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目覚めた世界で生きてゆく 僕と愛犬と仲間たちと共に  作者: SUGISHITA Shinya
第四部

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355/499

355 ゴードンさんの砂漠体験事前調査 (4) 強盗から旅人を救う

 休憩が終わる頃、これから行く方向の砂丘から10数人がやってきました。こっちをチラッと見て通り過ぎていきます。感じが悪い奴らだ。さっき僕たちが越えてきた砂丘を越えた。


 観察ちゃんが砂丘の頂上に転移した。

 『シン様、シン様。さっき砂に埋もれてた人たちの後をつけて行くよ』

 『わかった。もう少し見ていて。多分テントが張ってあったところから、ソーロクに向かって一つ砂丘を越えた辺りが襲撃場所だろう。そこならこちらまで襲撃の音が聞こえないか、聞こえても遠いので追ってくるとは思わず、安心して襲うだろう。砂丘を越えたら教えてね』


 やれやれまたトラブルだよ。どうしてこうトラブルに出会うのかね。

 「ゴードンさん。どうも今の悪党がさっきの砂に埋もれていた人たちを襲うようですよ」

 「そうだろうな。見るからに悪党だった。襲撃場所は一つ砂丘を越えたところあたりか」

 ゴードンさんも同意見だった。屈伸運動を始めた。やる気満々だ。


 お狐さんにはジェナと日除の下で待っていて貰おう。そんなに時間はかからない。

 「ジェナはお狐さんとここで待っていてね。すぐ戻るから」

 ジェナは物分かりがいいのです。待っている理由も言わなくてもわかっているんです。


 「おとたん。待っているね。これ使う?」

 スコーピオンを両手で差し出します。

 「そうだな。せっかくだから借りるか」

 二匹背中につけておきます。見えるとまずいからね。スコーピオン君は背中で大人しくしています。


 『シン様、シン様。砂丘を越えたよ』

 『わかった。ありがとう。良い子だ』

 『シン様に褒められた。褒められた』


 アカ、ゴードンさん、エスポーサ、ブランコ、ドラちゃん、ドラニちゃん、ベーベーマン、バトルホースで観察ちゃんのところまで転移。ベーベーには残ってもらった。


 僕らは砂丘の頂上から見下ろしている。もちろん下の方々からは分からないようにしている。折角の捕物なのに僕らを警戒して襲わなくては話になりません。現行犯が一番です。


 ゴードンさんはハルバートを持ってバトルホース、僕がアカを抱っこしてベーベーマン、エスポーサは薙刀を持ってバトルホース並みに大きくなったブランコに乗って時が来るまで待つ。


 悪党さんたちが剣を抜いた。前を行く人たちが気づいた。年嵩の人を逃がそうとしているね。優秀な部下か道中警備に雇った人なんだろうな。

 あれ、一人裏切り者がいるよ。剣を抜いて年嵩の人に追い迫る。


 年嵩の人は向き直ってナイフを構えた。敵わずとも一太刀の捨て身の構えだな。気合いが入っている。幸い砂丘を登っている途中だからポジションがいい。年嵩の人はやられるだろうが、剣を振りかざした男も無傷というわけにはいかないだろう。最悪相打ちだ。悪党さんが少し躊躇したね。


 「ドラちゃん、頼んだよ」

 細いレーザービームが振り上げた剣の根本を切った。剣を振り下ろしたが柄だけだ。慌てている。足の甲に剣が降ってきて刺さった。痛そう。年嵩の人がこちらを見た。


 僕が片手を上げると一斉にバトルホースとベーベーマンとブランコが砂丘を駆け下る。

 ブランコはエスポーサを乗せているので嬉しくてウォーンと吠えて駆け下る。

 悪党がこちらに向き直った。遅い。ハルバートと薙刀が煌めき首が宙を舞う。残ったのは一人と足を自分の剣で縫い付けられた裏切り者だ。


 年嵩の人に向かって言う。

 「先ほどはどうも。僕らが休んでいたらこの悪党たちが脇を通ったもので気になったので来てみました。間に合って良かったです」

 「これは重ね重ね助けていただきありがとうございました」

 「ちょうど休憩していたものですから礼には及びません」

 「いや来ていただかなければ私どもは死ぬところでした」


 さてと、折角だからジェナの友達に活躍して貰おう。悪党二人にスコーピオンを付けた。肩の辺りだ。首の周りを這い回っている。すぐ首をブスッと刺せる。悪党は真っ青。首がゴロゴロしている上にスコーピオンだ。爺さん連中も腰が引けている。


 爺さんに聞いてみよう。

 「この悪党さんを知っていますか?」

 「知りません」

 「そうですか。では悪党さんに聞いてみましょう。あなたたちは誰ですか」

 「ーーーー」

 「正直に、素直に答えたほうがいいと思いますよ。ほら娘の友達が尻尾を持ち上げています」


 「俺たちはカーファ一家だ」

 「そうですか。カーファさんはお亡くなりになりましたが」

 「俺たちが稼ぎに行っている間にオアシスに入れなくなっていた」

 「それは誤解です。入れますよ。それでなぜこの方達を襲ったのですか」

 「有名な金持ちだ」

 「強盗さんでしたか」

 「そうだ」

 「そうですか。それじゃご希望ですからカーファさんのオアシスに送ってあげましょう」


 ジェナの友達は回収した。強盗さんが安堵しているね。

 「ではさようなら。先ほど言うのを忘れましたが、オアシスには入れますが中のものに触ると死にます。あなたたちはお金が欲しいようですから、特別にたくさん金貨が落ちているところに送ってあげましょう。だいぶ溜め込んでいたようで足の踏み場もありません。あなたたちが両足をつくところは金貨を避けておきましょう。一歩でも動いて金貨を踏むと死にます」

 転移で送って差し上げた。仲間の死体も送った。

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