長が交代で旅館の厨房に詰めて監督することも決まった。
エチゼンヤさんは忙しいね。フル活動だ。表裏あるので急には人は増やせないけど、徐々に人も増やすみたい。
ローコーさんは、先の国王を連れて来ると言って出かけた。
エリザベスさんとアカと大手門で、警備詰所も作らなくちゃね、本部長に任せようなどと話して待っている。来ましたよ。馬車が3台。先の国王夫妻と現国王夫妻とエチゼンヤさんだ。
初めての方が多いのでまずはご挨拶。僕は青年だ。国王にはお会いしたことがあるがその他の方は初めてだ。国王と先の国王はアカを見て息を呑み、王妃と先の王妃は僕を見て上気しているね。我に帰ってみんな跪いた。挨拶して引き上げよう。あとはエチゼンヤ夫妻に任せる。
呼んであったドラちゃんとドラニちゃんに大きくなってもらい飛び乗って僕らのスパ棟に戻った。森の中にスッと消えたように見えただろう。
エチゼンヤ夫妻に国王陛下御一行の様子はどうだったと聞くと、滝に驚き、庭園に驚き、銭湯とスパに驚き、トイレを経験し、飛び上がらんばかり(多分)に驚愕して、大自然の中の宿泊施設と神殿ばりの高級スパに驚愕し、食事になると食器を見て驚き、板長の料理を食べ舌鼓を打ち、現国王だけ泣く泣く帰り、王妃と先の国王夫妻には高級リゾート旅館にお泊まりになったとのことであった。
解説しよう。
食器は磁器だ。青磁、白磁。絵を付けたものもある。裏の印はもちろん巨木。ティーカップは縁は金、花柄にした。グラス類はガラス。銀の食器しか見たことないから、華やかさ、美しさに仰天していたそうだ。
板長さんの料理は、新鮮な魔肉、野菜・果物は劣化袋を通した巨樹の森産が材料。国王といえどもこの世では手に入らない食材がほとんどで、それに板長さんの腕前が加わったのである。誰も食べたことがない料理となっていて、その美味しさに一口食べて唸っていたらしい。
高級リゾート旅館は、ベッドはシン製。スプリング入り。リネン類も素材は最高級でオリメさんが出してくれた。急ぎ必要なだけオリメさんとアヤメさんに縫ってもらった。毛布は魔物の素材から僕が作った。薄くて肌触りよく、暖かい。寒ければ上掛けは魔物の羽毛布団です。これは素材を提供してオリメさんとアヤメさんに縫ってもらった。それとオリメさんとアヤメさん作成の下着類2枚ずつと夜着も用意して部屋に置いといた。
翌朝、御一行はぐっすり眠れたようで、大満足して、エチゼンヤさんを呼び、全員下着類と夜着はお買い上げ希望。ティーカップは王妃と先の王妃が是非にと希望。進呈したらお買い上げ以上の金額の金貨をエチゼンヤさんに押し付け、王妃と先の王妃はオリメさんとアヤメさんを呼び、何やら話して帰って行ったそうだ。
エリザベスさんがオリメさんに何を話されたか聞いたところ、下着類と夜着をえらく気に入り、専属にならないかと持ちかけられた。エリザベス様に雇われ、シン師匠の元で修行しているのでとお断りした。修行が終わればどうかと重ねて聞かれたので、シン様にはとても追いつけない。一生修行だ、ご用があればエチゼンヤまでとお断りしたとのことであった。エリザベスさんは安心している。給料が上がるかも。




