表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
目覚めた世界で生きてゆく 僕と愛犬と仲間たちと共に  作者: SUGISHITA Shinya
第四部

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

391/499

391 みんなに船を体験してもらうことにした・潜水航海をしてみる

 チルドレンは船船、海海、お魚ドンドン、魔物もドンドンと歌っている。リオンちゃんがいいなあという顔をしている。

 「シン様、チルドレンの歌の船とはなんでしょう。海には魔物がいるから船では岸から遠くにはいけないはずですが」

 ゴードンさんは気になるらしい。


 「船を作ったんですよ。このあら汁の魚、刺身は全部板長さんが船に乗ってとったものです」

 みんなが一斉に食堂の隅で控えていた板長さんを振り返った。


 「シン様の船に乗せていただいて、外洋に行き、海に潜って魚と魔物は取り放題。楽しかったです。なかなか魔物が強敵で私の包丁がボロボロになってしまいました。シン様からこの包丁をいただきました。今度は魔物に刃が負けません」

 包丁2本を収納から取り出して振っている。二刀流なのね。板長さんも危ない人だった。


 みんな引いているが、羨ましいと顔に出ている。

 板長さんはみんなの表情に気がついて、一人だけいい思いをしたと誤解されてはたまらんとすかさず自供した。

 「セドリック執事長、アンナ侍女長、バントーさんも船に乗せていただき海に行きました」


 執事長と侍女長は体は前向きのまま横に移動してそろそろと食堂の出入り口に向かいこっそり逃げようとしている。

 エリザベスさんが睨んだ。二人の足が止まる。


 「シン様、我々もぜひ船に乗せていただきたい」

 ローコーさんが代表して発言した。

 「いいですよ」


 「今日の午後は荷物の整理をして引き継いで、明日は執事長、侍女長、バントーさんに仕事を任せ一日海へ行きましょう。明後日から行商に出ます。準備万端整えておいてください。いいわね、セドリック、アンナ。バントーさんにも言っておいてね」

 エリザベスさんのご発言だ。執事長と侍女長は肩を落とした。

 「「はい、奥様」」


 「では明日、日の出とともに出発しましょう。スパ棟の前に集まってください。嘆きの丘まで転移、そこからドラちゃんに乗って海まで行きましょう」

 「そうと決まったら早く引き継ごう」

 昼食も終わったのでエチゼンヤさん夫婦が店へ行く。慌ててセドリック執事長がついていく。

 アンナ侍女長はゴードンさんたちの宿舎の部屋割りでみんなと出て行った。

 残ったのは僕たち一家だ。スパ棟に引き上げる。


 「明日は神国の連中も呼ぼうか」

 アカがそれがいいと言っています。観察ちゃんが留守番するから全員でいいと言っています。そうですか。じゃそうしよう。


 アカとステファニーさんが神国に行ってくれるそうです。じゃついでに神父さん連中も、午前、午後に分けて来てもらおう。そちらもアカとステファニーさんが回ってくれるそうです。あとは6聖人か。エスポーサが話に行ってくれるそうです。


 アカとステファニーさん、エスポーサがでかけました。

 残ったのは、マリアさん、三人組、チルドレンフルセット、観察ちゃんです。

 では出かけよう。屋敷に夕方までには帰りますと声をかけて嘆きの丘に転移しました。観察ちゃんにお狐さんを呼んでもらいます。すぐ来ました。イヅル国のほうは分身です。


 ドラちゃんに乗って海上へ。

 今日は最初から沖合です。船を出して、甲板に着陸。すぐブリッジへ。お狐さんがびっくりしています。僕にしがみついています。いい子だ、いい子だ。大丈夫だよ。アウアウと言っています。それじゃマリアさん操舵輪をお願いね。まずはゆっくり前進しよう。リオンちゃんは初めてだから驚いています。


 それじゃ潜水しますか。船底に金属塊を出した。少し前方に多めに出す。

 「みんな沈むよ」


 船首を下げて沈んでいく。前方の甲板に海水が上がってくる。やがて甲板全部海の下になって、ブリッジまで上がってきて窓の外は海水になった。潜水するにつれだんだん暗くなっていくね。どこまで潜るかね。観察ちゃんが海底まで500メートルと言っています。それじゃ水平にしよう。前部の金属塊を減らして艦を水平にした。金属塊全体を調整して水深を保てるようにして前進する。


