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目覚めた世界で生きてゆく 僕と愛犬と仲間たちと共に  作者: SUGISHITA Shinya
第四部

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483/499

483 谷底の生き物を殲滅する (3)

 殲滅戦の一日目が終わった。

 ジェナたちの乗り物はジェナがそれぞれ熱帯雨林と雪原に戻した。

 さて、テントの中から転移して神国に戻ろうとすると謎の波動が押し寄せてくる。いや、わかっているんだけど。しょうがない、観察ちゃんに行ってもらう。


 僕らが神国に転移したらすぐ観察ちゃんが先の王妃、侍女さん、王妃、元国王の奥さん、元宰相の奥さんを連れて転移してきた。自宅スパ棟に招じ入れた。お風呂お風呂と言っている。どうぞどうぞだ。

 ティランママとエスポーサは鉱山都市組にいろいろ説明しているからまだ戻らない。


 僕は、ブランコ、ドラちゃん、ドラニちゃん、ティランサン、プリメーロとお風呂だ。リオンちゃんは家族でテントだ。お狐さんが観察ちゃんを乗せて来てくれた。みんなで遊ぶ。楽しいよ。


 先の王妃、侍女さん、王妃で一部屋、元国王の奥さん、元宰相の奥さんで一部屋でさっさと部屋に行ってしまった。僕らも寝室だ。チルドレンはジェナがついて一部屋。


 お狐さんが悪いところに行っていたと心配してくれる。大丈夫だよ。悪いものは退治するからね。うんと返事した。イヅル国の子供達の話を聞いて就寝。

 みんなを守らなくちゃね。


 夜だいぶ経ってからエスポーサとティランママが戻って来た。ご苦労さん。

 鉱山都市組も説明なく戦いに放り込んでしまったから申し訳ないけどね。まあいいや。この星の危機だからね。


 朝、先の王妃さんたちと朝食。朝食が終わったら観察ちゃんが先の王妃達をテントまで送っていった。さて僕らもテントに転移だ。


 板長さんと料理長さんとお弟子さんが朝食を作っていた。

 女将さんも手伝っている。朝食と夕食は手伝いに来てくれるそうだ。

 僕らは食べて来たけど、ブランコ、ドラちゃん、ドラニちゃん、ティランサン、ジェナ、チルドレンは並んでいる。


 宰相たちも昨日に懲りたと見えて並んでいる。今日は食事にありつけるだろう。


 食事が済んだら、二百人衆と神父さんたちは一部が交代と思ったら、孤児院、託児所はおじいさん、おばあさんに任せてきた。神国は、メーメー、モーモー、コッコ、ミツバチさんに頼んできたそうだ。総力戦だ。


 ジェナとチルドレンが乗り物を呼びに行って乗って戻ってくる。


 さて、どうするか爺さん連中。一応見たからいいか。帰ってもいいというと喜んでいる。


 「さあ帰りましょう」

 宰相はじめとする老人会が先の王妃たちを誘う。

 「人の世の代表としてこの顛末を見届けなければならない。帰りたければ帰ればよい」

 先の王妃のつれないお返事である。

 女子会は皆そういう意向だ。すぐ配膳の手伝いに行ってしまった。


 老人会の連中はいても面倒なので、観察ちゃんに送ってもらった。公爵は孫と残った。最後まで見る気らしい。良いことだ。


 さて、二日目だ。配置についてもらう。

 ブランコの開戦の合図があり、谷底のバリアを消した。

 昨日と同じであるが、だんだん谷幅が広くなるので更に忙しい谷底組。


 ブランコが目の前の得体のしれないものを殴る。ネチャッと音がして足にくっつく。離そうとしてもくっついたまま。そのうち抱きつかれて全身くるまれた。もがいている。踊っているようだ。狐面があるから息はできるけど、大変である。


 「何やってるのよ」

 エスポーサがブランコめがけて高温の火炎を放つ。アチアチとブランコが火炎の中から出てきた。エスポーサにお礼を言っている。

 確かに得体のしれないものは燃えてブランコは自由になれたが、エスポーサ様の旦那をやるのも大変だ、ブランコ様は大人物だとみんな思った。


 今日はネチャネチャ系らしい。切っても切っても切れない。すぐくっついて元のままである。大苦戦である。

 ブランコが閃いた。全身に炎をまとって突進していく。さっき抱きつかれたから、ブランコも抱きつき作戦だ。抱きついて得体のしれないものを燃やしてしまった。得体のしれないものがジリジリと後退していく。ブランコが吠えた。高温の炎が得体のしれないものに向かっていく。あっという間に燃えてしまった。気を良くしたブランコ、次々に炎を放つ。


