408 ティランママとティランサンが大きさを変えられるようになる
朝です。今日は自由です。
管理職の皆さんや二百人衆は明日からのツアーの準備などで忙しそうだ。
ジェナに聞かれた。
「おとたん、ツアーにティランママとティランサンを連れて行っていい?」
「そうだなあ。少し大きいから、ブランコかドラちゃんくらいに小さくなれたらいいよ」
「わかった。おにたんより器用そうだから小さくなれると思うよ」
ブランコが落ち込んでいます。
「でもおにたんの方がはるかに強いよ」
持ち直しました。
フロランスちゃんとプリメーロ、プリメーラ、リオンちゃんがやって来て、ジェナと三人組と出かけて行った。
「おとたん、夕方には帰ってくるね」
と言い残して。
おとたんは、急に忙しくなった。まずは花街の女将さんだな。フロランスちゃんを送り出したばかりだからまだ寝ていないだろう。僕とアカで行こう。急ごう。
花街に転移。僕を祀った社の後ろに転移した。女将さんがちょうど朝のお参りに来ていた。お参りが終わるまで待っていよう。よし終わった。
「女将さん」
「うわ、びっくりしました。本物が社から」
「今日はお願い事がありましてね」
「立ち話もなんですから、家に行きましょう」
女将さんの置き屋に行き、女将さんの部屋に案内される。
すぐ女中さんがお茶とお茶菓子を持って来た。
「ご用件はなんでしょうか」
「たいしたことでは無いんですけど、フロランスちゃんが今日は一日神国で遊びとなりました」
「どうぞどうぞ」
「それから、明日から一ヶ月くらい、みんなとツアーをするのですがいいでしょうか」
「どうぞ、いくらでも」
何も聞かなくて良いのかね。説明はしておこう。
「明日から、神国国民と准国民で滅びの草原の探検ツアーをするのでフロランスちゃんもジェナ達と一緒に参加させたいと思いましてね。連絡が遅れて申し訳ありません」
「いえいえ、二度救われた命、どうぞご自由にお使いください。神国国民、准国民と一緒にさせていただいて光栄です」
そうまで言われてしまったら、サービスしておこう。
「フロランスちゃんは僕が名付けましたので、家族同様です」
「ありがとうございます。感激です」
そろそろ退散しよう。
「それでは責任もってお預かりします」
転移で帰ろう。
「アカ、よかったかなあ」
『いいんじゃない。家族同様の力があるんだから』
「え、そうなの」
ぺろぺろされて騙された。まあ、いいか。名付け親なんだし。
プリメーロとプリメーラの両親とゴードンさんには、お子さんは一日ジェナ、三人組達と遊びに行ったと言いにいった。もちろんどうぞどうぞだ。
「おーい、遊びに来たよー」
ジェナが呼びかけると、ティランママとティランサンがやって来た。
「相撲だよ」
観察ちゃんが大きな丸を描く。
ブランコ、ドラちゃん、ドラニちゃんが丸の外に陣取って勝負審判だ。
観察ちゃんが、扇子を広げて呼び出す。
『ひがぁーしぃー ティランサン山ー。にーしぃー リオン山ー』
ジェナが軍配をとりだした。
「待ったなし、双方手をついて、はっけよい」
勝負は一瞬でついた。
ジェナが軍配で東を指す。
次々に取り組みが進んで、途中ブランコから物言いがついて、協議の結果、行事軍配通りとなったりして、大いに盛り上がった。
ジェナが思い出した。
「あ、明日から滅びの草原のツアーをするんだけど、来ない?おとたんが小さくなれれば来ても良いって言ってたよ」
『小さくなれるかしら』
「なれる、なれる。おにたんだってできたんだから。おにたん、教えてやって」
それは無理だろうとドラちゃんとドラニちゃん。プリメーロ、プリメーラ、フロランスちゃん、リオンちゃんは興味津々だ。
