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目覚めた世界で生きてゆく 僕と愛犬と仲間たちと共に  作者: SUGISHITA Shinya
第四部

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332/499

332 ジェナ達と砂漠の毒生物 & 訳あり集団を発見 追っ手と遭遇する

 「お昼だよー」

 マリアさんが呼ぶ。

 ジェナは食いしん坊だからすぐ戻ってくる。両手にスコーピオンを持って。プリメーロとプリメーラは1匹づつ持っている。スコーピオンが項垂れている。


 「おとたん。たべる?」

 「食べません」

 「熱いお風呂に入れる?」

 「入れません」

 前にも思ったが熱湯で赤くなるかちょっとやってみたかった。


 プリメーロとプリメーラは大きさを比べ出した。鋏と尻尾の先をもってぐいっと背伸びさせている。ちぎれるぞ。涙を流しております。なんだかかわいそうだねえ。

 「もう離してやれば。大きさは引き分けだ」

 「おとたん、ジェナのは」

 「引き分け。だからみんなポイしな」

 砂の上にポイしました。


 スコーピオンは手近なアヤメさんにかかっていきます。

 アヤメさんが暗殺針を出しました。スコーピオンは負けたという態度だ。尻尾を下げて鋏は閉じて、周りを見渡すと、気がついたみたいだ。ここは化け物の巣窟だーと心の声が聞こえる。失礼な。

 必死になって砂漠を逃げて行く。


 ところで、みなさん。ポケットが膨れているが。

 「おとたん、これ捕まえた」

 3人が毛むくじゃらなスパイダーをポケットから出す。

 「それも食べないから捨てな」

 みなポイした。

 スパイダーも化け物だーと逃げていった。まったく失礼な奴らだ。


 もう持っていないだろうね。

 「ジェナ、出す」

 蛇が出て来た。

 「1匹しかいなかったから、プリメーロちゃんとプリメーラちゃんはないの」

 「そうなの。わかったからそれもポイだよ」

 蛇は食えるかな。

 ジェナがポイした。ヒエーーー食われるーと逃げていった。本当に失礼な奴らだ。

 ゲテモノは食べません。ちゃんとした食事のみです。


 「ジェナちゃんはどうやってああいうのを見つけるの?」

 オリメさんが聞く。

 「あのね。向こうから寄ってくるの。鋏をチョキチョキして、尻尾をあげて嬉しくて寄ってくるの」

 プリメーロとプリメーラがうんうんと頷いています。それは違うと思うぞ。


 「それでね。鋏で指を掴んで、尻尾の先の針でこちょこちょくすぐるの」

 プリメーラよ。それも違うと思うぞ。


 「あのけむくじゃらもくすぐってくるよ」

 プリメーロよ。それも違うと思うぞ。


 「蛇は口を開けて、お口でこちょこちょするの。くすぐったくて面白いから、プリメーロちゃんとプリメーラちゃんにもやってもらったの」

 「「くすぐったかったー」」


 アカがあんな不味そうなものを捕まえてはダメよと申しております。全くその通りです。不味そう。


 エスポーサが、あれではブランコの骨継ぎの練習にならないからもっと大きいものを捕まえてねとおっしゃっています。ブランコもうんうんと言っている。ドラちゃんとドラニちゃんは大きいのは美味しいと言っています。

 わかったーと言っていますが。

 発言者以外の人はみんなため息をついています。なぜだろう。至極真っ当な意見です。


 昼食が済んで三人のお昼寝の時間だ。三人はブランコに寄りかかって寝てしまった。

 ドラちゃんとドラニちゃんは観察ちゃんを乗せて見回りに行った。

 いつもの配置で寝るけど、ドラちゃんとドラニちゃんがいない。お腹の周りがスースーする。お狐さんが来た。どうしたの?今日は天気が悪くて子供が来ないから来たとおっしゃっています。ちょうどいい。お腹の上で丸くなってもらった。うん。具合がいい。


 30分もしないうちに三人が起きた。昼前に寝たからお昼寝は少しらしい。

 それじゃ行こうかね。お狐さんは天気が回復して子供が来そうだと、ジェナとプリメーロとプリメーラをペロッとして三人に抱きつかれて少し遊んで帰って行った。

 「プリメーロとプリメーラは初めてだっけ。お狐さんだよ。仲良くしてやってね」

 「ブランコお兄ちゃんと同じ匂いだよ」

 プリメーラは鋭い。

 「そうだよ。仲間だよ」

 「わかったー」


 見回り組も帰って来たから行こうかね。

 『シン様、シン様。これからいく方に訳ありらしい集団が歩いているよ。男女とお付きらしい人たちだよ』

 観察ちゃんの報告だ。

 「わかった。そっちにいくから追いつくだろう」


 川を渡って川沿いの道に出ます。楽しみだな。

 早速後ろから足音が聞こえます。


 「おい、お前たち。5、6人の歩いている人を見なかったか?」

 おい、お前たちもないだろう。誰も返事しないよ。そういう偉そうなことを言うと。

 「聞こえないのか、5、6人見なかったかときいている」


 「人に物を尋ねるときは、それ相応の口の利き方があるのを知らないのかしら」

 ステファニーさんだ。

 「何を生意気な」

 「よせ。失礼した。知ってたら教えて欲しいのだが、5、6人の旅姿の男女を見なかったか?」

 「知らない」

 にべもない返事だ。


 頭に血が上った人が半数だな。ナイフを抜いた。

 新三人組が小枝を取り出して構える。

 「小童が生意気に枝を構えているぞ」

 ゲラゲラ笑っているね。


 よせと言った男の顔色が悪くなって来た。

 「悪かった。悪かった」

 「ナイフを取り出した男たちはそうは思っていないようよ」

 男達はまだ笑っている。


 いつの間にか間合いを詰めた新三人組。ナイフを持って笑っている男たちに小枝を振るう。すぐ帰って来た。

 ナイフの刃が落ちる。服がパックリと口を開く。笑っていた男たちはナイフの柄をもって呆然している。


 「何か言うことあるかしら?」

 「いや、ない。申し訳なかった。おいいくぞ」

 男たちはキジールの方へかけて行った。

 少し先に行ったらこちらには来なかったと気づいて引き返してくるだろうね。僕らは逃げている人たちに事情を聞きますかね。

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