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目覚めた世界で生きてゆく 僕と愛犬と仲間たちと共に  作者: SUGISHITA Shinya
第四部

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375/499

375 オリメ商会の新製品を考える

 暇だからオリメ商会の新製品を考えよう。

 何がいいかな。ブランコ馬車、カタカタ押し車は二百人衆が作ってくれているから、今度はオリメさんとアヤメさんに頼むかな。


 服は、乳幼児からジェナの年齢までの服は売っているからその上の子供服だな。

 生活に余裕がないから実用重視だろう。丈夫で実用的で加えて子供らしさのある服だ。大人の服を小さくしただけで子供らしさというのが今までの服にはなかった。作って身代わり君一号に着せてやらねば。

 デザインを考えて何枚か絵を描いた。女の子用のモデルはリリアナちゃんだ。


 他に何か作るか。綿は人の頭くらいの大きさの実が熟すと大きな音と共に裂けて真っ白なふわふわの綿が出来るからそれを使って何か作るか。


 縫いぐるみだな。この世界で縫いぐるみを見たことはない。

 ブランコ、ドラちゃん、ドラニちゃん、ジェナちゃん縫いぐるみだな。チルドレン全員作るか。変わったところでドカドカオオトカゲのティランママとティランサンなんてどうだろう。

 アカがいいんじゃないと言っています。

 可愛くデフォルメして紙に描いた。裁縫棟に行こう。


 作業棟に寄ってみる。ドラちゃん馬車やカタカタ押し車を作っている。端材が出るね。

 「コマを作ってみるかい」

 「コマとは」

 「作ってみよう」

 足踏みろくろでコマを作った。紐を巻きつけて回してみる。

 「おおー。回る回る」

 二百人衆が回してみている。数回試してみたら上手に回せるようになった。

 「これは面白い」

 「色をつければ綺麗だよ。それから寸胴だけどこけしもできる」

 「こけしとは」

 「人形だよ」

 ろくろで削って形を作ってみた。

 「なるほど」

 「これに顔と服を描けば人形だ。頭が回るようにするためには、胴体に穴を掘って、頭の部分から伸びた首を押し込む。工夫してみて」

 「やってみます」

 「これで出た木っ端の使い道が積み木以外にできたね」

 「ありがとうございます」

 「それじゃお願いね」

 おもちゃ工房になりそうだ。実用品は曲がりなりにも今までもあったからこういうのもいいか。


 裁縫棟は二百人衆の子供たちがたくさん働いている。忙しいみたいだ。スパエチゼンヤのオリメ商会の工房でも作っているだろうから売れに売れているんだろう。オリメさんとアヤメさんが指導している。リリアナちゃんもいる。

 オリメさんが気がついた。


 「ちょっと作ってみてもらいたいものがあってね」

 「なんでしょう」

 「幼児服まではあるからその上の子供服。デザインを描いて来た」

 みんな集まってくる。

 「あ、私だ」

 リリアナちゃんがデザイン画をみて気がついた。

 「ちょうど年齢が良かったものでね」


 「スパエチゼンヤのオリメ商会で子供服はないかと言われていました。二百人衆のお子さんも加わっていただきましたので、少し余裕がありますのでやってみます」

 「お願いします」


 「それともう一つあるのですが」

 「なんでしょう」

 「これなんだけど。幼児向けのおもちゃというか、縫いぐるみなんだ。中に綿をつめて布でくるんで形を作る。目や鼻、口などは布で作って縫いつけても、刺繍でも工夫してもらえればいいと思う」


 みんな寄って来た。デザイン画をみて驚いている。デフォルメという概念がなかったようだ。

 「これは縫いぐるみというのでしょうか」

 縫いぐるみもなかった。


 「くるんで縫うから縫いぐるみ。どう?」

 「子供が欲しがると思います。幸い綿は爆裂綿がありますので、二百人衆に爆裂綿の栽培を増やしてもらえればいいかと思います」


 「見本をいくつか作ってみましょう。それで二百人衆の子供に渡して様子をみましょう」

 「お願いします」


 「それで評判が良ければ、スパエチゼンヤの託児所、孤児院で使ってもらいましょう。どこで売っていると噂になったところで、スパエチゼンヤのオリメ商会に投入しましょう」


 さすが経営者、すぐ売り方まで考えつく。これは売れそうだな。儲かりそう。この世界は原則地産地消だからな、広く売るのはどうするかな。あまり売れても忙しくなってしまうか。まあ模倣品が出るだろうからこちらは元祖巨木マークで値段は下げずに品質勝負、強気で行こう。


 流通だけど、砂漠はラシードさんにアレシアス王国でエチゼンヤから仕入れてもらえればいい。


 砂漠以外は魔物が出る地域は流通は難しいな。

 アングレア方面は魔物が少ないからいいが、スパーニア方面は魔物が多いから大量の荷物の流通は難しい。コシから王都エクバティアに来るのさえ魔物、盗賊が出て来た。


 必需品は今までもエチゼンヤさんが国内外に運んでいたようだが、必需品以外は難しい。なるほどだからなかなか発展しないのだな。


 発展というのは良いことばかりではないからこの世界はそれでいいのかもしれない。魔物もこの世界の自然の一部なのだろうから全て駆除するわけにもいかないだろうな。

 多分魔物がいなくなったら際限のない人の欲望にこの世界は潰されるのかもしれない。人の欲望のリミッターに魔物がなっているのかもしれない。そう考えるとエチゼンヤさんの行商でいいのかもしれない。


 たまにはエチゼンヤさんの行商に付き合ってみるのもいいな。

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