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目覚めた世界で生きてゆく 僕と愛犬と仲間たちと共に  作者: SUGISHITA Shinya
第四部

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289/499

289 助けた大君の姫を送る イヅル国を歩く

小説家になろうさん、本日メンテのためその前に投稿しました。明日よりいつも通り15時掲載です。

 朝、テントを片付けて簡易スパ棟に戻ります。ホールで朝食です。


 人数が増えたね。何人だ。誘拐された人はコマチさんを入れて9人、バトルホースに二、三人づつ乗ってもらえばいいか。4頭。マリアさん・ステファニーさん、オリメさん・アヤメさんはベーベーでどうか。僕はジェナとアカでバトルホースだ。エスポーサはブランコに乗ってもらう。ドラちゃんとドラニちゃんは自由。


 バトルホースを5頭だな。エスポーサに迎えに行ってもらった。すぐ5頭連れて戻ってきた。


 誘拐された9人は、コマチさん、大店のお嬢さん、山里の人は馬に乗れるそうだから、乗れない人は乗れる人と組んでもらった。マリアさん・ステファニーさん、オリメさん・アヤメさんはベーベーに乗ってもらった。エスポーサはブランコ。僕はジェナを抱いてアカとバトルホース。ジェナがふわふわとエスポーサの腕の中へ。ブランコとエスポーサが嬉しそうだ。オトタンは。アカがこれでいいのと言っています。そうですか。


 では行こう。

 ブランコが先頭、次がベーベー、誘拐された人を乗せたバトルホース、殿は僕だ。

 ブランコがいつものようにウオンと言って出発。最初はゆっくり、みんなの調子を見てだんだん速く走る。森の空気が気持ちいい。エスポーサがバリヤを張ってくれているから小枝などが僕たちを避けているように見える。ベーベーも余裕でスピードに付いていく。バトルホースは揺れないように走ってくれているらしい。天馬だった。地上を直接蹴っているのではないらしい。程なく森を出た。休憩だ。


 シャワー棟を出す。まだ昼にもなっていない。

 緩やかな平原だ。所々に集落が見える。家々の風が当たるだろう面には防風林だろうか木が植わっている。今まで見てきた国とは明らかに人の住み方が違う。まだ分からないが、一軒一軒が離れた緩いまとまりの集落がパラパラとあるようだ。家の周りに畑がある。驚くべきことに人が一人、二人と畑仕事をしている。


 魔物や侵略者がいないのだろう。そういえばアレシアス王国からこっち、魔物は見ていないな。


 「これは別世界のようだな。なんというか、イヅル国は長閑だ」

 オリメさんやアヤメさん、別大陸出身のマリアさん、ステファニーさんさえも驚いている。


 「私はこれが普通と思っていました。囚われて外に行ってみて違いにびっくりしました」

 コマチさんが発言すると誘拐されて国外に行った人は頷いている。


 休憩が終わり、歩いて耕作をしている人に近づく。

 「すみません。サイトかトウケイに行きたいのですがどちらでしょうか」

 「遠くから来なすったようだね。サイトはこの道を真っ直ぐ2、3日歩いたところだ。トウケイはその先だからサイトで聞いてくだされ」

 「ありがとうございました」


 ほんとにぱらぱらと人がいる。驚かせるといけないからゆっくり行こう。人の目が途切れることがなさそうだ。これでは誘拐も難しかったろう。間道、山道を苦労して歩いたんだろうな。思わず犯人に同情した。


 ポクポクとゆっくり行くより仕方ないか。

 ポクポク、ポクポク、ポクポク。眠くなる。

 ドラちゃんとドラニちゃんはあっちの畑、こっちの畑に行って耕している人に愛想を振りまいて何かもらっているらしい。しょうがないやつだ。おや、ブランコは涎が垂れている。こちらもしょうがないやつだ。可愛いからいいけど。


 何処で休憩しようかな。休憩する場所がない。困っていると近所のうちの庭でわらで編んだ敷物、筵だね。筵を敷いて作業している人が手招きしている。


 「旅人さん。お茶でも飲んでいかんかね」

 ドラちゃんとドラニちゃんが飛んでいった。ブランコも続く。ほんとにしょうがない子だね。

 僕たちも呼ばれることにした。

 人数が多いから申し訳ないね。


 奥さんが家の中に入ってお茶を持ってきてくれた。お茶請けは、漬物だ。白菜と言ったっけ。その漬物。

 お茶は、これは緑茶だ。


 「この白菜は、よく漬かっていますね」

 「おお、旅人からその言葉を聞けるとは思っても見なかった。国は何処かね」

 「ここからだいぶ遠い国です」

 「そうかい。それでも漬物がわかるのかい」

 「はい、美味しいです。もう少しすると酸っぱくなってしまいそうですが、今が一番美味しいと思います」

 「そうかい、そうかい。坊っちゃんよく分かるね。もっと食べてくれ」


 「このお茶も、渋みの中に甘みがあり、コクがあって美味しいです」

 「そうかい、そうかい。坊っちゃんもこのお茶が好きかい。香りとか色とか喜んでいる人がいるが、お茶はやっぱり味だな。渋みと甘み、コク、新茶のツンとした刺激、たまらないよ」

 「そうですね。一番美味しいと思います」


 「お茶っ葉を入れ替えるから待っていな」

 「もう行きますから」

 「まあ待て待て。すぐお茶を淹れる」

 「お嬢ちゃん、厠はあそこだ。自由に使ってくれ」


 結局かなりの時間お茶してしまった。

 去り際に市場で買ったリンゴを進呈した。

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