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目覚めた世界で生きてゆく 僕と愛犬と仲間たちと共に  作者: SUGISHITA Shinya
第四部

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380/499

380 冒険者組合と衛兵隊は勘違いから黒鷲組アジトを襲撃する

 馬車と御者君一号は収納して、ドラちゃんに大きくなってもらってみんなで乗ります。観察ちゃんも乗っています。

 「ドラちゃん、冒険者組合の上を飛んで大陸に行こう」

 「わかったー」

 ドラちゃんは分かりがいいのです。


 浮き上がって転移で高度をとり、冒険者組合に向かって急降下していきます。急降下にチルドレンは大喜び。冒険者組合の人たちと黒鷲組の人たちが騒いでいます。挨拶しておこう。

 「冒険者組合の皆さん、お久しぶりです。黒鷲組の皆さん、さようなら」

 彼らの上で急上昇、衝撃波を軽く叩きつけて大陸へ向かいます。


 「来たー」

 「出たー」

 「ドラゴンだー」

 冒険者組合の人たちは屋内に逃げ込みました。

 空から声が降って来ます。


 「お久しぶりだと」

 「支部長どうしましょうか」

 「俺たちは関係ない。関わり合いになるのはゴメンだ」


 「前の道路に捨てられていた男たちはどうしましょうか。最初は暴漢にやられたと言っていましたが、今の天の声では黒鷲組だそうですが」

 「面倒だ。荷車に積んで天の声が黒鷲組だと言っていると衛兵に引き渡せ。いや、黒鷲組と木札をかけて衛兵詰所の前に捨ててこい」

 「すぐ捨てて来ます」


 「それと、黒鷲組と関係があると噂されている冒険者がいたな。引っ括って来い。なんとしても黒鷲組のアジトを吐かせろ。どんな手を使ってもいい」


 「どうするんで?」

 「知れたこと。俺たちで先手を打ってアジトを襲撃するんだ。うっかりドラゴンに黒鷲組の仲間だと思われては俺たちが消される」

 「承知」


 すぐ噂の冒険者が捕えられて来た。

 「黒鷲組のアジトを吐け」

 「知らない」

 「そうか。ドラゴンが黒鷲組の皆さん、さようならと言って黒鷲組の人間をこれみよがしに冒険者組合の前に捨てて行った。謎をかけられたのだ。黒鷲組との関連をドラゴンに疑われた。ドラゴンはどこかに出かけたようだが、帰ってくる前に対処しなければ、冒険者組合は消される。お前も消される。今、吐けばドラゴンに命は取られない。ドラゴンは人ではない。有無を言わせず消される。どちらがいいか。早く決めろ」


 「ドラゴンが」

 「そうだ。わかっているぞということだ。黒鷲組の組員は手足は曲がり、両足の腱を切られていた。もう歩けないぞ。あれは」

 「・・・」


 「何処だ。アジトは」

 「言う」

 アジトを吐いた。

 「よし、全冒険者に集合をかけろ。集まり次第、黒鷲組のアジトを襲撃、殲滅だ」


 一方衛兵詰所。

 詰所前に衛兵が少し目を離した隙に黒鷲組と木札がかかった男たちが捨てられていた。手足は曲がり、ボコボコにされ足の腱が切られている。


 「隊長、黒鷲組と札がかかったこいつらはどうしましょうか」

 「今日はアレがコシの街に入ったと言っていたな」

 「はい、門番が目撃したそうです」

 「それでこれか」


 「この手足の曲がり具合はまさにアレだろう。それが衛兵詰所の前に捨てられているということは、対処しなければ我々が消される。どんな手を使ってもいい。アジトを吐かせろ」


 「どうするんで?」

 「知れたこと。ドラゴンに我々が殲滅される前に、アジトを襲撃、黒鷲組を殲滅するのだ。それと黒鷲組と繋がっているのではないかと噂があったやつがいるな。引っ括れ」

 「承知」


 こちらはアジトをスラスラと吐いた。よほどドラゴンが怖かったらしい。

 「衛兵を緊急招集しろ。集まり次第、黒鷲組のアジトを襲う」


 かくして冒険者組合と衛兵隊が期せずして黒鷲組のアジト襲撃に向かった。ばったり街角で出会った冒険者組合と衛兵隊、目的が同じと確認して共同で事にあたることにした。

 人数が十分なので裏も脇もアジトの周り全てを包囲した。


 冒険者組合の支部長と衛兵隊長が叫ぶ。

 「押し込めー」

 「討ち入れー」

 「殲滅しろー」

 「皆殺しだー」

 

 「組長、討ち入りだー」

 「何処の組織だ。出会えー。返り討ちだ」


 「俺たちは冒険者組合だー」

 「衛兵隊だー」


 「なんだと。俺たちの組織並みの事をなんで冒険者組合と衛兵隊がする。押し込みだぞ。それじゃ俺たちと同じだ。それに仲間を潜入させていたはずだ」


 噂があった冒険者と衛兵隊員が投げ込まれる。

 「組長、バレました」


 冒険者組合と衛兵隊が抜き身をかざして雪崩れ込んで来る。表門、裏門、両脇の塀から雪崩れ込んで来る。


 ここで殲滅しなければ自分たちの命がないと思い込んだ冒険者と衛兵。躊躇うことなく剣を振るう。今まで見て見ぬふりをしていた者たちもドラゴンに消される悪夢を振り払うように眦を決して剣を振るう。

 程なく黒鷲組は殲滅された。


 冒険者組合支部長が叫ぶ

 「者ども勝鬨だ」

 「エイ、エイ」

 「オー」

 衛兵隊長が叫ぶ。

 「エイ、エイ」

 「オー」

 「ウォー」

 冒険者組合と衛兵隊の勝利の雄叫びがあたりに響き渡る。


 それを見ていたエチゼンヤの影の者。すぐエチゼンヤに帰って執事長に報告。

 「黒鷲組ですか。そろそろ片付けようと思っていたところですが手間が省けました。それにしてもドラゴン様は相当怖いと見えますな。ドラゴンの影に怯え大激震ですな。残党は片づけなさい」

 「承知しました。すぐ片づけます」

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