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目覚めた世界で生きてゆく 僕と愛犬と仲間たちと共に  作者: SUGISHITA Shinya
第四部

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342/499

342 世界樹が眷属たちについて教えてくれる

 いつも通り世界樹の果物を食べて夕食として、世界樹のそばの地面にみんなで横になって眠る。


 『お狐さんも可哀想だったわね。シンのような子がいなかったからね。しょうがなかったのよ』

 『呼んでやればよかったのに』

 『生え変わる前だったからねえ』

 『忘れてたんじゃないの?』

 『思い出さなかっただけよ』

 『それは忘れていたと言うんだけど』

 『まあいいじゃない。シンと仲良くなれたんだから。可愛いわよね。子供みたいで。純粋で。ジェナよりずっと子供よね。みんなで見てやって傷つかないようにしてやらないとね』

 『僕たちも気をつけるけど、観察ちゃんが張り切っているから大抵のことは大丈夫だよ』

 『そうね。あの子もいい子だわ。私の子供は皆優秀でいい子だわね』

 『この森の果物とか水とかの注意事項はお狐さんが自然とわかる様にしておくわ。負担があってもいけないからね』

 『その方がいいね。ありがとう』


 『プリメーロとプリメーラはジェナのいい遊び相手になってくれる。眷属だから頑丈だし、強いし。ジェナが全力を出したければブランコ、ドラちゃん、ドラニちゃん、ドカドカオオトカゲ母子と相撲でもすれば良いわね。ドカドカオオトカゲはアンクレットをつけなくても下の世界で最強の魔物よ。今はアンクレットをしたから魔物ではなくなったし。いい遊び相手よ。母親の方は力だけならジェナが本気になってもまだ勝てないわね』

 『強いんだ』

 『強い相手がいなくてはつまらないでしょう。絶対勝てない相手がシンとアカ、眷属の中でも別格のブランコ、エスポーサ、ドラちゃん、ドラニちゃん以外にいなくては教育に良くないわ。ドカドカオオトカゲ母子も別格の眷属には赤子の手をひねる様にやられてしまうだろうけど頑丈さは別格並よ。子供の方も頑丈さだけは母親と同じにしておいたからジェナが突っ込んでも大丈夫よ』


 『ブランコたちは別格なんだ』

 『言ってなかったっけ。ドラちゃんだって大きさは50メートルだと思っているけど、遥かに大きいからね。本人はわかっていないから黙っているけどね。別格眷属の本当の力をわかっているのはエスポーサだけよ』


 『マリアさん、ステファニーさん、オリメさん、アヤメさんは別格じゃないの?』

 『人から眷属になるとどうしても甘いところが出来てしまうのよ。転移もできない。でも強いわよ。准別格というところかしらね』


 『へえ、そうなの。観察ちゃんは?』

 『特殊よね。全部合体すれば別格眷属、分裂している状態だと並の眷属だったんだけど、シンの役に立ちたい一心でだんだん強くなって来ているわね。今は准別格眷属というところかしら』

 『強いんだ』

 『そう。強い』


 『お狐さんは?』

 『お狐さんも特殊よね。私が作ったから本来シンやアカ並なのよ。でもああいう優しい心根の持ち主だからね。四尾のお狐さんでいいのよ。シンがアンクレットをしてやって九尾の狐になったけど、四尾にしておいたのは正解よ』

 『そうだよね。恐れられたらお狐さんでなくなるね』

 『恐れがない神なんてお狐さんだけよ』


 夜が更けていく。

 観察ちゃんは何やら星を観察しているらしい。


 何時の間にか寝てしまった。

 頬に冷たい霧が触れる。視界は真っ白。霧が薄れる頃みんな起きて来た。


 お狐さんに里芋の葉っぱの水を進呈しよう。

 抱き上げて里芋の葉っぱを揺らす。水が玉になってコロコロ転がる。

 「うわあ。水がコロコロだあ」

 葉っぱを揺らしてやると水がコロコロ。お狐さんは尻尾を振って喜んでいる。

 「飲めるんだよ。飲んでごらん」

 葉を口元に傾けてやる。コロコロと水がお狐さんの口に入っていく。

 「冷たーい。美味しい」

 それは良かった。みんなも飲んでいる。


 巨樹の森の恵みで朝食。

 ドラちゃんとドラニちゃんと観察ちゃんは、木登りの続きーと言って世界樹を登って行った。

 ジェナたち3人はブランコと、エスポーサがついて見回りーだそうだ。

 僕はアカとお狐さんの山菜、木の実、果樹などの収穫手伝いだ。観察ちゃんも木の実を収穫している。

 マリアさん、ステファニーさん、オリメさん、アヤメさんは4人で一緒に野菜畑、穀物畑、岩塩を一周収穫だ。

 僕たちは十分収穫したので世界樹の広場に戻る。

 ドラちゃんたちも世界樹から落ちて来た。今日も途中までしか登れなかったようだ。

 マリアさんたち、ブランコたちも帰って来たので森の恵みで昼食。


 世界樹に抱きついて挨拶して、さて下界に戻ろう。

 『またみんなと来るね』

 『神様、神様。あたしまた来たい』

 『そう。いい子ね。じゃ私のところにも転移出来るようにしてあげる』

 『神様、ありがとう』

 『みんな、いつでも帰って来てね』


 泉まで軽く走って行こう。水筒を回収した。

 泉の水をたくさん飲んで、沐浴して出発。帰りは果樹園などに寄らずに竹林を経て巨樹の森を出る手前の川まで進んで水筒を回収。持ってない人に進呈して、全員に水筒が行き渡った。

 世界樹にみんなで

 『またねー』

 『行ってらっしゃい、愛しい子たち』


 巨樹の森を出て崖の端まで着いて、一泊。

 朝寝して、朝食を食べて、全員崖から飛び降りる。

 ジェナもプリメーロもプリメーラも上手に着地。


 ドカドカオオトカゲ母子が出迎えくれたので、ジェナたちが巨樹の森のリンゴを投げた。美味しそうに食べている。さすが最強。劣化袋を通さなくても大丈夫らしい。

 「ごちそうさまでした」

 「またね」


 魔の森の泉まで駆け足。泉から水筒を引き上げた。プリメーロ、プリメーラ、お狐さんにも水筒を渡した。持っていない眷属にも渡した。ティランママとティランサンはまだだけど。


 神国の泉の広場に転移。二百人衆が拝跪して出迎えてくれた。プリメーロ、プリメーラが僕たちと同じ服を着ているので感激された。僕たちの繋がりが更に深くなったと思ってくれたようだ。


 この前と同じで軽く祝福して、すぐ自宅スパ棟へ。スパです。お風呂です。お風呂に入って、みんな人化を解いてすぐ着替えます。


 昼食にしよう。二百人衆が持って来てくれる。赤飯だよ。プリメーロ、プリメーラが世界樹と会ったお祝いだそうだ。みんで美味しくいただきました。

 午後からは日常生活だ。

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