 ステファニーさんも閃く。鞭を持ってじっと鞭を見る。鞭が光ってきた。黒い炎が吹き出してくる。振る。ネチャネチャ生物が切れた。くっつかない。生命反応がなくなる。ステファニーさんが高笑いする。

 「おほほほ。おーっほほほ」


 黒い炎と高笑いに不気味と思ったらしいネチャネチャが後ろに下がる。

 「逃がすか」

 黒い炎を纏った鞭に切り刻まれる。

 ブランコとステファニーさんは快進撃する。


 それをみたゴードンさん以下のお仲間。シン様からもらった武器だから同じことが出来るだろうと武器を睨む。ボッと音がして武器の金属部分が炎を纏う。

 「はははは、はーっははは」

 こちらも高笑いしてネチャネチャに突っ込む。簡単に切れる。くっつかない。再生しない。生命反応が消える。


 オリメさんは、暗殺剣をしまって、自分の両拳をじっと見つめる。両拳が光ってきた。やがてボッと音がして、炎が上がりだした。ネチャネチャを殴る。殴ったところが消える。程なくネチャネチャは死亡。

 「えへへへ」

 自分の炎の拳を見て不気味に笑う相手に思わず下がるネチャネチャ。すぐ殴られて御臨終。


 それをみたトルネード。足にトゲトゲバリアを張り、出でよ炎と強く思う。こちらもボッと音がしてバリアが炎を纏う。ネチャネチャを蹴飛ばすとさっきまでは暖簾に腕押し状態であったが、今度は炎にあたった部分が燃えてしまった。ネチャネチャは死んでしまった。

 「ヒヒヒ、ヒヒーン」

 こちらも高笑い。


 ネチャネチャは不気味な高笑い連中に尻込みを始めるが次々と屠られる。


 脇に逃れようとすると観察ちゃんが世界樹の枝でスパッ。枝に炎を纏わせなくてもネチャネチャはスパッと切れて、死んでしまう。さすが世界樹の枝。


 こちらは炎の剣を見たジェナとチルドレン。棒を取り出しじっと見つめる。ボッと音がして棒が炎を纏う。

 乗り物はオリメさん、アヤメさんの炎の拳の映像を見て、何やら唸っている。ボッと音がして牙が炎を纏う。

 「よしよし。いい子だ。行くよ」


 昨日と同じ、ジェナとチルドレンは熱帯号と雪原号に分乗して転移。乗り物から降りて谷の斜面のネチャネチャの真ん中あたりを炎の棒剣と炎の牙で屠って縦断して帰ってくる。


 稜線組は、観察ちゃんの中継をみて、二百人衆は刀に炎を纏わせ、バトルホースは足のバリアに炎を纏わせネチャネチャに突っ込んでいく。

 イサベルさんも鞭に黒い炎をまとわせ「おほほほ。おーっほほほ」と突っ込んでいく。鞭の弟子達の笑い声は師匠にそっくりだ。

 ロシータさんとリリアナちゃんもショートソードに炎を纏わせて突っ込んで行く。鉱山都市組はハンマーに炎を纏わせて突っ込んでいく。


 後詰のコマチさんとヒバさんは、武器の先端からローソク程度の炎が出た。今回はあまり危なくないようなのでコマチさんとヒバさんを稜線組に投入。


 稜線組のその他の人は武器を持って唸っている。神父さん、エレーネ主従、ラシードさんがローソク程度の炎、ほかは武器の先が線香程度に赤くなっただけ。


 それでも突かれるとネチャネチャは下がる。大勢で囲んでローソク並みの炎と線香並の赤さになった武器の先でちょんちょんと突く。身を捩るネチャネチャ。もはやいじめである。トドメがさせないので見方によっては悪質ないじめである。ネチャネチャは段々縮んで最後には消えてしまった。責める方、責められる方、いや、攻める方も攻められる方もなんともいえない後味であった。


 遠くからその攻防を陰惨ないじめと見たネチャネチャ、勢いよく炎が出ている二百人衆などにかかっていく。一気に燃やされたほうがいいらしい。


 その日は一日ネチャネチャ相手であった。谷の全長の三分の一程度は掃討した。残りは谷底の幅が広くなるから進撃のスピードは落ちるかもしれない。


 その日も先の王妃たちをスパ棟に招いて就寝。

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