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目覚めた世界で生きてゆく 僕と愛犬と仲間たちと共に  作者: SUGISHITA Shinya
第四部

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338 お狐さん、プリメーロ、プリメーラを世界樹さんのところに連れて行こう & 餅つき大会

 「お狐さん、最初にお狐さんを助けてくれた神様のところに行くかい?」

 『うん。行きたい』

 「みんなで行こうか。プリメーロとプリメーラを連れて行こう」

 『行こう、行こう』

 全員行きたいみたいだね。


 夕食の時みんなに話したら、全員賛成。明日用意してお狐さんとプリメーロとプリメーラの都合が良ければ明後日に出発することにした。


 「お狐さん。プリメーロとプリメーラの都合を聞いてよければ、明後日から出かけるけどいいかい」

 『うん。嬉しい』

 プリメーロとプリメーラ、両親には明日話そう。

 明日は皆手配に忙しいだろうから今日は早く寝よう。


 横になって気が付いた。まだ世界樹さんには話をしてなかったね。

 『もしもし、世界樹さん。こんばんは』

 『もっと連絡してくるのよ』

 『はい、はい』

 『返事のハイは一回と昔から決まっている』

 『そうなの。ところで多分明後日から出発なのだけど、そっちに行っていい?』

 『いつでもいいわ。お狐さんとプリメーロ、プリメーラね』

 『お狐さんはその昔、助けたときに体を一から作ったから大丈夫だし、プリメーロとプリメーラはアカとちょいちょいした時にちょいちょいしたから大丈夫よ。みんなそのまま巨樹の森に入れるわ』

 『へえ、そうなの。お狐さんはそうだとおもったけど、プリメーロとプリメーラのちょいちょいの内容はアカにペロペロされて聞き損なったからね。怪しいとは思っていたけど』

 『基本的にはみんなと同じよ。親とか二百人衆とか神国にいる生き物とかにちょっと教えて置く必要があって手間がかかっただけ』

 『そうなの。それは大変だったね』

 『わかるでしょう。大変なのよ』

 『まあいいや。おやすみ』

 『おやすみ』


 朝になってお狐さんは朝食を一緒に食べてから帰って行った。

 僕はアカを抱っこして、プリメーロたちの両親の元へ。


 「こんにちは」

 「シン様、アカ様、いらっしゃい」

 「早速ですが、もしよかったら明日から数日プリメーロとプリメーラをつれて世界樹の元に行って来たいのですが」

 「もちろん、何日でもよろしくお願いします。世界樹様にあえるなんて二百人衆の誇りです。ぜひお連れください」

 「で、では明日朝、朝食を終わった頃うちまでお願いします」

 「承知しました」

 長居は無用。急いで帰る。


 今日は僕とアカとジェナ、ブランコ、ドラちゃん、ドラニちゃんは暇だ。

 「ジェナちゃん、あそぼ」

 あれ、プリメーロとプリメーラが遊びに来た。

 行っておいで。

 「あそぼ」


 ジェナが出ていった。ブランコと、ドラちゃん、ドラニちゃんもついていくらしい。いっぺんに減った。

 僕とアカのみ。どうするかねえ。ベーベーは二百人衆と荷運びの仕事に行って留守だ。


 餅つきでもするかな。

 まずは臼と杵を作ろう。硬い大木を収納から取り出して、上手に乾燥させる。ひび割れなどが出来ては使い物にならないからね。それから相棒でスパスパ輪切りにして、内側をえぐり取って凹みを作る。ツルツルにしておこう。外側も皮は剥いでおこう。面白くて5つ作ってしまった。あとは杵だな。搗く部分と柄だな。さっきの大木から切り出して、相棒で削って作った。20本作ってしまった。


 餅とり粉が必要だな。それは食堂に片栗粉があるだろう。あとは枠付きののし板を作った。10枚と数えるのがいいのか。とにかく10個作った。

 よしよし、準備万端だ。


 餅米は収穫できて、脱穀、籾摺りを終えて、一部はもう精米してあるはず。食堂で蒸してもらおう。餅を作るので餅米を蒸してくれと食堂に頼みに行ったら興味津々だった。餅米は蒸す分だけ、一晩水につけた状態にした。


 醤油と味噌はイヅル国からもらってきた作り方を見て、二百人衆が何回も試作を重ねて、この頃やっと美味しいものが出来たので、つきたての餅に醤油をつけて食べても良し、雑煮でも良し。美味しそうだ。

 ふむふむ、楽しいね。


 泉の広場に臼を並べる。蒸した餅米が届いた。

 臼と杵を湿らせて、餅米を臼に入れてもらった。

 合いの手を入れる人のための湯と杵のための湯を用意した。

 まずは杵で少しこねる。

 合いの手は二百人衆に頼んだ。手をお湯で濡らして、ついて広がった餅を中に折り込むようにしてもらう。


 さあやるぞ。

 ぺったん、ぺったん、ぺったん、ぺったん。

 飛んできたぞ。三人組と新三人組。

 ぺったん、ぺったん、ぺったん、ぺったん。


 三人組は自宅に入ってすぐ人化してきた。アカも人化した。

 ブランコが杵を持つ。待てよこいつらの馬鹿力では臼と杵が壊れてしまう。あわてて保護をかける。


 「ブランコ、力は入れすぎてはダメだよ。僕と同じくらいの力でやるんだよ」

 ブランコが僕の反対側に行って交互に搗きはじめる。

 ぺったん、ぺったん、ぺったん、ぺったん。

あっという間に搗きあがる。


 気づくとみんな周りに集まってきていた。

 エスポーサもステファニーさんもマリアさんもオリメさんもアヤメさんも、二百人衆もみんな集まった。


 まずは食べてみよう。ちぎって醤油をつけて食べる。美味い。

 「これは餅だよ。食べてみて」

 みんな手を出す。あっという間になくなった。

 「じゃ、今みたいにやってね」


 食堂から次々に蒸した餅米が届く。

 みんなで交代しながらぺったん、ぺったん。

 臼も杵もフル回転。


 ひととおり醤油をつけて食べてもらった。その後は片栗粉をふったのし板についた餅を置いて伸ばして平にして、のし餅を作った。

 餅は少し硬くならないと切れないから少し硬くして切った。切った餅は食堂に持っていった。


 「お昼は餅を煮た雑煮だよ」

 二百人衆が広場にテーブルを並べる。

 食堂から雑煮が入った寸胴鍋がいくつも届く。料理をしていた人も仕事をしていた人も遊んでいた子供も皆集まって、二百人衆が装ってくれた雑煮を食べる。


 餅が伸びるのでびっくりしている。

 立食だからみんなでわいわい話をしながら食べる。僕のところにもアカのところにもみんな話しに来る。美味しい。楽しいな。


 食べ終わって話の続きをしばらくしてお茶を飲んで、餅つき大会は終わり。

 みんなにごちそうさまを言われ、「シン様と何時何時までも」の大合唱が湧き起こる。

 「また全員で餅つき大会をやろうね」


 のし餅は一家に一枚ずつ持って帰ってもらった。

 スパエチゼンヤにいる二百人衆にも餅を一家に一枚、醤油と一緒に収納にプッシュしておいた。余った餅は収納しておいた。

 皆満足して散会となった。

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