表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
目覚めた世界で生きてゆく 僕と愛犬と仲間たちと共に  作者: SUGISHITA Shinya
第四部

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

352/499

352 ゴードンさんの砂漠体験事前調査 (1)

 夕方、観察ちゃんがマリアさんとゴードンさん一家をつれて転移してきた。


 「ゴードンさん、明日からお願いします。明日は体験と同じに日の出前に砂漠に着くように行きたいと思います。ドラちゃんで行きますからそんなに時間はとりませんけど頃合いに泉の広場に来てください」

 「承知しました。俺も砂漠の泊まりは初めてだから勉強させていただきます」

 少し話をしてゴードンさんは、ロシータさん、リリアナちゃん、リオンちゃんと宿舎に向かった。


 「少し見ないうちにリオンちゃんは大きくなったわね。迎えに行ってびっくりした。」

 マリアさんの感想です。

 確かにしっかりして来たことは確かだが、まさか砂漠に連れて来るのではないだろうな。


 翌朝、まだ朝とはいえない暗いうちに、泉の広場に行く。今日はアカ、ジェナ、ブランコ、エスポーサ、ドラちゃん、ドラニちゃんそれにお狐さん、ベーベーだ。


 泉の広場には、ゴードンさん一家がバトルホースともう来ていた。

 挨拶して、お狐さんを紹介して、じゃ行きますか。


 ドラちゃんが大きくなる。僕らが乗ってゴードンさんとバトルホースが乗った。ベーベーも乗る。やはりロシータさんたちはお留守番らしい。


 ドラちゃんがふわりと浮き上がって、東西街道に沿ってアングレアと亡国の国境方面を目指して飛んでいく。ゴードンさんも夜目がきくので下を見ている。


 「アングレアから先の亡国の草原に石畳の道があるな。前は草原だった。この前帰りに飛んだはずだが酔っ払って見落とした」

 結婚式をあげたばかりだから見落としたんだろうと思うが黙っておこう。


 「行ったことがあるのですか?」

 ジェナを抱っこしたエスポーサが聞く。

 「ああ。あの草原の手前まで行った。ひどい草原でな、通り抜けるのはずいぶん手間とわかった。魔物もいないし、つまらないから引き返してきた。ずいぶん前のことだ」


 ドラちゃんはさらに進む。アレシアス王国に入り、左手に訓練した城が見える。

 「こんどもあの城の周りを使って砂漠の人を訓練してもらおうと思っています。そのときはよろしく」

 「承知しました。あそこはいいよな。訓練にちょうどいい。滅びの草原にも近いし、訓練場所としては優秀だ」


 右手はアレシアス王都へ続く道だ。そちらには行かずに森の上を飛ぶ。砂漠が見えたところでドラちゃんがくるっと回る。みんな飛び降りる。砂漠に近い森の中に着地。


 「体験は森のここからはじめてもらうつもりです。だんだん疎林になっていって下は砂地になっていき、森が切れると砂漠になる。前は砂漠だけ」

 「そうだな。変わり目が面白いかもしれん。ちょうど日が出てきた。歩いてみよう」


 森の中から砂漠に歩いて入っていく。

 「これは足が取られるな。面白い」

 砂丘を登る。

 「なるほどこれは足腰が鍛えられるな。鍛え直すにはちょうどいい」


 バトルホースも最初は苦戦したが、やがて足底にバリアを張ることを思いついたらしい。苦もなく砂丘を上り下りしはじめた。


 日が昇るにつれて暑くなっていく。

 「これは暑いな」

 「隊商は日中のごく暑い時間帯は砂丘の影などで休んでいるようですよ」


 「砂ばかりで方向がわかるのか?」

 「砂丘の形とか覚えているらしいです。夜は星を見て方角を知るようです」

 「そうか。そこまでの訓練はできないな。砂漠の民の為せる技だろうな」


 「今向かっているのはソーロクオアシスです。今日中には着きます」

 スコーピオン退治のときに寄った森のちかくの溜水オアシスはパスだ。最短距離でソーロクオアシスに向かう。


 「オアシスも一度見たいと思っていた」

 「それと夜は極寒です。それも体験してもらいましょう」


 「みんなは暑くて大丈夫なのかい?」

 気づかなかったけどもう日は中天だ。さすがゴードンさんとバトルホース。途中一回休憩してあとは竹水筒の水を時々飲むだけで半日砂漠を踏破した。でも休んでもらおう。

 砂丘の影に入る。


 「お昼にしましょう」

 いつもの日除をエスポーサが張ってくれた。

 「おお、これは涼しいな。天国だ。下の布も冷たい」

 ベーベーはいつもの傘、バトルホースにも傘を作って差しかけた。涼しいだろう。水もやった。

 お昼は二百人衆の作った食事だ。


 「リオンちゃんはだいぶ大きくなりましたね」

 「そうなんだ。大きさはまあ普通より少し大きいかなくらいだが、普通の子よりも力が強い。それにやけに頑丈だ。普通の子なら大怪我をするところなのにケロッとしている」


 なんだかやばそう。アカ、何か知っている?あれエスポーサがジェナを抱っこして食事を与えているのにジェナを構って聞こえないふりをしている。怪しい。近頃は観察ちゃんに次いで怪しいアカだ。まあ知らんふりをしていればいいと言うことみたいだ。


 「神国で産まれたからでしょうかね」

 誤魔化しにかかる。

 「そうだな。そうかもしれん」

 「それに何しろゴードンさんのお子さんですから」

 相好を崩したぞ。しめしめ。


 「2、3時間休んで出発しましょう。出発は夕方あたりがいいのでしょうけども、みんな少し暑くても大丈夫でしょう。少し夜も歩かなくてはオアシスに着きませんので昼寝でもしましょう」


 ふふふ。リオンちゃんのことは誤魔化せた。さて寝たふりをしよう。ドラちゃんとドラニちゃんはお腹の上。暑くないの。温度は調節できるから良いのだそうだ。お狐さんも胸の上に乗ってきた。お狐さんも温度調節ができるのだそうだ。さすが九尾の狐。アカは右。エスポーサはジェナを抱っこして左。今日は頭の上はブランコ。足元にはいつのまに来たのか、観察ちゃんだ。ゴードンさんが呆れている。いつもの配置です。

 寝たふり、寝たふり。と思っていたら寝てしまった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