 魔物も魚もみんな避ける。大災厄の上の魔物と認識したらしい。スピードも余裕で出せそうだが、あまり海中の魚と魔物を驚かせても可哀想だから全速はやめておく。みんな窓の外に釘付けだ。お狐さんも安全とわかったらしく僕にしがみついているけど外を見ている。

 一時間ほど航行。何もないので浮上しよう。


 「浮上するよ」

 船底の金属塊をだんだん減らしていく。船首の方を少し余計に減らす。

 やや船首を持ち上げて浮上していく。海の中がだんだん明るくなる。

 船首から海上に出た。甲板上を海水が急速に船尾方向に後退する。

 よし。浮上した。試験潜水航海成功。


 甲板を綺麗綺麗して乾かして、甲板に降りておやつだ。

 みんな甲板に飛び降りる。お狐さんは、いいのいいの、抱っこしたまま降りる。

 甲板に降りたらお狐さんも甲板に降りた。観察ちゃんがお狐さんに乗って、お狐さんが甲板の上を走り回っている。

 「水が一杯、周り中水が一杯だぁ」

 あれ、本当だ。随分沖に来てしまったね。


 観察ちゃん魚探があまり魚がいないと言っています。それじゃ戻ろう。

 ブリッジは誰もいないから僕が操船しよう。

 180度向きを変え陸地に向かって前進。

 では日除を張って漁場に着くまでおやつだね。

 「みんな、ここは魚がいないからおやつだよ」


 エスポーサが戻って来ました。アカもステファニーさんも戻って来ました。明日はみんなOKだそうだ。


 「随分沖に来ましたね」

 ステファニーさんだ。

 「潜水してみました。水中でも速度が落ちず思いの外沖に来てしまった」

 「潜水、おもしろそう」

 「じゃおやつが終わったらもう一度潜水しましょう」

 船はおやつの間停止させておこう。陸地に近づきすぎてはいけないからね。

 おやつが終わったので日除を片付けた。


 みんなブリッジへ行くよ。

 ポンポンと飛び上がってブリッジへ。アカがお狐さんを乗せて転移して行った。全員ブリッジに行ったね。観察ちゃんもちゃんと転移した。

 最後に僕が転移。


 アカが船底に金属塊を出す。先ほどと同じ。船首から潜っていく。

 観察ちゃんが海底まで500メートルと言っています。船を水平にして前進。

 みんな窓の外を見ている。時々光る生き物がいるね。なんだろうね。すぐ逃げて行った。


 30分ほど進むと観察ちゃん魚探が魚が増えて来たと言っています。海底まで400だそうだ。だんだん浅くなっているんだろう。この辺から浮上だね。

 アカが金属塊を徐々に減らしていく。船首から海上へ出た。微速前進。陸が近くなった。よし、停止。


 「じゃ、魚をとりたい人はとってきていいよ。夕方少し前までここで停泊だよ」

 「わーい、魚だ、魔物だ」

 チルドレンが口々に言って、甲板に飛び降りていきます。リオンちゃんは心配だからマリアさんが見てくれるそうです。一番小さいからね。

 僕らも甲板に降りよう。


 日除を設置し、僕はアカに寄りかかってお狐さんを抱っこして昼寝。みんなは海だ。観察ちゃんは尻尾で釣りをしている。


 お狐さんは遊んでいる子のことを話してくれる。誘拐されてイヅル国まで送って行った子だ。ずっとついていることにしたらしい。分身にあちこち行ってもらっているんだと。なるほど、そうか。それがいいね。観察ちゃんはお狐さんの分身にもついていてくれるそうだ。ありがたいね。観察ちゃん。あ、こっちを見ている。いい子だね。よしよし。喜んでいる。


 お狐さんの話を聞いていたら時間がたったらしい。少し日が傾いて来た。次々に海から上がってくる。リオンちゃんもマリアさんと一緒に上がって来た。まだ甲板までは上がれないとマリアさんが言っています。


 さて、帰ろう。今日はみんなに綺麗綺麗をして帰る。ジェナもチルドレンに綺麗綺麗をしている。

 「じゃドラちゃん帰ろう」

 日除をしまって、ドラちゃんに乗った。

 「みんな乗ったかな」

 エスポーサが観察ちゃんも含め全員乗ったと言っています。

 ドラちゃんが浮いて、僕が船を引っ張り上げて、海から離れたら収納。嘆きの丘まで行って、スパ棟まで転移。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