304 城壁都市ディースにて 市場から戻る途中姐さんたちが遊び宿で夕食にする
宿にはバラバラに帰ることにした。僕はアカと最初に帰ります。観察ちゃんの中継が面白そうだからね。
エスポーサとマリアさんとステファニーさんがどんどん人気のない方に歩いていく。誰もいないところまで歩いていった。ネットリ五人男たちは首を捻りながら、出て行く。
「そこのお姉さん、俺たちと遊ぼうぜ。俺たちが遊んだあとは闇に流すから俺たちの小遣いになってくれ」
「遊びたいというご希望ですから遊んで差し上げましょう。ただし闇に流すというのは聞き流せませんね」
ステファニーさんが鞭を一振り。黒い光跡だ。
「神聖鞭だ。黒い光を引いている。本物だ。逃げろ」
「有名になったようね」
男が逃げると足首から先が忘れ物だ。悲鳴が響く。
残りの男が逃げる先にはマリアさんとエスポーサ。
「使ってみたかったのよ。薙刀。武器はあると使ってみたくなるわね」
スッ、スッと男の足首の上あたりを切り払う。男は斬られたのがわからない。横に逃れようとする。動けたが足首から下は置いてけぼりだ。足をついて飛び上がった。悲鳴をあげて倒れる。
「観察ちゃんの真似」
「じゃ私も」
マリアさんがロングソードを取り出す。
「人呼んで光跡剣、参る」
スッ、スッと男の足首の上あたりを切り払う。
全く同じ。足首から先を残して男が悲鳴を上げる。
二人残った。
「まだ遊ぶ?」
ステファニー姐さん。
「いいえ。もう十分遊んでいただきました」
「そう。つまらないわね。お友達の足を片付ける人もいるわね。片付けておいてね」
「はい」
あーあ、宿に帰る前に中継は終わりだよ。宿まで持たなかった。
宿についた。
「ただいま」
「お帰りなさいませ」
あれ、やけに丁寧だ。
「今日は僕らの他に泊り客はいますか?」
「いえ、いません」
「そうですか。布を大量に買い付けたので業者が持って来ます。一悶着ありそうですが片付けます。また夜中に招かざる訪問者があるかもしれません。僕らが対応しますのでお休みください。もし何か壊れたら修理しておきます。明日の朝までに綺麗にしておきます」
「よろしくお願いします」
あれ、あれ。どうしたのでしょう。アカが感づいたのでしょうとおっしゃっています。なんだか悪党になった気分です。
オリメさんとアヤメさんが帰って来ました。続いて三人組とジェナ、お狐さんと観察ちゃん。最後にお姐さんたち。
今日は楽しいな。夕食はこちらで食べよう。
中庭を使っていいか確認しなくてはね。
「すみません」
「はい。なんでしょうか」
「中庭で夕食をしたいと思うのですが、使っていいでしょうか」
「どうぞお使いください」
「準備ができたらお呼びしますので一緒にどうぞ。何人でしょうか」
「今日は泊り客が少ないので通いの人は早めに返しましたので、家族3人と住み込み使用人3人の6人です」
「では用意できましたらお呼びします」
早速庭にテーブルをセットしようと思いますが、人数が増えた。何人だ?僕、アカ、ブランコ、エスポーサ、ドラちゃん、ドラニちゃん、お狐さん、観察ちゃん、マリアさん、ステファニーさん、オリメさん、アヤメさんで12人。宿の人が6人。おおすごい。18人だ。
それでは呼びましょう。二百人衆。
さっさとテーブルをセットしてくれました。カトラリー類もセット。庭に人の背丈のテント。宿の人を呼びました。
「どうぞお座りください」
二百人衆が案内してくれます。宿の人は目を白黒しています。
料理は小さなテントから二百人衆が運んできます。
「では皆さんの健康と益々のご発展を願い、乾杯」
「乾杯」
「今日は私の国の料理を持参しました。どうぞ」
おずおずと手を出す宿の人。娘さんが一言。
「美味しい。今まで食べたことない」
宿の人も食べ始めてくれました。
マリアさんとステファニーさん、エスポーサが5人に絡まれたと面白おかしく話してくれました。宿の人は心配そうです。
続いてドラちゃんとドラニちゃんがジェナ誘拐未遂事件の話をしてくれました。これがまた面白い。襲ってくるかなと期待しています。ますます宿の人は心配が募っているようです。
最後にオリメさんとアヤメさんが購入した生地を届けてくれることになっているけど、買った生地と違うものを持って来そうだと話してくれました。またまた宿の人は心配が増えたようです。
「あのう」
宿のおばさんだ。
「はい、なんでしょうか」
「そちら様はお狐様のように見受けられますがお狐様でしょうか」
「よくご存知ですね。イヅル国のお狐さんです。寂しいというので一緒にいます」
宿の人はありがたやありがたやと椅子から降りて拝み出した。お狐さんは周辺にも知られているらしいね。困っているぞ。助けてやろう。
「今はお忍びですから、お気になさらずに」
アウとお狐さんがおっしゃっています。
それからやっと椅子に座ってもらって宿の人にとって緊張の食事が終わった。
「それでは今日はゆっくり休んでください。その前に宿賃の精算をしておきましょう。これでいいでしょうか?」
屑石をいくつか渡した。
「これは、これではもらいすぎです。石一つでも一年ぐらい食事付きで泊まれます」
石を返されてしまった。
「それでは石一つ。また来た時泊めていただくということで」
おかみさんに石を押し付けた。
ぶつぶつ言っていたが受け取ってくれた。これで宿の改修ができるだろう。だいぶ傷んでいたからね。
宿の人が引き上げていく。
二百人衆が片付けをして帰っていく。
「ありがとう。おいしかったよ」
「ありがとうございます。いつでも呼んでください」




