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目覚めた世界で生きてゆく 僕と愛犬と仲間たちと共に  作者: SUGISHITA Shinya
第四部

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267 ウータンオアシスから逃げた5人を拾った(上)

 岩塩開発も目処がついたみたいだな。僕は砂漠の続きに行こうかな。夜が良いかな。僕とアカとジェナ、ブランコ、ドラちゃん、ドラニちゃん。それだったらいつでも行ける。今度は少し長めにしようか。


 食事は食堂が順調に稼働し出してから毎食、各人一食分づつ余計に作ってくれて、収納してあるから、いつ出かけても困らない。最初は、個人の収納に入れていたのだけど、ブランコ、ドラちゃん、ドラニちゃんがこっそり食べてしまうので、3人の分は預かっている。しょぼんとしてしまって可愛いのだけどね。


 夕食の時に皆さんの意向を聞いて見た。夜と乾燥は美容の大敵だから行かないそうです。エスポーサが来てくれることになりました。


 では今日から出かけましょう。

 早速ベーベーーマンとベーベーに鞍をつけます。僕とアカとジェナがベーベーマンに乗ります。ベーベーはドラちゃんとドラニちゃん用。ブランコは大きくなって人化したエスポーサを乗せて、いざ出発。


 あれ、観察ちゃんが二人ベーベーに乗っています。居残り組から任務を授かったのかも知れない。まあいいか。地図も二人の方がより正確になるよね。ということで居残り組と二百人衆の見送りを受けて転移。


 転移先は、この前滅ぼしたオアシスの先だ。滅びのオアシスにラシードさんの警告の看板が立っている。親切だ。


 久しぶりの砂漠だ。次のオアシスまで歩いて行こう。ベーベーが道はわかるそうだ。観察ちゃんは、星を観察したり、進行方向を確認したり、大忙しだ。


 寒い。大変寒い。砂漠の夜は真冬だ。

 ベーベーマンとベーベーは涼しい顔をしている。こちらは涼しいのを通り越して寒いけどね。ベーベーは寒さにも強いのか。


 ジェナはピッタリとエスポーサにくっついている。ブランコの上でエスポーサに抱っこしてもらった方が僕に抱っこされているより暖かいらしい。


 月の沙漠を、いや砂漠だ。湿気はない。

 星空が素晴らしい。雲一点もなく、澄み渡った大気に月と満天の星。

 アカが綺麗ねと言っている。もしかしたらこの星空が見たくて夜に旅をする人がいるかもしれないね。


 ただ砂漠の旅は忍耐が必要だな。地上は砂丘があるだけだ。砂漠の民はこのような旅を何日も続けて飽きないのだろうか。この砂の世界から出ようとはしないのだろうか。ベーベーが砂漠に適応したように、精神的に適応したのだろうか。砂の世界から出ると砂漠に戻りたくなるのだろうか。わからないな。


 遠くの砂丘を登っていくベーベーが見える。5頭くらいだな。人間が同じくらいいる。隊商にしては規模が小さい。なんだろうね。近場のオアシスを往復する商売人だろうか。わからないね。

 トラブル体質だから、追いつかないほうがいいか。ゆっくり行こう。


 そろそろ休む?とアカが聞いて来ます。確かに歩き始めてから休んでいません。休むことにしよう。何処で休めばいいんだろう。多少風があるから砂丘の陰だろう。風が来ない砂丘の陰で休むことにした。


 熱転換シートは昼間とは裏返しだ。地面が冷たいのであまり暖かくはないが、冷たくはない。アカが少し大きくなって寄りかかれるようにしてくれた。

 ジェナは勿論ブランコにペロしてもらって丸くなったブランコの中だ。あったかいだろう。

 エスポーサはドラちゃんとドラニちゃんの話を聞いてやっている。ドラちゃんとドラニちゃんは楽しそうにおしゃべりしている。

 ベーベーとベーベーマンは棘のある植物を食べている。棘が生えていてもいいらしい。水を含んでいて美味しいと言っている。食べる気はしないけどね。


 あまり休んでいるとぐっすり寝てしまうから行きますか。エスポーサがジェナを抱き上げてブランコに乗って出発だ。

 砂漠を幾つか越えると、ベーベー5頭と人が5人休んでいる。

 まずい、と思ったが、時すでに遅し。

 声をかけられてしまった。


 「あの、すみません」

 「はい、何でしょうか」

 「オアシスに行きたいのですが、何処が近いでしょうか」

 「僕も初めてですのでわかりませんが、僕が出発したオアシスなら半日戻れば着きます。大きなオアシスは駄目になりましたが、周りの小さいオアシスは健在です」


 「あそこには戻れません。あそこから逃げて来ました」

 「それはまたどうして」

 「私たちはカーファ族長により誘拐されて来ました」

 5人が被り物を外すと、女性だった。美人揃いである。

 人の男は子供の僕だけなので安心して被り物を外したのだろう。

 ああ、僕、子供。


 「4人はカーファ族長と合わない族長の身内や関係者です。交渉に使おうと誘拐されて来ましたので人身売買用の誘拐とちがい、待遇はまずまずでした。ベーベーの世話を命ぜられ、この子達を世話していました」

 「それは大変でしたね」


 「何日か前、巨大ドラゴンが空に現れカーファ族長一味に宣戦を布告しました。運良くベーベーの飼育施設は族長の屋敷から少し離れたところにありました。私たちは混乱に乗じて、世話して懐いていたベーベーと逃げて来ました。不思議なことに、私たちは進軍して来た人たちに何も言われず通され逃げられたのですが、多くの人たちはその人たちに殺されました」

 「なるほど。そうだったんですね」


 「ベーベーはまだ水がなくても大丈夫ですが、急なことで水も食料も大して持ち出せず、持参した水も食料も無くなってしまって、難儀しております」

 弱った。どうするアカ。助けたいんでしょう。助けないと寝覚めが悪いとアカが仰っています。

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