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目覚めた世界で生きてゆく 僕と愛犬と仲間たちと共に  作者: SUGISHITA Shinya
第四部

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478 悪いもののいる谷に行き着く  熱帯号と雪原号の誕生

 少し先まで行って、海に船を浮かべる。船に転移。先に行ってみよう。

 ずっと森だ。北のはるか彼方に山脈が見える。西は海だ。


 バルディア帝国の北は西の森の山脈につながっている山塊だ。西の森の山脈はバルディア帝国から見たら東の森の山脈だろう。帝国の西は境の南北に伸びて山塊に連なる小さな山脈を経て平らな森だ。鉱山都市ミネリアがある森の平原だろう。森の平原が南西から押し寄せた感じだ。押し寄せられてしわになった大地が北と東に山脈を作ったのかもしれない。

 バルディア帝国を越えた今の場所から見ているのが北の山脈だ。ずいぶん広い森の平原だ。


 ドラちゃんとドラニちゃんが観察ちゃんを乗せて偵察に行った。

 一周して帰ってきた。

 『シン様。鉱山都市ミネリアがあったよ』

 「そうか。ありがとう」


 この森の平原は、先ほどの3000人ほどの住人と鉱山都市ミネリアがあるだけだね。森の恵は十分だ。


 森の平原の北の山脈の先に行ってみよう。山越えは陸から行くか、船で脇を通過するか。

 「陸から行きましょう。なぜだかわからないけど良くない予感がする」

 「そうね」

 ティランママとエスポーサがそう言っています。アカも頷いています。それを退治するのね。

 「わかりました。陸でいきましょう。ドラちゃん頼んだよ」


 ドラちゃんが大きくなってみんなで乗る。いつものようにゆっくり船を収納。さて森の平原を横切って北の山脈の西の果て、海側の麓に着陸。


 「じゃ、山登りだよ。なにか良くない予感だから気をつけてね」

 ブランコを先頭に登っていく。かなり高い。途中で夕方になった。稜線はもう少しだけど、今日はここで野宿だな。少し平らなところにテントを張る。


 お狐さんが来た。

 『ここ悪い』

 「そうか。それじゃ船だな」

 テントを収納。ドラちゃんに乗ってもう一度船を出して甲板に。お狐さんは安心してジェナたちと遊びだした。


 観察ちゃんが転移してきた。

 『シン様。あそこはたしかにおかしいよ。山を越えて悪い気が溢れてくるよ』

 やれやれ明日は楽しみだよ。


 朝になって、朝食が済んでお狐さんが帰って行った。さてどうするかな。偵察しようか、それだとわくわく感がなくなってしまうか。偵察なしにしよう。

 今日は神様モードだ。着替える。


 ドラちゃんに乗って上空へ。船を収納して昨日の地点へ。

 さて歩いて登ろう。もう少しだ。

 稜線に到達。

 深い谷が目の下にある。海側から谷が伸びている。30キロほどだ。海なら入江というところだな。谷底は薄暗い。悪い気配は谷底からだ。谷底に満ちている。


 弱いバリアがあったが破れそうだ。もう数日すると悪いものがバリアを破って谷底から進撃を開始するだろう。今は集まって進撃の準備だな。この谷底にいるものは外に出してはいけないな。


 弱いバリアの外側に僕がぐるりと谷ごとバリアを張った。古いバリアは僕のバリアに吸収された。あれあれ、親和性がある。


 バリアから中の悪いものは逃れられない。外から中には入れる。僕の眷属はバリアが張られたのがわかったみたいだ。当然だけど。ま、他の人には黙っていよう。


 「この谷底にいるもの、生えているものは外に出してはいけない。逃してはいけない。気づかれないうちに包囲しよう。二百人衆を呼ぶ。手が空いているもの全員とバトルホース、ベーベーだ。ステファニーさん、観察ちゃんと行って連れて来て」

