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目覚めた世界で生きてゆく 僕と愛犬と仲間たちと共に  作者: SUGISHITA Shinya
第四部

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421/499

421 滅びの草原一周確認ツアー 溶岩流

 「さて、十分休んだから出発します。見ての通り少し行くと平地ではありませんね。溶岩が流れたのでしょう。もう固まっているみたいですけど。あ、山の方が赤くなった。流れて来ますね。来るまでに先に行けるかな。ああ、山の中腹からも流れ出して来た。間に合いそうもないですね。極熱対応服は溶岩流で試したことはないのよね。ゴードンさんとセドリックさんが試してくれますので、後続の方は安心です。では出発」


 ブランコがジェナを乗せて喜んで走って行く。言っておこう。

 「ブランコ、溶岩は雪と違って食べられないよ」

 急に足がゆっくりになった。やっぱり。ゴードンさんとセドリックさんはブランコより10歩ほど下がって行くことにしたらしい。


 しばらく行くと溶岩に行き当たった。ブランコが越えて行く。固まっているらしい。ゴードンさんとセドリックさんが続く。大丈夫そうだね。確認して後続の人たちが続く。バトルホースとバトルベーベーはポンポン飛んでいく。


 だんだん温度が上がって来た。ブランコが走った足跡が赤くなっている。表面だけ冷えて固まっているらしい。ブランコの足の衝撃で薄く固まったところが割れる。ゴードンさんとセドリックさんは諦めたらしい。進んでいく。時々足が溶岩に潜る。でも大丈夫だな。よくできた靴と服だ。ゴードンさんとセドリックさんの様子を見てみんな進んでいく。よしよし。大丈夫だ。


 しばらく進むと、真っ赤な溶岩流が流れて来た。ブランコは構わず突っ込んでいく。ジェナも楽しそう。あ、溶岩流を泳ぎ出した。お風呂と間違えているのではないか。ドラニちゃんも飛んでいって溶岩流に潜った。ジェナも潜った。ドラちゃんも行きたそうだ。エスポーサが御者を代わってやった。飛んで行って溶岩流に飛び込みました。みんなで楽しそうに泳いだり潜ったりしている。ティランママとティランサンも飛び込んだ。ジェナが顔を出した。

 「おとたん、何もいないよ」

 「そうかい。よく探してもいないなら、溶岩の中には何もいないんだよ」

 「つまんない」


 ブランコが溶岩流を渡り切った。ブルブルっとやっている。溶岩が弾丸のように周りに飛び散る。全部落ちたようだ。ジェナも溶岩流を渡り切った。溶岩がいくらかついている。


 「ジェナ、高熱にすれば溶岩が溶けるよ」

 ジェナの体が赤くなりだんだん黄色になった。

 溶岩が溶けて流れ落ちる。

 「おとたん、溶けた」

 よしよし、服も熱に耐えた。


 ドラちゃんとドラニちゃんも、そうかとばかり真っ赤から黄色に温度を上げて行く。溶岩が溶けた。教えてやろう。

 「みんな溶けたよ」


 ティランママとティランサンは面倒とばかり大きくなった。体についた溶岩が割れて飛んでいく。


 ゴードンさん、セドリックさんは足が止まっている。当然後続も止まっている。

 「みなさん、ジェナの服が溶岩に楽々と耐えられたのですから、皆さんの服も大丈夫ですよ。ゴードンさん、セドリックさん、良かったですね。試してみる必要がなくなりました」


 それはそうだが、向こうは生身のまま溶岩流をお風呂のように楽しんでいるんだぞ。こちらは服がなければ溶けてしまうに違いないと思う参加者一同。


 「しかし、服に溶岩がつくと重くなって面倒ね。収納すれば服から溶岩は取れるけど、服を脱ぐと暑いわよね」

 暑いどころではないと参加者一同。

 「じゃ、少し表面を冷やしたあげるわ。最初の溶岩流ぐらいにね」

 エスポーサが手をかざすと溶岩の表面が黒くなった。

 参加者一同感心して眺めている。


 「この溶岩流は上からまだ流れて来ているから早く渡らないと溶けてしまうよ」

 慌てて、ゴードンさんとセドリックさんが渡って、後続もすぐその後を急いで渡った。


 ブランコは溶岩の中に何もいないとわかって、溶けた溶岩の表面を走って行くことにしたらしい。ドラちゃんもドラニちゃんも戻って来た。ティランママとティランサンは表面を走る練習をするらしい。時々ズボッと落ちるがだんだん上手になって行く。あれ水面はどうしていたんだっけ。観察ちゃんが長い尾を使って高速で泳いでいたと言っています。そうですか。


