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目覚めた世界で生きてゆく 僕と愛犬と仲間たちと共に  作者: SUGISHITA Shinya
第四部

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302/499

302 砂漠近くの城壁都市?ディースに寄る

 イベントが発生したので退屈しのぎになった。城壁都市?も近くなった。ブランコに小さくなってもらう。僕は歩きだ。


 入り口の門は大きい。真ん中が壁で出口と入り口が別になっている。それぞれベーベーに荷物を満載して2頭並んでも余裕が十分ある。上部はアーチ状になって城壁につながっている。つまり城壁に上部がアーチ状になった穴が空いているということだ。扉は分厚い板で作ってある。


 門のところに大勢順番待ちをしている。どこから出て来たのだろう。観察ちゃんが門が一箇所だから反対側の隊商路から城壁伝いに回って来た人たちだと教えてくれます。

 へえ、よく知っているね。あれ、キョトキョト始めた。お狐さんの影に隠れた。

 いいよ、いいよ。分裂して先に偵察に行ってくれたんだろう。

 『うん、そう。シン様大好き』。抱きついて来た。よしよし良い子だ。


 みんな呆れている。お狐さんは観察ちゃんの味方のようだ。

 城門から入るために並んでいたが、やっと僕らの番になった。


 「ようこそ、ディースへ。見かけぬ服装だがどちらから」

 「砂漠を越えて来ました」

 「こちらには何しに?」

 観察ちゃんが何か売り物を見せるとすぐ通れると言っています。

 「できればこれを売りたい」

 塩の小袋を見せます。

 「大変良い塩と見受けられます。良い商いが出来ますように」

 入っていいらしい。交易のための街なのかもしれないね。


 門を通りすぎると広い道路になっていた。

 街は土色だ。土だね。砂も入っている。藁も入っているようだ。雨が降らないのだろうな。金持ちらしい家にはタイルが貼ってある。


 小さな宿泊施設のようなものがたくさん並んでいる。その先に大きな隊商宿があった。構造は砂漠の隊商宿と同じ。周りを囲って、囲いに沿って倉庫、ベーベーの厩などがあり、2階が宿舎、中庭に大きな四角い池がある。一階に大きな事務室のようなものがあると観察ちゃんが教えてくれます。


 元々この隊商宿だけだったのかもしれないね。しっかりした高い壁で囲まれているが今はそこまでの高さ、頑丈さは必要なさそうだ。だんだん発展して、大きな街になって外側に城壁と門を作ったんだろう。街を囲む城壁の門が一つなど発想が隊商宿と同じだ。

 隊商宿の隣が大きな市場だ。あとで行ってみよう。


 僕らは隊商ではないので、引き返して小さな宿を探した。客引きがすごい。

 観察ちゃんがこっちこっちと案内する。大通りをひとつ入った通りにいくつか宿がある。


 観察ちゃんに一つの宿を案内される。この通りには客引きもいない。常連客が主な相手なのだろう。

 門から中に入ると小さな中庭があり、水が張られた水飲み場がある。周りは回廊になっていて、ベーベーの厩、倉庫、事務室などがあった。2階が宿泊施設のようである。小さいながらも隊商宿と構造が同じだ。入り口近くの事務室に顔を出す。


 「こんにちは」

 「いらっしゃい」

 女性が迎えてくれる。いかにもお母さんという感じだ。おばさんだ。

 「泊まれますか」

 「泊まれますよ。ええと4人部屋2室でいかがでしょうか。食事はどうしますか」

 「部屋はそれでお願いします。食事は外で食べます」

 「わかりました。ベーベーは立派ですね。見たことありません」

 「ありがとうございます。よく働いてくれます」

 「部屋に案内させましょう。そちらの犬と、オオカミさんもおとなしそうで利口そうだから連れて行っていいですよ」

 「ありがとうございます」


 ブランコが利口そうと言われて尻尾を振っている。おかみさんは動物好きなのだろう。撫でている。

 ベーベーは男の人が連れて行った。

 ベーベーの積荷をおく部屋は一部屋は無料らしい。

 お狐さんと観察ちゃんは隠れている。見当たらない。


 部屋に案内してくれる人は、娘さんだろう。歳をとればおばさんにそっくりな顔になるだろう。

 「こっちです」


 2階の部屋に案内された。簡素な部屋にベッドが4つあり小さなテーブルがあるだけだ。窓は換気用の窓のみ。暑いからだろう、みな扉が開いている。夜も閉めないのだろうな。

 元々ドアなんてなかったんじゃないか。外に面した窓は人が侵入できない換気用の窓、内側は部屋らしくただ区切っただけだったのだろう。その代わり宿の入り口の扉は頑丈そうだ。

 そのうちドアをつけたが、窓の改修費がなかったんだろうな。暑くてドアを閉められず開け放しになっているのだろう。なじみ客だけだからいいのか。

 観察ちゃんがなぜ案内したかわからないが、きっと何か理由があるのだろう。


 さて部屋を確認したから市場にいきましょうか。部屋割り?そんなものはどうでもいいんです。どうせ夜は居ないんですから。


 まずはおばさんから情報を仕入れましょう。事務室に戻ります。

 「すみません」

 「なんでしょう」


 「ここは市場でものを買うときに支払いはどうするんでしょうか」

 「砂金か塩か物々交換だね」

 「これはどのくらいの価値があるでしょうか」

 小さい袋の塩を見せる。

 「どれ」

 おばさんが袋をあけて目を見開いた。すこしなめてさらに目を見開いた。それ以上開かないぞ。


 「これは何処で?」

 「この先の砂漠を越えていくつか先の国で先ほど発見した岩塩です。ここまで出回るには時間がかかるかもしれませんね」

 「どのくらい発見されたのでしょうか」

 「まず無尽蔵でしょう」


 「取引はどうなっているのでしょうか。何処で入手できるのでしょうか」

 「ラシード隊商が扱っています。ラシード隊商は寄りますか?」

 「ラシード様をご存知でしょうか?」

 「ええ、まあ。この頃知り合いになりました」

 「私の旦那がラシード様の隊商の隊員でした」

 「へえ。それは世間が狭いというか」

 「旦那を呼んできて」

 事務室で働いていた娘さんに声をかけた。

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