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目覚めた世界で生きてゆく 僕と愛犬と仲間たちと共に  作者: SUGISHITA Shinya
第四部

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341/499

341 お狐さん、プリメーロ、プリメーラと世界樹と

 もう何回も来ているからサラッと行こう。

 朝は早起きです。僕はここから見る夜明けが好きだ。ドラちゃんとドラニちゃんが僕とアカについて来ます。この前寝ているからそのままにしてアカと二人で陽が昇るのを見ていたからね。今回は抜け駆けは許さないという意気込みだ。


 崖の上に座り少し大きくなったアカに寄りかかってドラちゃんとドラニちゃんを抱っこして陽が昇るのに立ち会った。雲がなくとても綺麗だ。

 お狐さんがアウアウ泣いてやって来た。居なかったと言っている。ドラちゃんとドラニちゃんが少しどいてくれたのでお狐さんを抱っこして撫でてやる。ほら朝焼けだよ。見られて良かったね。うんと返事している。いい子だ。

 朝焼けがだんだん薄くなって朝の光に満たされる。


 振り返るとみんな居た。お狐さんと一緒に起きて来たらしい。

 「綺麗ね。日の出を綺麗と思ったのはここに来て初めてよ」

 ステファニーさんだ。

 「こんなふうに陽が昇るのを見たのは下ではなかった」

 マリアさんも言う。そうか、日の出を見る文化が無いのか。この世界は余裕が無いのかもしれないな。


 オリメさんとアヤメさんが相談している。どうやら朝焼けの色を染色で出せないかと言うことらしい。

 日の出を愛でる文化が出来るといいな。


 外にテーブルをはなえ、朝の光の中で二百人衆の作った朝食を食べた。

 世界樹製の服に着替える。お狐さんの収納にも入っていた。人型と狐型用の両方だ。お狐さんは狐型のチョッキのようなものを着た。

 よし、出発。


 小動物しかいない疎林の中をゆっくり走る。休憩前に巨樹の森の手前まで着いた。少し休憩して巨樹の森へ入る。プリメーロ、プリメーラもお狐さんも問題なく入れた。

 何時もそうだけど、初めての2人とお狐さんは不思議な顔をしている。生き物が全くいない。気配がないからね。


 巨樹の森から出る川に水筒を沈めておく。みんなも沈める。お狐さんとプリメーロとプリメーラは持っていなかったっけ。持っていない人いたっけ。ここまで来られた人にはあげることにした。帰りまでたっぷり吸い込んでもらう。


 竹林まで行って、プリメーロとプリメーラ用の小さな竹水筒を作った。大人用のはもういらないと思ったけど、また少し作ってしまった。結構作るのが楽しい。小さな竹水筒はブランコとエスポーサに頼んでさっきの川に沈めてきてもらった。

 みんなは河原で遊んでいます。お狐さんも楽しそうだ。なによりだ。


 石を収納して河原を平らにしてスパ棟を出して一泊。

 お狐さんは僕の胸の上で服を握って丸くなっている。寝ている間にいなくなると思っているらしい。いじらしいね。

 朝まで僕の服を握っていたよ。

 「お狐さん、朝だよ」

 起きた。みんなも起きた。アカもお狐さんを撫でてやる。尻尾がパタパタして来た。もう大丈夫だ。


 ブランコとドラちゃん、ドラニちゃんが果樹園、果樹園と言っている。

 食事をしたら待ちかねて先に行ってしまった。まあいいか。


 果樹園に行くと山菜もあった。世界樹がお狐さんのために生やしておいてくれたようだ。

 輪っかに入れておけば何時までも新鮮だよと説明した。お狐さんは嬉しそうに収穫している。

 みんなは果樹を収穫したら先に行った。僕とアカはお狐さんに付きそっている。僕らも山菜を収穫した。

 お狐さんは山菜の収穫が終わると木の実を拾い、果樹が欲しいそうなので、僕とアカが取ってやる。だいぶもらって満足したようなのでみんなの後を追う。

 野菜畑、穀物畑は興味がないようだ。でもなんで必要になるかわからないから収穫してお狐さんの収納にプッシュしておく。岩塩は必需品だね。だいぶ収納した。


 一周するとみんなが待っていた。

 泉に一緒に行って、僕とアカは水筒に水を補充。みんなは泉の水を飲む。美味しさ一番と言っている。

 満足したようなので世界樹の方へ歩いていく。


 里芋畑に出た。何時ものように収穫して広場に出る。お狐さんが世界樹を見つけた。駆けていって抱きつく。みんなも抱きついた。


 『神様、神様。会いたかったよう。寂しかったよう』

 アウアウ泣いている。

 『ごめんね。優しい子。もう寂しくないわね。みんなと一緒に生きてね』

 『うん。シン神様とアカ神様とみんなと一緒』

 『いい子、いい子。ほらこの棒をあげる。観察ちゃんがいるから使うことはないだろうけど、私との繋がりの証しだよ。持ってなさい』

 短い棒が落ちて来た。

 『うん。ありがとう。神様からもらった。嬉しい』

 何時の間にか観察ちゃんが隣でうん、うん言っている。

 僕から武器をもらった人は世界樹の棒はいらないんだそうだ。同じことらしい。


 『プリメーロとプリメーラはジェナと遊んでやってね。線指輪をバングルにしてあげる。特に変わりはないけどね。気分よ。気分。あとはアカがちょいちょいした時に話してあるからいいわね』

 『うん』

 プリメーロとプリメーラの線指輪が無くなりバングルとなった。


 あれ、世界樹がちょいちょいとしたのではなかったか?

 『アカと私よ』

 あ、言い直した。怪しい。まあ、いいか。

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