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目覚めた世界で生きてゆく 僕と愛犬と仲間たちと共に  作者: SUGISHITA Shinya
第四部

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410/499

410 滅びの草原一周確認ツアー 草原から湿地帯へ

 翌日から2日間は、同じメニュー。走ってもらう。4日目は一部の人が入れ替わった。さらに2日走る。翌日一部の人が入れ替え。また3日走る。希望者全員少なくとも3日間は走って体力を養成した。体力的にはもう大丈夫だろう。9日間で大体、四分の一程度は走破した。魔物はポツポツと出て来た。明日あたりから本格的に魔物と遭遇するだろう。


 10日目ですよ。ここまで時間がかかってしまった。しかし、必要な時間ではあった。参加者や馬やベーベーが鍛えられ、貴重な訓練の時間であった。線指輪もアンクレットも行き渡った。


 昨日の到達点に転移すると魔物があちこちいます。逃げませんね。何も知らないんでしょう。


 「では、本日から、見ての通り本格的に魔物が襲ってくると思います。襲ってくるものだけ相手をしてください。この滅びの草原の魔物は理由があって存在しています。ここ以外にいる魔物とは異なります。こちらから無闇に襲ってはいけません。去るものは追わずです。威圧して逃げてくれればそれでいいです。では行きましょう」

 この滅びの草原の魔物は攻撃されない限り外に出ないからね。魔の森や台地のガードマンでもあるんだろう。


 一斉に魔物が襲って来ます。我らが参加者は嬉々として武器を振るっています。二百人衆の縫子さんも子供も馬やベーベーも戦闘に参加しています。しばらくすると魔物が逃げていきます。敵わないと悟ったのでしょう。


 「では、みなさん、騎乗してください。今まで少し基礎訓練に時間をとりましたので、これからスピードアップします」

 2日間、騎乗で進んだ。魔物は逃げるようになってしまった。

 だんだん湿地が増えて来た。今日は終わりにしよう。


 神国に戻った。

 「お疲れ様でした。明日からいよいよ厳しい条件になります。極寒、極熱対応フード付きの服、ブーツをあらかじめ支給しておきます。それと狐面を持っていない方には狐面も支給します。狐面は、極寒、極熱対応仕様です。狐面はどんなところでも呼吸も楽にできるので、火の中水の中どこでも安心です。馬もベーベーも狐面をつけて頭にバリアを張れば空気は狐面が供給します。オリメさんとアヤメさんがテーブルを出して待っていますので、もらいに行ってください。個人仕様ですので名前を言って間違えずにもらってください」

 極寒、極熱対応服、狐面を支給した。狐面はすでに持っている人もいたからね。全員ではない。


 12日目です。湿地帯です。滅びの草原の川が流れ込んでいます。今まで見た部分の滅びの草原の川は草原から流れ出ずみんなこちらに向かって流れて来ています。今日からはスピードが落ちるかもしれません。行きましょう。


 「見ての通り、これから湿地帯に入ります。川、湖が多く、水中に何がいるかわかりません。狐面をつけると水中でも呼吸ができます。あまり水中に馴染みのない方は狐面をつけていきましょう」


 半分くらいの人が狐面をつけた。

 エレーネさんとクローニンさん、ナニーさん、ラシードさん、ヒバさん、コマチさんはもちろん狐面をつけた。

 バントーさん、イツカリ板長、ヨシツナさん、イサベルさん、ローレンツ執事長、ベネディクト侍女長、クレマン料理長も狐面をつけた。

 神父さん連中は水中には慣れている。奥さん連中とあとは小さい子供たち、赤ちゃんだね。

 神国のみなさんは自分たちで湖や川で訓練しているらしく狐面はつけていない。赤ちゃんはつけているけど。


 「では、参りましょう。今日は騎乗は無しです」

 エスポーサが先に立って駆けていく。後を駆けてついていく参加者のみなさん。川は下流になるので川幅が広い。

 その川の上も問題なく駆けていく。と思ったら川の中から魔物が参加者を水中に引き摺り込む。あちこちで盛大に水飛沫が上がる。


 エスポーサは川を渡り切って川岸で待っている。

 ドラちゃんとドラニちゃんは川の上空だ。

 ブランコはジェナを乗せてゆっくり川を渡っている。

 眷属ものんびり歩いている。

 魔物は眷属には手を出さない。二百人衆にも手を出さない。圧倒的な力の差がわかるのだろう。ティランサンがときどき水面下の魔物にちょっかいを出しているが、魔物は慌てて逃げる。


 次々に川から神父さんたちが魔物の血だらけになって上がってくる。

 「やあねえ。訓練を思い出すわ」

 それはこっちのセリフだと思うが怖いので黙っている。

 ほぼ、渡り切ったようだ。


 「はい、班長さんは班員が揃っているか確認してね。揃っていないところは手をあげてね。班員が川の中よ」

 慌てて数え出す。何人か手を挙げる。

 「班長がいないところも手をあげてね」

 また何人か手を挙げる。


 「では手を挙げたところは、班長が川の中からちゃんと拾って来てね。班長がいないところは手近の班長さんが行ってね。数を数えておきましょう。戻って来ていない人5人。迎えに川に入る人5人ね。行ってらっしゃい。馬とベーベーは揃っているみたいね。感心、感心。だけど主人を忘れて来てはいけません。行って来なさい」

 主人を忘れてきた5頭がしおしおと5人と一緒に川の中に入って行く。


 やっぱりこうなると思う神父さんたちであった。

 しばらくして、8人と4頭が自ら上がって来た。一人見つからないらしい。

 「困ったわねえ」

 エスポーサが三馬鹿の方をチラッと見る。園長と同じだと思う三馬鹿。

 「行って来ます」

 逆らわない三馬鹿であった。水の中に入って行く。


 いない。どこだ。見つからない。これは長期戦か。狐面を出してつける。呼吸は楽だ。陸上にいる時と何ら遜色はない。それはいいが見当たらない。探しに行った一頭と一人も見つからない。


 少し先で水が濁っている。馬が見えた。足がごちゃごちゃとある魔物に二人絡みつかれている。抵抗はしている。魔物は馬が蹴っても軟体魔物らしく、蹴りが効きにくい。


 三馬鹿が近づいて足を一本づつ切って行く。馬は頭らしいところを何回も蹴っている。軟体でも急所に当たると痛いらしく、馬の蹴りが急所に入った時に二人への拘束が緩んだ。二人逃げて馬が主人を咥えて水面へ。


 三馬鹿はラインハルトとベルンハルトが足に対応して、ゴットハルトが馬が蹴った急所らしいところを剣で突いて仕留めた。

 魔物が寄ってくる。死んだ魔物の争奪戦だ。収納は諦めて川から上がった。


 「はい、ご苦労さんでした。せっかく班分けしたのに仲間をおいてきてはいけませねんね。今度は一人も欠けないように頑張りましょう。では今の揃わなかった班が先頭です。先頭はどんな魔物がいるか、足元はどんな状態かわかりませんので頑張りましょう。フロンティアを一番に経験できるありがたいポジションです。出発」

 やっぱりツアコンさんだと思う神父たちであった。

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