 エスポーサはブランコとティランママ親子が渡り切ったら溶岩を硬化して参加者を渡らせることにしたらしいよ。

 時々上から高熱の岩が回転しながら飛んで来るようになった。火山弾だ。噴火口が近い。みんな上手に避けている。三馬鹿がほっとしている。油断するから常識はずれの大きな真っ赤な溶岩が飛んできた。冷え切らなかったのだろう。ゴットハルトがラインハルトにパスした。ラインハルトはベルンハルトにパス。ベルンハルトは後ろに放り投げた。なかなか上手だ。


 冷えた溶岩の上で休憩。魔の森の水を十分飲んでもらう。

 午後もみなさん頑張った。夕方になった。船、船という声があちこちから聞こえて来ます。夜くらい安穏に過ごせるようにしてやりましょう。船を出しました。かなり上空です。火山弾が飛んで来るといけないからね。みんなで転移。


 あとはエスポーサと観察ちゃんに任せて僕らは神国に転移。ティランママは残ってくれるそうだ。何気にエスポーサと仲がいい。二人にかなうものはいないので安心だ。


 まだ明るいので僕とアカは環状の森の見回りの続き。僕らに会った仲間から聞いたらしく待っていた。ごめんね遅くなって。よしよし。明日も今頃だよ。三人組とティランサンはジェナと見回り。管理職はお仕事らしい。オリメさんもアヤメさんも裁縫棟へ行った。


 お狐さんが来た。一緒に回る。お狐さんが森の動物の子供達に喜ばれたのはいうまでもない。また来てねと言われている。

 暗くなったので自宅に戻った。


 三人組とティランサンが戻って来た。相次いでみんな戻って来た。

 夕食、お風呂が済むとチルドレンが枕を抱えてやって来た。ジェナとお狐さんと観察ちゃんが一緒に部屋に行きました。

 船も異常なしと観察ちゃん。では僕らも就寝だ。


 朝はチルドレンを観察ちゃんが送って行った。お狐さんは僕らと食事をしてイヅル国へ戻って行った。

 さて、船に戻ろう。


 船に戻って、交代する人を送り迎えして準備完了。

 「さて、今日も一日頑張りましょう。交代した人はよく服を点検してくださいね。隙間はありませんね。フードもしていますね。では昨日と同じ配置についてください。そのまま地上に転移します」

 ゴードンさんとセドリックさんは世界で二人だけの極級冒険者なので諦めて先頭です。転移しました。


 「では行きますよ。ブランコ、ゴー」

 二日目が始まった。今日はすぐ真っ赤な溶岩流である。エスポーサが少し表面を冷やしてみんな渡って行く。しかしこう溶岩流が次々に流れてきてはこの辺りは高くなるだろうになっていない。どうなっているのか。休憩を挟んで昼前にその謎が解けた。観察ちゃんが地面がおかしいと言っています。4、5秒後、ゴゴゴゴゴーと音がして地面が揺れてヒビが入ってきました。

 「エスポーサ、転移」

 僕が言うと躊躇なくまだ収納してなかった船に全員転移させた。


 ブランコも上がってきます。下を見ると魔の森に沿った幅千数百キロのベルト地帯の火山の山脈側に割れ目ができ、溶岩が割れ目へと崩れ落ちて消えていく。底が見えない深い割れ目だ。溶岩を飲み込んで割れ目は閉じた。滅びの草原の幅で溶岩は一切無くなり平になった。なるほどそういうことになっていたのか。溶岩が流れた場所がある程度の高さになると、溶岩が割れ目の中に崩壊していき、平らになり、もう一度溶岩が流れて来て溶岩平野を作っているのだろう。その繰り返しだ。どうりで土地が高くなっていなかったわけだ。


 魔の森の水蒸気のカーテンは健在だ。ということは幅千数百キロのベルト地帯の土地は変わらず熱いということだね。地殻変動があったばかりだから火山地帯は今日はやめておこう。そうだ。熱帯雨林にしよう。火山地帯は明日の朝様子を見よう。

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