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目覚めた世界で生きてゆく 僕と愛犬と仲間たちと共に  作者: SUGISHITA Shinya
第一部

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051 湯殿棟をスパに改築した

 麓で野宿している人が我々をみると馬車に引きこもって誰も出てこない。人外武闘派暴走集団確定だね。もともと一緒に野宿することはできないので少し先に進んで誰もいないところで野宿する。


 今日はゆっくりしてもらおう。湯殿棟に寝湯、ジェットバス、サウナ、岩盤浴、トイレも複数。脱衣所には化粧する場所を追加しよう。テントを出したりしている間にチャッチャッと作ってしまおう。あれ、この仕様だと女性はなかなか出てこないだろう。男湯も作ろう。両方に露天風呂も追加しておこう。もちろん、覗き、侵入絶対不可バリアを張る。いいね、出来た。


 「湯殿棟がだいぶ大きくなったけど」

 「エリザベスさん、よくぞ聞いてくれました。寝湯、ジェットバス、岩盤浴、露天風呂、化粧台を追加しました。元のお風呂も拡張しました。男女別になっていますので全員が一度に入れます。湯殿棟改めスパ棟と呼んでください。それにこちらは温泉付き厩舎です」


 男女問わず歓声が上がったね。馬も喜んでいる。よく働いてくれたからね。じゃみんなでお風呂タイム。一帯にバリアを張りみんなでスパ棟へ。お馬さんは御者さんが厩舎へ連れて行った。知能が上がったから使い方を教えれば馬たちで温泉に入るだろう。御者さんもすぐ合流出来るだろう。


 実は入り口を入ったところに大ホールを作って食事が出来るようにしてある。今度二階にして宿泊施設を作るかな。

 御一行は唖然としている。

 「こちらで後で食事をしましょう。とりあえずお風呂はこちらです」


 暖簾を垂らした入り口で男女に分かれる。女湯の施設の使い方は人化したアカが説明してくれるだろう。男湯は僕が説明しよう。


 「では皆さん、まずは脱衣所。この箱は洗濯物を入れると風呂に入っている間に綺麗にしてくれる箱で洗濯機と呼んで下さい。いくらでも入りますから入れてください。一人分ずつの洗濯袋のままでも大丈夫です。ここは大きな鏡付きの化粧台。女性は化粧、男性は髭剃りですか。この柄がついた筒状のものは髪を乾かすものでドライヤーという名前です。柄についたボタンを押すと温かい風が筒の先から出ます。冷たい風も出ます。トイレもあります。脱衣所からも風呂場からも入れます」


 「風呂場に行きましょう。これは今までの風呂です。少し広くしました。ここは寝湯で、風呂の縁に丸太がありますがそこに首を乗せ脱力し横になってお風呂に入ります。次はジェットバスであちこちから泡を含んだ水流が出て心地よく全身をマッサージします。岩盤浴は床に石が敷いてありそれがあたためてあります。厚めの布を用意してありますのでそれを敷いて寝てください。体にかける布も用意してあります。体の芯から温まります。入り口に水を用意してありますので飲んでから入りましょう。露天風呂は言うまでもなく外に作った風呂です。覗き、侵入絶対不可バリア付きです」


 「あ〜〜〜」と声が聞こえるのは寝湯だね。ジェットバスには「うおお、うおお」と言いながら入っている。岩盤浴はすぐに寝息が聞こえた。水を飲んだろうね。


 遊ぼう遊ぼうとブランコが露天風呂に誘ってくる。もちろん遊んでやるよ。皆さんよく働いたからリラックスして疲れをとってもらったらいいね。


 さて、ブランコは今度はジェットバスでご満悦なので、先に出てホールに夕食の準備をしておこう。板長さんの料理を出せば良いまでにセットした。


 三々五々お風呂から出てきた。なんだかツヤツヤして芯から元気になっているね。エリザベスさんが出てきてエチゼンヤさんに詰め寄っている。


 「あなた、ウチにもスパ棟を作ってもらいなさい」

 女性陣の圧力がすごいぞ。頑張れエチゼンヤ。寄り切られそう。


 「シン様にお願いしてみよう。しかしリラックスはわかるがなぜそんなに目の色が変わるのかね」

 「あなた、わからないの。この肌の色艶。この体型。芯から湧き上がる力、全盛期を超えたわね。それに大きな見たこともない一枚の鏡付きの化粧台。ドライヤー、洗濯機、清潔なトイレ」

 「それは神の水、神の岩、神の技だからで秘匿すべきじゃないか」


 エチゼンヤさんが土俵際から中央近くまで押し返した。エリザベスさんはしょんぼりしてしまった。助けを出そう。


 「この世界の岩でも探せば岩盤浴に使える岩があると思いますよ。今度探してみましょう。水は、深く掘れば温泉が湧くかもしれません。この施設ほどではなくてもこの世界にはなかった効能のあるスパが作れると思います。大きめの施設を作ってエチゼンヤ スパと名付けて営業すれば繁盛間違いなしです」


 エチゼンヤ一家の目が金貨になって輝いている。商人でもあったのね。

 「あなた、すぐ土地を確保しなさい。そうねえ、露天風呂は誰もいない山間がいいのでしょうけど、魔物が出るから困るわね」

 話が進んでいくぞ。


 「わかった。魔物や獣が出ない平地に丘を作り木を植えてもいいな。エチゼンヤスパの周りに宿泊施設も作って儲けてやろう」

 エチゼンヤさんは実現可能な話になってほっとしているね。


 「歓楽街には娼館が」

 「あなた」

 エチゼンヤさんはほっとして口が滑った。叱られている。


 「しかし、管理すれば儲かるかも。あなたも行けば料金をガッチリとりますからね」

 うへ、エリザベスさんも現実的な商人だった。


 「では早速娼妓の手配を」

 「またらっしゃい。王都の用事が先でしょう。それにそんなに回復したの?エチゼンヤスパ 回春の湯でもいいわね。スパ(回春)、娼館、スパ(回春)、娼館のコンボ。儲かる儲かる」

 「白狼印のアレを売ってもいいな。スパ(回春)・アレ、娼館のコンボで金持ちから搾り取ってやろう」


 この世界には福祉がないからね。せいぜい孤児院だ。搾取されるだけの娼妓は論外だが、健康面も含めよく管理された娼妓は幸せの方なのだろう。怒られるだろうけど。あれ、だれに怒られるんだろう。


 侍女さんの配膳が終わった。皆んなで食べる。

 「街道の宿屋では食べられないな。板長の作りたての温かい料理、この世界とは思えない施設。宿屋より野宿の方がいいなんて聞いた事もない」

 皆さんウンウンとうなずいている。


 さて寝よう。外に出る。バリアの向こうで恨めしそうにこっちを睨んでいる魔物がいるね。御苦労さん。

 「テントねえ。差が激しいわ」

 エリザベスさんが呟く。

 明日の夕方までになんとかしよう。

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