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目覚めた世界で生きてゆく 僕と愛犬と仲間たちと共に  作者: SUGISHITA Shinya
第四部

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286/499

286 助けた大君の姫を送る 助けた娘さん3人の世話をする

 ええと、それでは誘拐された5人の救助に向かいますか。

 まずはみんなと5頭のベーベーでさっきの20頭のベーベーのところに転移した。それから僕らとベーベー全頭を砂漠から森に入った最初の休憩場所まで転移さた。


 休憩場所に移動用簡易スパ棟を出す。誘拐された人はスパ棟が出て来たので目を回している。マリアさん、ジェナ、オリメさん、アヤメさん、エスポーサに任せよう。コマチさんもいるしね。


 ステファニーさんはさっき鞭が振れなくて不満のようだから連れて行きます。面倒見が悪いというわけではありませんが。ま、人も色々です。だから面白いのです。

 「じゃ行ってきます」

 おっと、その前にアカとステファニーさんと三人組でまずは25頭のベーベーを確認しよう。


 マリアさん達が目を回している女性たちを移動用簡易スパ棟に運び入れる。ソファーに横たえると目を覚ました。ヒッと声を立てて誘拐された者同士で固まる。


 「皆さん、大丈夫ですよ。イヅル国の方ですね。私はコマチです」

 「姫様?」

 「そうです。私も誘拐されましたがこの人達に助けられました。国へ送ってもらう途中です」


 「家へ帰れる」

 泣き出した。

 しばらくして落ち着いた。


 オリメさんが聞いた。

 「皆さんのお家のお仕事は何でしょうか」

 「私は商家の娘です。サントモ商会と申します」

 「私達はお嬢様付きの女中です」

 「サントモはイヅル国一の大店です」

 姫様が教えてくれました。

 「そうですか。分かりました」


 「まずお風呂に入ってもらいましょう」

 マリアさんがジェナを抱っこし、三人とコマチさんを連れてお風呂へ。


 「エスポーサさん、私とアヤメを裁縫棟まで送ってくれますか」

 エスポーサが転移で送っていった。


 裁縫棟ではのんびりしていた縫い子さん達が、オリメさんとアヤメさんが戻って来たので慌てている。


 「始めましょうか。私がお嬢さんの分を作ります。アヤメは縫い子を使って女中さんの分をお願いします」

 言うが早いか、布を取り出し裁断を始めた。


 アヤメさんが仕事ですよと縫い子を呼び、サラサラとデザイン画を描いた。

 「この服を二着作ります。布を裁断しますのでみんなで一着縫ってください。できるところまでで良いです。丁寧に縫いましょう」


 アヤメさんが布を取り出し二着分裁断した。同じ物らしい。多少色が違うくらいだ。

 一着分渡されて縫い子が仕事にかかる。上下に分かれているからみんなでやるには都合が良い。


 オリメさんははや仕上にかかっている。コマチさんの服はやや格式がかっていたが、こちらはくだけた上流街娘風だ。


 アヤメさんも一着仕上げた。こちらは女中さんだ。縫い子も一生懸命やっているが二人には到底追いつかない。でもどこに出しても超一流の縫い子だろう。人の域は超えている。

 やや時間がかかったが、縫い子さんの分も仕上がった。アヤメさんが点検し、オリメさんが手に取る。


 「いいでしょう。よくできました」

 縫い子さんは嬉しそうだ。


 「近々何着か作りにきます。今日のデザインの服は遠くの国の服です。今度作ると多分もう作ることはないかも知れませんが、よく研究しておいてください」

 人化したエスポーサが迎えにきて、みんなで転移していく。縫い子さんは座り込んでしまった。


 「疲れたー」

 「どこの国の服なんでしょうね」

 「少しスパエチゼンヤさんの旅館の女将さんや女中さんの服に似ていましたね」

 「あ、ほんとだ」


 「ここにいるといろんな服が作れて楽しいね」

 「そうだよねえ。お父さん達はあちこち行っているけど、今度連れていってもらおうか。どんな人がどんな服を着ているのか見てみたいね」


 「それはそうだけど、刀を振るえないと危ないんじゃない」

 「お父さん達に頼んで練習する?」

 「やだあ」


 二百人衆の縫い子さん達はおしゃべりが楽しい。

 「仕事の続きをしましょう。ベーベーの鞍につけるクッションを作らなくちゃ」

 「はーい」


 オリメさん達が転移で戻る。エスポーサは人化して来た。

 スパの方から楽しそうな声が聞こえる。長湯だ。

 服を下着から一式届ける。


 しばらくしてオリメさん達が作った服を着て出てきた。お嬢さんと女中さんに見える。本人達もしっくりいっているようだ。

 「良かったかしら」

 オリメさんが聞いた。


 「はい、ありがとうございました。イヅル国の服として違和感がまったくありません。それにとても上品でびっくりしました」

 「女中さんの服もいかがですか。そちらは私が作りました」

 「私たちの服もこのままでイヅル国を歩けます。少し斬新で、多分皆が羨ましがるでしょう」

 「それは良かったです」


 「皆さんはどのようにして誘拐されたのですか」

 エスポーサが聞いた。

 「私たちはお使いで街を歩いていました。ところが人通りが途絶えた頃、横道から男達が出てきて横道に引き込まれ猿轡をされて袋に入れられ、荷車で運ばれました。食事や休憩の時は出してくれましたが、どこをどう通ったのかはわかりません」


 マリアさんがお嬢さんに聞いてみる。

 「ここがどこだかわかります?」

 「森が砂漠と接していれば国の西の外れの森だと思います。深い森です」

 「砂漠と森の境が国境です。森は隊商しか通りませんので国境監視所のようなものはありません」

 コマチさんが補足した。


 「皆さんはイヅル国のどの辺りにお住まいですか?」

 「サイトとトウケイという大きな街があり、私達三人はサイトです」

 「私はその先のトウケイです」

 「姫さんがトウケイですか。まだまだ先ですね」

 「でももう国に入りましたからホッとしています」

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