362 ラシード隊の訓練 (上)
さてラシードさんたちの訓練に入ろう。明後日からだ。コーチはゴードンさん、三馬鹿、ブランコ、エスポーサ、ドラちゃん、ドラニちゃんだな。強面神父さんは10人くらいかな。女性がいればマリアさんとオリメさん、アヤメさんに頼もう。
砂漠の隊商だから、持久力だろうな。それに塩を持ち上げる時の筋力、それと襲われた時、直ちに戦いに入れる瞬発力か。
エスポーサにゴードンさんと三馬鹿ハルトに頼みに行ってもらった。
観察ちゃんが訓練希望者には女性もいるよと言っている。そうですか。じゃオリメさんとアヤメさんの参加が決定。ステファニーさんが寂しいだろうからステファニーさんも参加。一ヶ月間だからステファニーさんとマリアさん、オリメさんとアヤメさんは交代にしよう。
ジェナは、そうだな。せっかくだからプリメーロとプリメーラ、フロランスちゃんを誘おう。一ヶ月遊んでもらおう。うんそうしよう。早速アカが女将さんに話に行った。
すぐお願いしますと頼まれ預けられた。実はフロランスちゃんは強すぎて近所の子とは気兼ねなく遊べないそうなのだ。一ヶ月気兼ねなく遊べると女将さんは喜んでいたそうだ。
プリメーロとプリメーラの両親はもちろん二つ返事だ。
みんな喜んでくれました。ゴードンさんと三馬鹿、10人の神父さんたちも喜んでいるそうです。食事?もちろん教える側は僕が用意してあります。
訓練開始日です。
日の出前に、エスポーサとドラちゃん、ドラニちゃんでラシードさんたちを迎えに行ってもらいます。
ゴードンさんと三馬鹿、神父さんは、マリアさんと観察ちゃんに迎えに行ってもらいます。
残りのぼくらは二百人衆に見送られてエレーネさんの城の城門前に転移です。城の兵隊さんに挨拶をし、訓練に参加しますかと言ったら遠慮されました。城のまわりで訓練している間は食事は差し入れますといったら喜んでもらえた。
続いてゴードンさんたちが到着。ゴードンさんはロシータさんとリリアナちゃん、リオンちゃんを連れて来た。いいですけど。
ラシードオアシス。みんな緊張している。
「来た。ドラゴンだ」
誰かが叫んだ。
ドラゴン2頭が飛んでくる。そのうちの1頭が降りてくる。今日はゆっくりだ。
着陸した。
「みなさん、こんにちは。エスポーサです。早速ですがドラゴンに乗ってもらいましょう。何人ですか。男150人、女50人ほどですか。十分乗れますけどまずは男の人がこちらのドラちゃんに乗ってください」
ドラゴンが頭を回らして睨まれた気がする。
「隊長、睨んでますよ」
「気のせいだろう。いくぞ」
ラシードさんが勇を鼓してドラちゃんに乗った。
「はい、続いてください」
隊員が渋々と続いて乗る。全員乗った。
「じゃ、行ってらっしゃい。すぐ追いつきますから。安全運転です」
フワッと浮き上がった。ラシードさんたちは必死にしがみついている。
少しドラちゃんが揺らした。
「うわっ」
「乱気流ですよ。しっかり掴まってください」
少し離れたのにエスポーサ様の声がやけにはっきり聞こえる。頭の中から聞こえてくるようだ。乱気流とはなんだとおもうが解説がなくても経験すれば分かる言葉だ。
また揺れた。
実はドラちゃん、この間の急降下から面白くなって揶揄っているのである。
飛んでいる途中で、ストンと100メートルくらい落としてみたり、ラシードさんたちが背中から落ちそうなくらい傾けてみたりして楽しんでいる。
バリアがあるから、大丈夫なのだけど、乗っている方は知らないからその度ごとに阿鼻叫喚だ。
「さて先発組は出ましたので、行きましょう」
ドラニちゃんが降りてくる。
「みなさん乗ってください。こちらは本当に安全運転です」
みんなは先に行ったドラゴンは安全運転ではなかったのかと思った。
ドラゴンに乗る。初めての経験だ。
オアシスのみんなに見送られて浮き上がった。上下動も左右の揺れもなく滑るように飛んでいく。翼は展開しているが羽ばたきもしない。
先に飛んでいくドラゴンが見える。ストンと落ちた。また浮き上がって左右にロールしている。悲鳴が聞こえる。向こうのドラゴンは羽ばたいている。その度ごとに上下動をする。尻尾が振れている。なんとなくドラゴンがご機嫌なのがわかる。楽しんでいるのだろう。
来た来た。ドラちゃんだな。ロールしているぞ。楽しんでいるようだ。
降りて来た。
ドラちゃんから、男どもがふらふらになって降りてくる。ドラちゃんはすぐ小さくなって、やったと得意顔だ。すぐドラニちゃんが降りてくる。こちらは元気に女性たちが降りて来た。ドラちゃんとドラニちゃんが飛びついてくるからヨシヨシしてやる。
ラシードさんたちが恨めしそうにみているね。そんな顔をしていると帰りもドラちゃんだよ。




