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目覚めた世界で生きてゆく 僕と愛犬と仲間たちと共に  作者: SUGISHITA Shinya
第一部

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037 ドラちゃんの従魔登録と冒険者組合特急便

 さてエチゼンヤに戻ってきました。


 屋敷の玄関を入ると、セドリックさんとメイドさん達。

 「ただいま」

 「お帰りなさいませ」

 「おや、ふわふわとお仲間がお一人増えたようですね」

 「そうなんです。それとエチゼンヤさんにお話があるのですが」

 「こちらでございます」

 マリアさんは仕事に戻った。


 応接室に案内されると茶菓子が用意されており、エチゼンヤさんもニコニコと待っていてくれた。


 「ただいまです」

 「お帰りなさい」

 「ふわふわされているのは」

 「新たに仲間になったハイヤーです。渾名はドラちゃん。ドラゴンです」

 「ほうほう。と言うことは元は大きいので?」

 「子供ですが50メートルくらいですね」

 「あはあはあは。大災厄がまたーーー」

 エチゼンヤさんが腰を抜かした。もっとも座っているから見た目は変わりはない。


 「従魔登録をしようと思いまして」

 「ご一緒させていただきましょう。取り敢えず済ませてしまいましょう。セドリック、30分程したら出掛けます」

 エチゼンヤさんは、申し訳ありませんが30分ほどしたら玄関にお願いしますと出て行った。急用かな。ブランコとドラちゃんはお菓子が食べられるので大変満足のようだ。


 30分程してドラちゃんと玄関に行くとセドリックさんが馬車を回してくれていた。アカ、ブランコ、エスポーサは客間でお留守番だ。


 やってきました冒険者組合。お、この前のお姉さんだ。

 「今日は何ですか?」

 心なしか冷たい。


 「従魔登録をお願いします」

 用紙をもらって書き始める。

 従魔は超小型ドラゴン。


 エチゼンヤさんが説明する。

 「西の森の奥深く棲息する超小型のドラゴンです」

 お姉さん、またかと言う顔をしている。ドラちゃんはそうなのという顔をしている。

 「丁度この前の登録官が居ますので待機所でお待ちください」


 待機所で待っていると奥の方で嫌だとかゴネている声が聞こえる。

 「あんたエチゼンヤさんの係なんだからさっさと仕事をしなさい」

 「いつ係になった。今度はドラゴンかなんかなんだ。俺は首になるんだ」

 「早く行け」

 お姉さん強い。


 渋々やってきたよ、登録官どの。

 「ええっと書類はーーーやっぱりドラゴン」

 「西の森の」

 「確認した。鑑札は受付で貰ってくれ」

 こっちを見ずに逃げて行った。


 受付に戻ると受付のお姉さんが睨んでいる。何かしたかな。

 「鑑札です。もう登録はないでしょうね。次は王都の組合本部でお願いします。何かあったらこの支部の責任になってしまう。立て続けに聞いたこともない希少種を登録したから本部からの査察が入りそうなんですから」


 「私だって、クズ登録官だって生活があるんですから」

 お姉さん涙ぐんでいる。

 うなずいてエチゼンヤさん、懐から二通の封書を出した。

 「大丈夫ですよ。これを冒険者組合至急便で送ってください」


 「組合本部長と宰相宛、差出人はローコー。御ローコー様。ええええ」

 今度は震えている。

 「諸国行脚して悪を正す人呼んで大監察官、御ローコー様。知らないとはいえご無礼を働き申し訳ございませんでした」

 「エチゼンヤの隠居ですよ。悪いようにはしません。安心して送りなさい」

 「は、はい。ありがとうございます」


 冒険者組合を出ると、事務員が小さな鳥を鳥籠から放している。足に筒をつけていた。矢のように飛んでいく。相当なスピードだ。


 「シン様、あれは連絡鳥です。足に付けた筒に短い文面のメモを入れ放します。あの連絡鳥は生まれた所に帰る強い本能があります。冒険者組合本部で生まれた鳥でしょう。帰る時のスピードと持続力は驚異的なものがあります。もう一羽用意したようです。大事な連絡は時間差で放します。それにより一羽に災難が降りかかっても、もう一羽はその災難を回避できます。あと一時間くらいしたら放すのではないでしょうか」


 今度は完全武装した冒険者三騎が赤い旗を背負って一列になって駆けていく。

 「あれは冒険者組合特急便で何人も行手を遮ってはなりません。切り捨て御免です。次の街の冒険者組合まで突っ走り、そこで冒険者も馬も交代して走っていきます。盗賊や魔物に襲われても二騎が死兵となり、一騎は駆け抜ける最速の便ですね。受付のお姉さんと登録官は頑張りましたな」


 「それは申し訳ないです」

 「なに、たまにやってみないと、いざと言う時できませんから。それに、もし特急便が盗賊に襲われたら、冒険者組合と国軍が盗賊を女、子供を含め文字通り殲滅します。それゆえ盗賊も手出しはしません。ゴールまで距離がわかっているので、馬がその距離を最短の時間で到着できるよう、スピードや休憩を調整して駆けていきます。人馬一体になった死兵が向かってくるものだから魔物も獣も避けますよ」

 

 何だろうね、赤い旗の特急便だよと街がざわついている。

 「さ、行きましょうか」

 馬車に乗ってエチゼンヤに戻る。

 皆んなが待ってるからね、客間に向かう。


 皆んな飛び付いて来て体を擦り付ける。そんなに時間は経ってないよ。でもヨシヨシする。

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