「ブランコおにたんは、監督、あたしとドラニちゃんが教える」
ドラちゃんは優しいのだ。
ブランコは監督と言われて嬉しそうに尻尾を振っている。ジェナは物分かりがいいから、そうだったと思い返して、すぐ仕切る。
「それじゃ、監督はそこに座って見ていて。ドラちゃんがティランママに。ドラニちゃんがティランサンに教えてね。どちらが早くできるかな。じゃ始めるよ」
ジェナが軍配を返した。
「待ったなしだ。よーい、初め」
二人で教え始める。
ブランコ、観察ちゃん、プリメーロ、プリメーラ、フロランスちゃん、リオンちゃんから声援が飛ぶ。
ほぼ同時に小さくなれた。ティランママはブランコ並みの大きさ、ティランサンはドラちゃん並みの大きさだ。
「引き分けー」
小さくなったからか、顔つきも可愛くなった。口は大きいけど。
何回も大きくなったり小さくなったり、小さいまま相撲をとったりして見た。意のままに大きさが変えられることがわかったので、みんなで喜んだ。夕方まで遊んで、ドラちゃんが大きくなって、みんなでドラちゃんに乗った。ドラちゃんが浮き上がるとティラン親子は初めてだったので物珍しく地上を見ている。
「今飛んでいるのが魔の森の上空だよ。もう少しで滅びの草原だ」
ジェナが解説する。
「うちはあっち、環状の森だよ。環状の森から中は狩はダメだよ。大きくなったらダメだよ。大きくなるとみんな怯えてしまうからね。環状の森の内側はみんな友達だからね。何かあるとおとたんが怒るから。おとたんが怒ると、おかたんと宥めるのが大変だから怒らせないでね」
『『わかりました』』
ドラちゃんがみんなを乗せて帰って来た。
ティランママとティランサンが小さくなって乗っている。へえ、小さくなれたんだ。観察ちゃんがすぐ小さくなれたと言っています。ブランコより器用だな。
「おとたん、小さくなれた。明日から一緒でいいでしょ」
「いいよ。よく小さくなれたね。えらいえらい」
『ありがとうございます。ブランコ様が監督してくれて、みんなが応援してくれて、ドラちゃんとドラニちゃんに教わりました』
「そうかい。みんなもよくやってくれたね」
『今日はご挨拶に参りました。明日からよろしくお願いたします』
「わかった。明日は日の出前に観察ちゃんに迎えに行かせよう」
『ありがとうございます。今日はこれで失礼したく思います』
「夕食を食べて行ってくれ。中に入ろう」
『私どもは』
「遠慮しなくていいよ。大切な仲間だ。いつもジェナやチルドレンと遊んでくれてありがとう」
マリアさんがすぐ二百人衆に追加を頼んだ。
テーブルはすぐ座席が増やされてみんな席についた。ティラン親子は遠慮していたがジェナが座らせた。
二百人衆が料理を運んでくる。二百人衆に言っておこう。
「ティランママとティランサンだよ。魔の森のドカドカオオトカゲだけど、しばらく前から僕の仲間になった。よろしくね」
「わかりました。よろしくお願いします」
『こちらこそお願いいたします。私ども親子は魔の森から出たことがありませんので何もわかりません。よろしくお引き回しのほどお願いいたします』
「ご丁寧な挨拶をいただき痛み入ります」
「それじゃ食事にしよう」
ティラン親子は食事の行儀もよかった。食事が終わって観察ちゃんが送って行った。
「ずいぶん上品なドカドカオオトカゲさんですね」
ステファニーさんが感想を述べた。みんなも同意だな。
「ティラン親子は名前をつける前から知能は向上していたけど、名前をつけてからはさらに向上した。魔の森の眷属だな。明日みんなに紹介しよう」
アカが頷いている。いいんだろう。
さて、お風呂に入って寝よう。お狐さんも来た。




