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目覚めた世界で生きてゆく 僕と愛犬と仲間たちと共に  作者: SUGISHITA Shinya
第四部

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329 道場 ロシータさんの出産 みんなの会館 野外劇場など

 さて、道場はどうなっているのだろう。見に行こう。

 やってるやってる。オリメさんのところの縫い子さんもいるね。全員参加らしい。なかなか皆さん様になっている。縫い子さんもお喋り専門かと思ったら、よく振れている。大したものだ。

 プリメーロ、プリメーラもいる。ジェナもいる。大丈夫か。観察ちゃんがいるか。ジェナはちゃんと周りの力に合わせられるようになった。えらいえらい。

 アカが親バカだと申しています。いいのいいの。


 ドラちゃんとドラニちゃん、ブランコもいるぞ。僕のやった棒を振っている。手加減はしているようだ。楽しそうだね。今度道場に棒も揃えておいてやろう。棒術なども面白そうだ。


 マリアさんは大人に稽古をつけている。二百人衆は本気でかかっているが軽くいなされてしまう。ステファニーさんも剣を振っている。鞭ではないぞ。こちらも二百人衆を軽くあしらっている。


 エスポーサもいる。救護班らしい。薙刀を持っているから教官兼だろう。

 いやあ、二百人衆は大人も子供も強くなるね。恐ろしいねえ。

 邪魔しちゃいけないからそっと立ち去ろう。


 『シン様、シン様。ロシータさんが難産だよ』

 観察ちゃんです。難産なんてどこで覚えて来たんだ。ゴードンさんが部屋の外で心配してウロウロしていると言っています。

 アカに行ってもらおう。アカが人化して転移して行きました。


 難産だからこちらに連れてくると言うので産院を作った。

 控え室付き個室を五つ作った。陣痛、分娩、回復まで一部屋で過ごしてもらおう。必要ならアカかエスポーサについていてもらう。


 二百人衆は基本的に病気をしないから今まで考えたことはなかったが、お産は周りも大変だから、世話する人をつけた産院を使ってもらえば楽かな。お産に慣れた人をつけようかな。それはステファニーさんに振ってしまおう。


 アカが転移して来た。ロシータさんは横になって宙に浮いている。これなら妊婦が移動しても負担がかからないね。そのまま宙を滑って個室に入ってもらった。アカが付いているから大丈夫だ。ゴードンさんとリリアナちゃんは観察ちゃんが転移で連れて来た。個室と繋がった控え室に入ってもらった。


 僕はとりあえずステファニーさんに世話をする人一人つけてくれるように頼んだ。すぐベテランお婆さんを送ってくれた。お婆さんと言っても二百人衆だからね。線指輪のお婆さんだ。体力、気力とも人外だからね。


 ロシータさんは逆子だった。アカが中の赤ちゃんに話しかけてアカも手伝って位置を直したんだそうだ。それからはすんなりお産となった。よかったよかった。男の子だ。ゴードンさんもリリアナちゃんも大喜びだ。


 早速祝福を頼まれた。名前はつけてあって、リオンだそうだ。

 アカがいつもの祝福セットを出す。

 「君はリオンだよ」

 体が光る。

 ポタポタ唇に水を垂らすともぐもぐやってまた光る。

 手を出すね。線指輪をしてやる。からだが光った。

 「健やかに成長するんだよ。幸あらんことを」

 赤ちゃんに手を置いて祝福した。

 ロシータさんに手を向け、

 「よく回復するように。お乳がよく出るように」

 ゴードンさんにお礼を言われた。

 リリアナちゃんは弟ができて嬉しそうだ。


 世話をしてくれる人はゴードン一家と顔見知りだからすぐ打ち解けた。リリアナちゃんはお婆ちゃん、お婆ちゃんと言っている。大丈夫そうだから任せてアカと引き上げた。


 ゴードン一家は一週間ほど産院にいてその後観察ちゃんがスパエチゼンヤの宿舎に送って行った。


 それ以後、二百人衆もお産を産院で行うようになった。手伝い要員も何人かリストアップされていてお産があると交代で付き添って世話をしてくれるので楽ということになったらしい。家に手があっても産院にみんなで来てお産をするようになった。そういう場合は手伝いは不要だ。


