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目覚めた世界で生きてゆく 僕と愛犬と仲間たちと共に  作者: SUGISHITA Shinya
第一部

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027 マリアさんの剣を作った

地上17日目

 朝です。マリアさんに今日の予定を話す。


 「この先、だいぶ距離がありますが、崖があります。今日はそこまで突っ走ります。魔物が徐々に強くなりますが、アカ、ブランコ、エスポーサの敵ではありませんので心配いりません。マリアさんはアカに乗って下さい」

 「私も走ります」

 そうだね。世界樹さんが昨日体の組成を変えたと言っていたからね。


 「先頭はブランコ。次はマリアさん、その次は僕とアカ、殿はエスポーサで行きます」

 マリアさんが剣を取り出した。ショートソードだ。人間界では名剣のうちに入りそうな趣だけど、魔の森の魔物相手にはどうだろうか。


 「では行きましょう。ブランコ、魔物は半分くらい残しておいてね。マリアさんの練習相手になってもらう」

 分かったー。そうかい。じゃ頼むよ。


 ブランコが走り始める。続いて持参の剣を持ったマリアさんと相棒を担いだ僕。アカ、エスポーサが続く。エスポーサはいつも殿。ある意味先頭より大変なので魔の森ではブランコでは少し危うい。黙っていよう。


 マリアさんは十分ブランコの速度についていけるね。まだ余裕がある様だ。今度草原でかけっこしてみよう。

 ブランコが魔物を狩っていく。うん、半分ほど残しておいてくれる。


 「マリアさん、前進に邪魔な魔物だけ倒してください。あとは流してくれていいです。先に進むのが優先です」

 「承知。シッ」

 気合いを入れて魔物を二つにした。自分の倍の背丈だ。なかなかやるね。剣筋もいいね。パワーは、すでに人ではない。


 マリアさんのショートソードは人用の名剣だけど、マリアさんの底上げされた能力と魔の森の魔物には負けているね。少し曲がってきた。もう少し耐えられるかな。あと20分位は頑張れるか。頑張れ名剣。あ、折れた。すかさず相棒でスパーーン。


 「みんな、マリアさんの剣が折れた。速度を落として五分走ったら休憩するよ」

 ブランコが止まる。ブランコ、アカ、エスポーサが作る三角形の中で、マリアさんに休憩してもらう。


 「まだ、全然疲れません。驚きました。力も以前とは比べ物になりません。どうしたのでしょう」

 「それは後で説明します。剣が折れてしまったので、作りますので休んでください」


 みんなおやつだよ。アンクレットから自分の食器を出して待っている。

 じゃブランコ、先頭ご苦労さん。串焼き。へへ、買ってきたんだよね。10本ずつだよ。食器に乗せてやると食べ始めた。マリアさんと僕は3本ずつ。


 マリアさんの怪力ならハルバートがいいかね。ううん、がさつな女冒険者のようだ。却下。ショートソードよりロングソードがいいね。片手で十分振れる。両手を使うような相手はいないだろうな。右手がロングソード、左手にショートソード、腰にダガー。いいね。


 例の合金で作る。ちゃっちゃっと作った。ロングソード、ショートソード、ダガーの三本。銘も入れた。樹乃神。古代象形文字だから世界樹さんと僕しか読めない。模様にしか見えないだろうな。鞘も作った。


 「マリアさん、今のマリアさんの力からするとロングソードの方がいいだろうと思って、長いのを作った。あと振り慣れているだろうからショートソード。それにダガーも作った」

 鞘に入ったロングソードを差し出す。

 「ありがとうございます。剣が折れてどうしようかと思いました。助かります」


 マリアさんがロングソードを抜いた。目を見張った。

 「こ、これはバングルと同じ金属?」

 「そうです」

 キラキラ光っている。マリアさんが剣を振ると光が尾を引いて綺麗だね。


 「これはいただけません。聖剣と言われる剣を見たことがありますが、それとは比べ物にならないくらいの力を秘めているのがわかります。まさに神剣で私は持つに値しません」

 「不可視って言えば見えなくなります」

 「それじゃまるで」

 「暗殺剣。まずいですか。じゃ普通の剣に見える様にと願いながらコーティングって唱えてください」

 「コーティング」

 聖剣並みになったね。


 「これでも私が持つにはーーー」

 「その剣はマリアさんしか持てません。バングルと同じです。聖剣に選ばれたと言えばいいんです。それとショートソードとダガー」


 「まさかこれも?」

 マリアさんがショートソードを抜く。あははは、光っている。

 マリアさんがすかさず唱える。

 「コーティング」

 ダガーも同じだ。


 ロングソードはバングルの中、ショートソードとダガーは腰だ。

 鞘から刀身を抜くとき、バングルを使うと簡単だからね。ああ、ということはロングソードは鞘もいらなかったね。


 マリアさんがロングソードを両手で振っている。だんだん馴染んできた様だ。振りが鋭くなった。片手にした。剣と腕が一体の様になって振りはむしろ鋭くなった。すごい膂力だね。


 今度は左手にショートソードを持った。二刀流だ。二刀とも十分に振れている。


 次に右手のロングソードをバングルに納め、今度はダガーを握った。ショートソードとダガーを振っている。ショートソードで相手を受け、右手のダガーで止めを刺している。怖いね。様になっている。


 ロングソードはそれだけで振った方がいいかもね。または組み合わせるとしたらダガーか。

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