407 准国民の訓練が終わる
10日間の訓練が終わった。
夕食は泉の広場で立食パーティーだ。二百人衆がテーブルを並べてくれる。いつのまにかこういうパーティーは二百人衆も含め全員参加になった。
では挨拶。
「みなさん、ご苦労様でした。ゴードンさんも指導していただきありがとうございました。10日間の訓練を終えて、みなさんはリュディア王国に滞在している我が神父さん並みになりました。極級冒険者のゴードンさん、セドリック執事長、二百人衆にはまだ及びませんが、人界最強となりました。明日は一日休みです。のんびり過ごしてください。では乾杯の音頭はゴードンさん、お願いします」
「みんなよくついて来てくれた。普通人ではとてもできない水上歩行とか、ドラちゃんクルクルの高所からの降下とか良く習得していただいた。今わかっている範囲での滅びの草原は十分安全に歩けるだろう。ただ魔の森とか、これからツアーで行く滅びの草原の続きとか、まだまだわからないところもたくさんあるので、私もそうだが、慢心せず研鑽に励んでほしい。では皆さんの益々の研鑽を祈念して、乾杯」
「乾杯」
訓練生たちは10日間ですっかり打ち解け、二百人衆とも仲良くなったようだ。結構なことだ。
訓練生の馬やベーベーは、バトルホースたちとベーベーマン夫妻の子分になった。サラダなどを収納しては献上している。
エレーネ女王、クローニン執事長、ナニー侍女長、ラシード族長、ヒバさん、コマチ姫さんが揃ってお礼に来た。代表はエレーネさんだ。
「シン様と御一家の方々、ゴードン様。訓練していただきありがとうございました。私たちは、前に訓練していただき、あるいは線指輪をいただき体力が格段に向上し、十分強くなったと思っていましたが、慢心だと言うことを思い知らされました。これからも極級冒険者、二百人衆を目指し、日々研鑽していきたいと思います」
いや、そんなに強くならなくても。その上は、人でなくなってしまうけど、せっかくその気になっているので黙っていよう。
「みなさんは本当に頑張って一人も落伍者を出さず訓練を終えました。おめでとうございます。馬もベーベーも進化し、魔物とも十分戦えるようになりました。これで明後日からのツアーが安心して出来ます。ただ、ツアーでは今まで出会ったことのないような環境、魔物に遭遇しますから、それを乗り越えるとさらなる向上となると思います。楽しみにしてください」
あれ、余計なことを言ってしまった。向上、向上と目が輝いている。ま、いいか。極級冒険者も、二百人衆もさらに上に行くだろうから。いつまで経っても目指すものはあるわけだし。
「では今日はお開きにしましょう。明日は一日休みです。自由にどうぞ。裁縫棟、作業棟などを見学してもいいですし、自分たちの馬やベーベーに乗って神国内を散歩してもいいのではないでしょうか。砂丘が5つありますのでベーベーは砂丘が好きかもしれませんね。食事は大食堂で二百人衆と一緒に食べてください。飼い葉も二百人衆が用意してくれます」
観察ちゃんが次々帰ってくる。
「皆さんの一ヶ月分の食事と飼い葉は観察ちゃんが預かって来ましたので、各自の収納に移します。ーーーいま移しました。確認してみてください」
「本当だ。収納に入っている」
ラシードさんが言っている。みんなも確認して頷いている。
ではお開きだ。僕らは自宅に帰る。エレーネさんたちは、ジェナ、ブランコ、エスポーサ、ドラちゃん、ドラニちゃんにもお礼を言っている。お礼を言われて嬉しそうだよ。
自宅に帰りました。観察ちゃんがラシードさんはベーベーと砂丘に行ってテントを張っていると言っています。どこでもいいですけど砂漠がいいのね。娘さんのヒバさんは宿舎だそうだ。
結局ツアー参加者は、次の通り。
エチゼンヤ夫妻、セドリック執事長とアンナ侍女長、バントーさん、イツカリ板長、ヨシツナさん、イサベルさん、ローレンツ執事長、ベネディクト侍女長、クレマン料理長
ゴードンさん、ロシータさん、リリアナちゃん、リオンちゃん。
三馬鹿ハルト(神父さん、家族含む)、ハビエル神父・トルネード、きょうちゃん、6聖人。
エレーネ女王とクローニン執事長、ナニー侍女長。
ラシード族長、娘のヒバさん。
コマチ姫さん
僕らは、僕とアカ、お狐さん、ジェナ。マリアさん、ステファニーさん、オリメさん、アヤメさん。ブランコ、エスポーサ、ドラちゃん、ドラニちゃん、観察ちゃん。二百人衆(家族含む)、フロランスちゃん、バトルホースとベーベーだ。僕ら一家はずいぶん増えたね。フロランスちゃんも一家に入れておこう。一応名付け親だからね。




