表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
目覚めた世界で生きてゆく 僕と愛犬と仲間たちと共に  作者: SUGISHITA Shinya
第四部

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

312/499

312 市場に行く 金ピカ我儘青年とトラブる

 それでは市場に行きましょうか。

 あれ娘さんがやって来た。

 「食事はどうします?これから昼食ですが」

 「いただきます。この人数で大丈夫でしょうか」

 「大丈夫です」

 「それとしばらく逗留したいのですがいいでしょうか」

 「どうぞ、いくらでもお泊りください。では下の食堂へお願いします」


 「いくらでもお泊りくださいなんて気前がいいわね」

 ステファニーさんが気が付く。

 「岩塩のことを教えてやったんだよ」

 「マリア何か知ってる?」

 「そうねえ。特に変わったことはなかったけど」

 「ふううん。美人だわね」

 「なにもありませんから。ただの泊まり客です。食堂に行きましょう」

 「まあいいわ」


 食堂は広かった。僕らの他に10人ほど先客がいた。従業員に中庭に近い席に案内された。

 料理はポロポロとした小麦粉の塊のようなものに煮た野菜が載っている。緑の回廊は畑があるから新鮮な野菜を使っていることはわかった。

 美味しいかというと、野菜の煮物と思えばいいか。夕食は自前にしよう。僕らはみんな完食はした。


 では事務室に断って出よう。

 「市場へいって来ます。夕食は外で食べて来ます」

 「はい、いってらっしゃい」


 市場についた。金ピカ我儘青年はいるかな。期待してはいけないな。

 オリメさんとアヤメさんは生地を見に行った。マリアさんとステファニーさんは洋服の完成品を見に行った。両方ともいつもの行動だ。エスポーサはジェナを抱っこしてブランコとドラちゃん、ドラニちゃんで屋台を見に行った。誘拐騒ぎを起こされては面倒と思ったらしい。

 結局残ったのは僕とアカだけだ。アカを抱っこしてぶらぶらします。


 いたいた。金ピカ我儘青年。取り巻きとステファニーさんに近づいて行きます。

 「そこのお姉さん、遊ばない?」

 無視していますね。取り巻きがムッとしています。

 「おい、坊ちゃんが話しかけている。聞こえないのか」

 「うるさいわね。何か用?」

 「坊ちゃんが」

 「坊ちゃん?どこにいるの?どこにもいないわ」

 「こちらだ。どうだ、坊ちゃんだ」


 「趣味悪。ぽっと出の田舎者、にわか成金ね」

 「なんだと」

 「にわか成金が怒ったかしら。だから嫌われるのよ」

 「なんだと。言わせておけばいい気になって」


 「だったらどうなのよ」

 「こうするんだ」

 殴りかかったよ。よせばいいのに。

 「痒いわね」

 「痛ってえ。痛ってえ。拳が、拳が」


 「坊ちゃんに何しやがんだ」

 「何もしてないわよ。みなさん見てたでしょう」

 「ああ。何もしてないぞ。殴って自分で痛がっているだけだ」

 「そうだ。そうだ」


 「みんな見てるじゃない。そこの金ピカ我儘青年が私を殴って痛がっているだけよ。自業自得だわね」

 ステファニーさんやるねえ。面白い見ものだった。


 「やっちまえ」

 金ピカ我儘青年が声をかけるが、取り巻きはステファニーさんにニコリとされて後ずさる。

 「買い物の邪魔よ。とっとと家に帰りな。“坊ちゃん”」

 拳が腫れているね。骨が折れているのだろう。殴って自分の拳の骨を折るとはご苦労なことだ。まさに骨折り損だな。

 笑い声に見送られて金ピカ我儘青年と取り巻きが退場した。


 オリメさんとアヤメさんは大量買いだから市場から隊商宿に移動したと観察ちゃんが言っています。あれ、お金はどうしたのだろう。オリメ商会の売り上げが膨大だから資金は潤沢。砂金に換えて持参している。そうですか。


 我が食いしん坊部隊はどうしたかな。いたいた。屋台で何か食べているよ。小麦粉に野菜などを入れて平らに焼いたものだね。初めてみた。これだから屋台は面白いな。

 ジェナにはエスポーサがフーフーして食べさせている。お金はどうしたのだろう。え、エスポーサデザインの幼児服がバカ売れでデザイン料が入ってくるの?知りませんでした。ジェナが着ているのもエスポーサデザインのオリメ、アヤメ製なの?へえ。

 ブランコとドラちゃんとドラニちゃんには見回り代が入ってくるの?遊びじゃなかったの?へえ。知りませんでした。みなさん稼いでいます。いいことです。

 それにしても観察ちゃんは詳しい。


 それで僕は何をしているかというと広場でアカを抱っこして人混みを眺めているのです。これでも仕事ですよ。仕事。ほら視界の隅に悪い方々が現れました。チンピラだな。金ピカ我儘青年の家に行くみたいと観察ちゃんが申しています。何人も観察ちゃんがいるらしくて映像が途切れませんね。金満屋敷に入っていったぞ。面白い。

 みんなが帰ってきた。あとで観察ちゃんに聞こう。


 オリメさんとアヤメさんは生地を宿に届けてもらうことにしたそうだ。マリアさんもステファニーさんも帰ってきた。エスポーサとジェナ、三人組も帰ってきた。それじゃ夕食にしよう。何処で食べようかな。人が来ない川向こうの砂漠だな。誰か見ていても印象が薄く、記憶に残らない様にして転移した。


 ベーベーはもう夕食をもらったようだけど、厩舎にいる雰囲気を残して転移させて一緒に夕食です。

 神国の料理ですよ。フルコース。美味しいな。みんなも満足して食べ終わって、エスポーサとマリアさんがお茶を淹れてくれます。

 お茶を飲み終えたら観察ちゃんが連絡してきてくれました。金満一家が因縁を付けにきているらしい。娘さんが頑張っているみたい。それでは急いで戻りましょう。


 宿の入り口あたりに転移。ベーベーは厩舎に戻した。少し暗くなっているからね。誰も気が付かないだろう。事務室に顔を出します。いますね。金ピカ我儘青年と取り巻きと、さっきのチンピラ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