 妊婦さんは情報交換をしたいみたいだ。産む前でも産院のホールで情報交換を始めた。へえそうなの。じゃ産院にくっつけて、ホールと談話室をいくつか作った。

 そうか今まで談話室もなかったのね。宿舎のエントランスホールで話をしていたりしたのか。


 会議棟?談話棟?講堂?児童館?そんなものを一棟作った。小部屋を10室、少し大きな会議室、サロン?、子供が遊べるスペースも作った。舞台付きの大きな部屋も作った。こちらは管理施設ではなくみなさん気軽に自由に使って貰えばいい。みんなの会館だ。子供も連れてきて遊べる様にした。名前は何でもいいや。大人も子供も楽しく使ってもらおう。管理は自分たちでやってもらおう。


 思いついた。野外劇場を作ろう。半円形のすり鉢状にして、座席を作り、一番下にステージだ。規模は小ぶりだ。500人規模でいいか。アカがメーメー、モーモー、コッコ、ベーベー、バトルホース、小鳥達がくるからもっとと言います。座席500人分、後ろに芝生席でどうだ。いいんじゃないとのことです。ステージの後ろに楽屋が必要だな。舞台道具を置く場所も必要だ。


 野外劇場のための丘を作って野外劇場を作った。丘の上からは湖も畑も砂丘も見渡せる。丘の上に遊びに来てもいいな。花の咲く木を植えておいてやろう。花がさいたらベントーを持って花の下で食事だ。みんな花見を楽しんで貰えばいい。


 よく出来た。必要なら野外劇場をスパエチゼンヤにも作ろう。

 早速二百人衆が使うと言うので、エチゼンヤさんを呼んで野外劇場を見てもらおう。ドラちゃんとドラニちゃんがエチゼンヤ夫妻を呼んできた。


 ステファニーさんとマリアさんが故郷の歌を歌って二百人衆が涙している。子供はポカンとしている。

 次はリュディアで覚えて来た歌を披露する二百人衆。エチゼンヤさん夫妻も一緒に歌っている。

 演劇もありだ。メーメーが出演した。途中からモーモー、コッコ、バトルホース、ベーベー、小鳥たちが我も我もと乱入して大混乱。エチゼンヤさん夫妻も大笑いだ。


 最後は「シン様と何時何時までも」の大合唱だ。

 汗が流れる。誰が作ったんだ?アカがプリメーロ、プリメーラからおじいちゃん、おばあちゃんまでみんなで作ったんだからいいんじゃないとおっしゃっています。押し切られた。

 エチゼンヤさんからはぜひスパエチゼンヤにも野外劇場を作ってくださいと頼まれた。


 その日は夕食を一緒に食べて四方山話をしてドラちゃんとドラニちゃんがエチゼンヤ夫妻を送って行った。勿論向こうでお茶菓子をもらったにちがいない。


 夜スパエチゼンヤに行って、10000席の野外劇場を作った。吟遊詩人などが使えばいいよね。演劇でも歌を歌ってもいい。劇場に観客が溢れるようになると嬉しいな。

 あれ、楽器がない。作ろうかと思ったけど介入するのはやめよう。花街にはあったし。この世界独自の音楽が発展すればいいよね。


 一夜明けて、巨木に挨拶に来た銭湯の客は、広場の向こうに野外劇場が出来ているのにびっくりした。劇場脇に使用料無料。使用申し込みはエチゼンヤスパ支店までと立て看板が立っていた。


 早速吟遊詩人が使い始めた。声は観客席の後ろまでしっかり届くし、座って見られるから大評判になった。吟遊詩人だけでなく劇団もステージに立ったり、一般人が歌のコンテストを始めたり、連日大賑わいになった。


 劇場前とエチゼンヤ本店前に10日分の演目が張り出されていて、それを見てお目当ての演目を見にくる客も増えた。


 国王一家も宰相も時々見にくる様になった。花街の女将さんもフロランスちゃんを連れて見に来た。役人もくる。


 わざわざ野外劇場で歌ったり演じたりしたくて遠くから魔物、盗賊をものともせず来る人たちもいる。


 終演後に観客と出演者で「シン様と何時何時までも」の大合唱をしてから帰途につくことが恒例となった。国王夫妻が来ても同じ。最後は「シン様と何時何時までも」を国王夫妻も観客、出演者と一緒に歌って帰途につく。

 遠方から来た人たちも野外劇場をシン様が作って無料で供用されていると聞いているから抵抗なく大合唱に加わった。


 エチゼンヤは野外劇場の観客のための宿泊施設も建設し益々大忙しになるのであった。

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