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目覚めた世界で生きてゆく 僕と愛犬と仲間たちと共に  作者: SUGISHITA Shinya
第四部

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405/499

405 アレシアス王国とイヅル国と国交を樹立する

 ドラちゃんとドラニちゃんが帰って来た。

 エレーネ女王と侍女長、ラシードさんの娘さんのヒバさん、コマチさんを連れて来た。順当なところだ。


 「みなさん、神国にようこそ。今いるところは泉の広場と言って神国中心部です。遠くに見えるのが環状の森です。環状の森を含めて私が暮らす場所です。この中には魔物はいません。獣も魚も全て私の僕です。その外側が今回のツアーの対象地域です。魔物がたくさんいます。今日は特にやることはありません。自由に歩き回っていただいて構いません。その前に宿舎にエスポーサに案内してもらいます。夕食は多目的施設で一緒に食べましょう。二百人衆が使う施設ですので気楽です。ではエスポーサお願いね」

 エスポーサが案内して行った。馬とベーベーは二百人衆が預かった。


 ゴードンさんが一家で転移して来た。もちろん観察ちゃんが一緒だ。

 「明日早朝からだから早めに来た」

 「ありがとう。もう4人ほど来ているので後でお気楽に多目的施設で夕食を一緒にしましょう」

 「わかりました」


 ゴードンさんは家族と宿舎に向かった。ゴードンさんの宿舎はもちろん神国にもある。神国の外交官だからね。


 ブランコにまたがってジェナがリオンちゃんを迎えに来た。リオンちゃんは宿舎から引き返して来た。

 「砂丘が増えたから砂丘で遊ぼ」

 ドラちゃんがフロランスちゃんを乗せて来る。みんなで砂丘の方にかけて行く。プリメーロとプリメーラはもう先に行って呼んでいる。


 砂丘ではベーベーマンとベーベーがヒバさんのベーベーを訓練しているみたいだよ。


 夕方になってジェナが帰ってきた。フロランスちゃんはドラちゃんが送って行った。リオンちゃんは宿舎だから、ブランコが送って行き、双子はドラニちゃんが送って行ったみたい。


 さて、夕食だね。管理職の皆さんも帰ってきた。少し早めだけど夕食にしよう。多目的施設の一室を借りているからそこで夕食だ。


 エスポーサが宿舎にエレーネ女王と侍女長、ラシードさんの娘さんのヒバさん、コマチさんを迎えに行った。ゴードンさんたちもやってくる。


 僕たちは一家総出だよ。みんな揃ったね。席順?そんなものはないのです。立食です。二百人衆がやってきて料理を並べる。


 紹介はいるかな。一応紹介しよう。

 「こんばんは。今回のツアーは過酷な自然が相手ですので、それに負けないよう、明日から訓練しましょう。訓練が終わったら同等の訓練済みの人たちが合流して、ツアー開始になります。それでは紹介します。僕はシン、僕の右からアカ、ブランコ、エスポーサ、ドラちゃん、ドラニちゃん、観察ちゃん、ゴードンさん、ロシータさん、リリアナちゃん、リオンちゃん、左からマリアさん、ステファニーさん、オリメさん、アヤメさんです。それから今回来ていただいた、エレーネ女王さんと侍女長さん、砂漠のヒバさん、イヅル国のコマチさんです。今日は立食ですのでゆっくりご歓談ください。それじゃ乾杯して始めましょう。乾杯はステファニーさんにお願いしましょう」

 「ステファニーです。皆さんの健闘を祈念して、乾杯」

 「乾杯」

 ステファニーさんはごちゃごちゃ言わないのがいいね。あとは立食。


 ゴードンさんは家族サービスに忙しい。料理をとってはロシータさん、リリアナちゃんのところに運んでいる。

 ジェナは三人組とリオンちゃんとテーブルを回って美味しそうに食べている。良いことだ。

 エレーネ女王さん、ヒバさん、コマチさんが三人で何か話し始めた。マリアさん、ステファニーさん、アヤメさん、オリメさんが合流した。僕の危機探知機の針が振り切れている。危なそうだから近づかないようにしよう。


 エレーネさんの侍女長がやってきた。

 「シン様、いつもお世話になっています。侍女長のナニーと申します」

 「こちらこそ。誘拐犯の殲滅や、コクサールの役では大変お世話になりました」


 「兵を含め私どもはシン様のお役に立てるかと思うと奮い立ちます。いつでもお申し付けください。それに塩は大変助かっています。いままで砂漠の向こうから運んできた塩で、買っても精製しないと使えなかったりして苦労しておりました。いまエチゼンヤさんが持って来てくれる塩は、精製の必要がなく、そのまま使えますので少し高くても結局割安になります。その上品質が格段に違い、みんな喜んでいます」

