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目覚めた世界で生きてゆく 僕と愛犬と仲間たちと共に  作者: SUGISHITA Shinya
第一部

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052 旅は終わりに近づき王都の城壁が見えて来た

 朝になった。流石に魔物も諦めたらしい。ここから先は散発的に獣や追い剥ぎが出るくらいでほとんど何も出ないそうだ。軽快に進む。休憩、お昼、休憩をこなし誰もいない所を野宿地と定める。バリアを張って厩舎とスパ棟をだす。

 馬は御者を引っ張って厩舎に向かう。気に入ってくれたみたいだ。


 スパ棟は改築して何と二階建てだ。御一行さんを案内する。一階は二階への階段が増えただけで変更なし。二階は個室がならんでいる。部屋は画一ではなく、広さも調度も少しずつ変えている。ガラス窓にカーテン、灯りに驚いているな。天井灯は壁にスイッチがある。スタンドも手元灯もある。皆さん好きな部屋を使ってもらえばいいよ。


 一番奥の部屋は広い。シン一家の部屋だからね。トイレは各部屋にあるが、お風呂はこの部屋にしかない。勿論みんなで入るんだ。えへへ。


 エチゼンヤさん夫婦が控室付きの一番良い部屋をとり、後は納まるところに納まったみたい。御者さんもお馬さんの世話を終えて戻って来て部屋に入った。


 オリメさんとアヤメさんは戦闘で傷んだ服を繕うそうだ。部屋の明かりは明るいからね。手元灯もあるし、縫い物にも十分な明るさがある。皆んなから繕う服を入れた洗濯袋を預かっている。後で谷川の水をポタポタしたフレッシュジュースをマリアさんに差し入れしてもらおう。


 翌朝、スパ棟から外をみるとバリアの外に馬車が止まって偉そうなのがこちらを見ている。面倒だね。みんなに外に出ない様にしてもらう。予め作戦を話しておいた。面白そうなのでノリノリだ。


 作戦実行。先ずは偉そうな奴の馬車の周りにバリアを張る。バリアの外側に今見えている景色を焼き付ける。音は自然の音だけバリアを通過させる。30分有効の時限バリアだ。お馬さんにも作戦を話す。覗かれていたので気分を害していたそうで面白がっている。


 馬車を準備し、スパ棟、厩舎を収納し、痕跡は綺麗に消し撤収。それ行くぞ。王都に向かって駆けて行く。

 30分すると一瞬でスパ棟と厩舎が影も形もなく消える算段だ。みんな笑っているよ。お馬さんも機嫌良く嘶いている。


 今日は休憩を入れずに昼まで飛ばした。昼食時にお水に谷川の水をポタポタした。午後も夕方まで飛ばすからね。普通の馬車が必死になって追いかけて来ても追いつけないだろうよ。


 夕方になり、街道からすこし離れ野宿する。勿論皆さん大満足のスパ棟と厩舎だ。今回はバリアに我々が入る前の風景を焼き付け、中から外への音は遮断する。街道脇は野宿地に入ってこられない様に沼地化しておく。我ながら良い出来だ。ゆっくり休もう。


 昨夜は誰も街道から入ってこなかったようだ。


 エチゼンヤさんによると王都に近くなったので、これから人の往来がだんだん増え、宿場町も整備されているそうだ。残念ながらスパ棟は今後出せない。あ、お馬さん関係ないと思っているね。厩舎も出せないよ。ガッカリしているね。一蓮托生だからね。


 武装は解除して、物腰柔らかな大旦那さんと奥様、執事、お付きの侍女さん、店員さんに変身だ。アカを始めみんな小さくなって従魔を装う。


 馬車はオーバースペックの4頭立て。店員さんは馬に乗る。馬車はエチゼンヤさん一行で一台、シン一家とオリメさん・アヤメさんで1台。御者さんは交代する時は店員さんかセドリックさんと交代するようだ。


 少し行くとなるほど人がポツポツと増えてくる。街道から外れたところに村でもあるんだろうね。


 行商さんかな、荷車のような馬車のようなものを馬に引かせて歩いている。王都近隣の村々を回って商売しているのかもね。そういう人達に合わせてゆっくり進むのは大変だ。爆走が体に馴染んでしまったようだ。


 休憩も要所要所にお茶屋があるようになって来た。大店の大旦那さんとしてはお茶屋で休憩しなければならないようだ。え、僕たちも?大店御一行だから自由はダメでお茶屋だそうだ。ああ窮屈。泊まりも宿屋。窮屈窮屈。


 森はいいねえ。根性無しのドカドカオオトカゲでもからかいに行きたいね。待っていてくれるだろうよ。


 シンは知らないが、そのとき獲物を追い詰め一飲みにしようとしていた、シンと遭遇したことのある崖下オオトカゲが首筋に悪寒を感じ慌てて巣穴に逃げ込んだ。獲物が助かったのは言うまでもない。


 さて一行の行先に王都の城壁が見えてきた。もう少しだ。行き交う人も増えたね。


 城壁近くの茶屋に寄る。こんなに城壁の近くで商売になるのかと思ったら、王都土産を買い忘れて城門を出てしまった人が王都土産を買ったり、田舎の土産をここで買って、さも田舎から持ってきたようにしてお使い物にしたりするのだそうだ。大きな商売ではないが確実に需要があるということだ。


 この茶屋はエチゼンヤが運営していて、訝しがられず王都への人の出入りを見張ることができる。なるほど、表裏一体で運営しているのか。


 茶屋の店員さんが城門へ向かって駆けていく。フリーパスで城内に入って行った。大旦那の到着を知らせに行ったのだろう。


 馬車は1頭立てにするために茶屋の裏にまわった。店員さんとはここでお別れ。

 馬はエチゼンヤの城外にある牧場へつれていくそうだ。王都周辺は魔物も出ず安全なんだそうだ。ここで馬ともお別れする。馬が寄って来るね。そのうち牧場にいってみるよ。

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