 「承知」

 ステファニーさんが観察ちゃんと転移していった。


 「マリアさん。エチゼンヤ夫妻、ゴードンさん、三馬鹿とハビエル神父、トルネード、きょうちゃんを連れて来て。神父さんも手隙のもの全員。ロシータさんとリリアナちゃんも来たいなら連れてきていいよ。6神父はドラちゃんが行って来て」

 「わかりました」

 マリアさんが観察ちゃんと転移していく。ドラちゃんも転移していく。


 「オリメさん。セドリックさん、アンナさん、バントーさん、板長さんを連れて来て」

 「行って来ます」

 オリメさんが観察ちゃんと転移していく。


 本店の皆さんだな。

 「アヤメさん、ヨシツナ夫妻とローレンツ執事長、ベネディクト侍女長、クレマン料理長を連れて来て」

 アヤメさんが観察ちゃんと転移していく。


 あとは誰かなあ。一段も二段も落ちるからな。まあ、見学でいいか。

 「観察ちゃん、コマチさんとヒバさん、ラシードさん、エレーネ女王と侍従長と侍女長を連れて来て」


 総動員体制だと鉱山都市ミネリアも呼ぶか。ハーマン組合長、ベアグマン隊商隊長、エトクロース執事長、クラーリス副組合長だな。強者ティランママに行ってもらおう。問題ないだろう。

 「ティランママ、鉱山都市のハーマン組合長、ベアグマン隊商隊長、エトクロース執事長、クラーリス副組合長を連れて来て」


 あとは人の世の代表で、宰相でも呼んでやろうか。それと王妃と先の王妃と侍女」

 「私がいきます」

 アカが転移していく。


 バリアは僕が呼んだ人は出入り自由にしておいた。


 稜線から下がったところに続々と集まる。

 ドラちゃんが、弟子に戦いの様子を見せたいそうだ。じゃ連れて来ていいよ。

 公爵はついてくるだろう。ついでに公爵のところの爺さん、婆さんを呼んでやろう。公爵と一緒だと公爵が何もしないな。離れたところに配置して、観察ちゃんにも映像に映さないように言っておこう。面白い。


 ジェナが乗り物を連れてきていいと聞くからいいよと答えた。

 ジェナが乗り物2頭を連れてきた。熱帯号と雪原号と名をつけた。光った。すぐ水を飲ませ、体が光るのを見て、アンクレットをしてやる。危ないからな。狐面もしてやろう。戦闘が終わったら外して輪っかに入れておきな。よしよし。水は竹水筒が輪っかに入っているよ。飲みたいと思えば水が出てくる。食事は今はジェナとチルドレンが世話するだろうけど、戦が終わったら自分で収納しときな。腐らないし、いつまでたっても新鮮だよ。


 乗り物2頭は思う。

 やばい、大変危ない戦場だ。いままで出会ったこともない過酷な異常な戦場だ。逃げたい。だが足に神様が輪っかをしてくれた。水の心配はない。食べ物も収納しておけばいい。こんないいことはない。

 それにこれはなんだ。体に力が満ちる。体が充実する。噛まれたくらいでは傷が付きそうにもない。この気候もなんともない。ジェナ様、チルドレンの言うことがはっきりと分かる。他の人の言うこともわかる。曇っていた頭がすっきり晴れて来たようだ。


 私は進化したのか。他の人の輪っかも見える。敵味方は瞬時に判別できる。私はこの戦場でも戦える。全身が喜んでいる。思わず武者震いしてしまった。これでは戦いに参加しなければならない。私は熱帯号だ。初対面だが乗り物同士お互いを見ると思っていることは同じだ。相手は雪原号だ。お互いを認め頷きあった。

 熱帯号と雪原号が誕生した。


 「エスポーサとブランコは海側の谷の入り口、奥はティランママとティランサンが待機。瘴気よけに狐面はつけていってね。もちろんみんなは大丈夫だけどね。戦闘開始の合図があったら生きているもの全て、動いているもの生えているもの、全てを根絶して前進だよ」

 すぐ行ってもらった。気づいて逃げ出そうとするといけないからね。

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