 「それはよかった。塩は豊富にありますのでご安心ください。あまり摂りすぎても体に良くないみたいですよ」

 「そうなんですか。それは知らなかった」

 「ほどほどが良いみたいです」


 「ところで執事長さんはお名前は何とおっしゃるのですか」

 「執事長はクローニンといいます」

 クローニンさんか。名は体を表すというが苦労人ではないだろうな。まさかな。

 「そうですか。今まで名前を存じ上げず失礼しました」

 「とんでもないです。エレーネ女王の名前を覚えていただいただけで光栄です。いままた神国の准国民にしていただき、一同感謝しています」


 「それはそうと、リュディア王国との国交の件はどうなりましたか」

 「無事に国交が樹立しました。アングレアとスパーニアとも国交が樹立しました」

 「それはよかった」


 「神国とはまだです」

 「あれ、そうだっけ」

 ステファニーさんがゴードンさんを誘ってエレーネさんとやって来た。

 「よろしくお願いたします」

 エレーネ女王さんがみんなに言っている。

 「うちの方はいいよ」

 「では今日の日付でいいでしょうか」

 エレーネさんに聞かれた。

 「いいよ」


 ナニーさんが書類を取り出す。国交樹立の書類にはすでにエレーネさんの署名がしてあった。今日の日付を入れて僕とアカが署名して終わり。神国の分はステファニーさんに渡した。

 「それじゃ発表しようか」

 「お願いします」


 「ええと、みなさん。アレシアス王国と神国の国交が今日樹立しましたので報告します。なおアレシアス王国はリュディア王国、アングレア王国、スパーニア王国ともすでに国交を樹立されているそうです。お互い助け合っていきましょう」

 みんなびっくりしないぞ。二百人衆もびっくりしない。向こうの方でエレーネ女王から話してあったんだろう。さすがは一国の女王だ。根回しは上手だ。


 コマチさんが何か考えているぞ。国交とか言い出しそうだ。お狐さんの国だからいいけど。

 お狐さんが来た。知らない人もいるからびっくりして飛びついて来て僕にピッタリとしがみついている。紹介しよう。

 「こちらは、イヅル国の神様のお狐様だよ。よろしくね」

 砂漠の人は知っているね。アレシアス王国も砂漠の人が出入りするから知っていたみたいだ。


 コマチさんが急いでやって来た。

 「お狐様、イヅル国と神国との国交樹立の交渉をしてよろしいでしょうか」

 国交なんて言葉は難しいだろう。首を傾けている。助け舟をだそう。

 「イヅル国と僕たちが仲良くすることだよ」

 お狐さんが嬉しそうにコマチさんに向いてアウと返事をした。

 「ありがとうございます。早速話を進めます」

 観察ちゃんを呼んだ。二人で消えた。


 食事会が終わるころ、コマチさんが書類を持って来た。

 大君の署名入りだ。

 なになに、国交樹立の書類だ。大君の署名がある。

 親書がついていた。詳細はコマチ特命全権大使に一任します。とある。へえ、特命全権大使になったのか。

 日付と僕とアカの署名をして一部返した。こちらの分はステファニーさんに渡した。


 それでは発表しよう。

 「本日付けでイヅル国と神国の国交が樹立されました。また関係国が増えたのでゴードンさんを特命全権大使に任命しました。外交上何かあればゴードン特命全権大使にお願いします」

 ゴードンさんがびっくりしている。格が上がってしまった。


 「信任状はいらないね。線指輪があるからね」

 エレーネさんも頷いている。紙よりもはるかに信用があるからね。


 紙で気がついた。コマチさんが持って来た紙は和紙だ。しかもにじみがない。素晴らしい。あとで聞こう。


 思わぬ外交をしてしまって、食事会はお開きになった。明日から皆さんは忙しいぞ。


 皆宿舎に戻る。会場は二百人衆が片付けてくれた。いつもすまないね。僕たちはお狐さんと一緒に自宅へ。

 自宅に入るとお狐さんはポンと飛び降りてジェナと三人組と遊び出した。


 観察ちゃんがゴットハルトさんからの参加申込書を持って来てくれた。全員参加らしい。小さい子も名前が書いてある。良いんじゃない。親が一緒だからとアカが申しております。申込書は全部揃った。


 僕はステファニーさんにつつかれる。

 「ずいぶんエレーネ女王さんとコマチさんに優しいわね」

 「いや、成り行きでね」

 「ヒバさんがつまらなそうだったわよ」

 「砂漠には国がないから国同士の国交はないからね」

 「そういう話ではないんですが」

 「へえ」

 みんなニヤニヤ笑っています。なんだ。


 「砂漠はトップ同士の信頼関係で成り立っていますから、ナイフを交換したラシードさんの支配する地域とは国交樹立したと同様です」

 マリアさんが助け舟を出してくれた。

 「おとたん、お風呂」

 ジェナも助け舟を出してくれます。遊びたいだけかもしれませんが。


 ともあれお風呂でみんなと遊んで、今日は早く寝ます。明日が早いからね。


 お狐さんも、胸の上に乗って、

 『あたし、神様と国のみんなが仲良くなるのが嬉しい』

 そう言っています。お狐さんに喜んでもらえたから国交樹立して良かったのだろう。

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