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目覚めた世界で生きてゆく 僕と愛犬と仲間たちと共に  作者: SUGISHITA Shinya
第三部

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261 エチゼンヤ奮闘記 岩塩編(1)

 キュ、キュといいながらドラニちゃんが飛んできた。

 久しぶりの鳴き声だ。

 スパエチゼンヤの管理棟にいたローコーとエリザベスのところにドラニちゃんが来た。


 脚を差し出す。

 手紙か。差し出したローコーの手の上に手紙がポトリ。

 まだあるらしい。エリザベスが手を出すと手の上に小さな袋がポトリ。


 ローコーが手紙を読む。

 「エリザベス、大変だ。袋の中身を見てくれ」

 「岩塩。それも上等な岩塩ですね」

 「我が国でシン様が見つけてくれた」

 「たしかに大変だわ」


 「返事を書こう。待っててもらえるか」

 ドラニちゃんは頷いた。

 エリザベスはすぐお茶菓子の手配をした。

 

 樹乃神様

  この度は貴重なお知らせをいただきありがとうございました。

  早速現地の確認に参ります。

  事業化につきましては後ほどご相談させていただきます。

  まずはお礼まで。

  ○年○月○日

    エチゼン ローコー


 ドラニちゃんは菓子を美味しそうに食べている。

 「今日はドラちゃんはどうしたんだい。ブランコとエスポーサは元気かい?たまにはお茶菓子を食べにおいで。手紙の返事だよ。シン様に届けておくれ」

 ドラニちゃんは手紙を収納して、お茶を飲んで帰って行った。満足したようだ。


 「これは大仕事になるな。本店からヨシツナと何人か連れて見に行こう。明日出よう。馬車はうちの馬車、バトルホースで行く。場所はわかるか?」

 「通ったのはもう随分前だけど多分わかると思う」


 「手配を頼む。本店の者は管理棟前まで来てもらおう。土地取得届と岩塩の発見報告と権利登録の申請書も用意しておいてくれ。この仕事はヨシツナにやってもらおう。ヨシツナをすぐ呼んでくれ」

 「わかったわ」


 息せき切ってヨシツナがスパエチゼンヤまでやってきた。

 「来たか。大仕事だ。驚くなよ。岩塩が発見された」

 「何処で?」

 「領土内だ。明日見に行く。本店から何人か連れてきてくれ。管理棟前から日の出と共に出発だ。馬車はうちの馬車で行く。御者は本店が出せ。護衛はこれからゴードンに頼む。エリザベスとイサベルもいるから万全だ。見に行ったらすぐ引き返してきて各種申請をする。今日はエリザベスとイサベルと一緒に書類を作ってくれ。申請まで何処にも気取られるな」


 「承知したが発見の経緯は?山師のホラではないのか?」

 「これを読め」

 ローコーがシン様の手紙を差し出す。

 「親父殿、これは大変だ。大仕事だ」

 「だから言っているだろう」


 「本店からは、イサベル、ローレンツ執事長、ベネディクト侍女長を連れて行く。それと執事長補佐に御者をやらせる。夜中に走ると松明やらで目立つから夕方までにはこちらに来る」

 「ああ、それがいい。旅館に泊まっていいぞ。行くのはワシとエリザベスと合わせて7人だな。すぐ、かかってくれ」

 エリザベスとヨシツナが出ていく。


 「あとはゴードンだな」

 携帯で呼ぶ。


 「もしもし」

 「なんだ、ローコーか」

 「明日暇か」

 「何の用だ」

 「護衛を頼みたい」

 「護衛か。相手はなんだ?」

 「エリザベスとイサベルも行くから大抵は大丈夫だが」

 「なんだ?二人いれば盗賊など目ではないだろう」

 「もしかすると滅びの草原の魔物が出てくるかもしれん」

 「二百人衆は?」

 「シン様からの預かりものだ」

 「それもそうだな。そっちに行けばいいのか?」

 「日の出と共に管理棟前出発だ」

 「わかった。バトルホースで行く」

 後はトラヴィスか。宰相執務室は人が多すぎるから明日申請のときにしよう。


 ドラニちゃんがシン様の手紙を届けてくれた翌日の日の出前

 スパエチゼンヤ管理棟前にバトルホース2頭に引かせた馬車が用意されている。

 馬車に、ローコー夫妻、ヨシツナ夫妻、ローレンツ執事長、ベネディクト侍女長が乗り込んだ。御者の執事長補佐が声をかける。

 「旦那様、少し明るくなってきたので行きましょうか」

 「出してくれ」

 ヨシツナも旦那様だ。


 大手門の方から、ゴードンさんがバトルホースに乗って駆けてきた。

 「おう、早いな」

 「気が急く」

 「だと思ったので少し早めに来たのだが、年寄は早起きだ。それで何処に向かうんだ?」

 「東西街道を東だ。アングレアとの国境の手前に泉があるな」

 「ああ、ある。あまり水は良くないが、飲むには支障がない」

 「その泉の奥だ。シン様が岩塩を発見した。アングレアとの駅馬車が来る前に着いて泉の奥に入りたい」

 「バトルホースとシン様が作った馬車だ。余裕だ」


 「それじゃ行くぞ。大手門あたりは銭湯の早番が来たりするからゆっくりだ。東西街道に出たら飛ばすぞ」

 「承知」


 大手門を過ぎるころに日の出となった。銭湯の早番の人たちが歩いている。子供を連れた人もいる。託児所だな。


 東西街道に出た。

 ゴードンさんが、ハッと馬に気合を入れる。バトルホースは走るのが嬉しいのだろう。加速する。馬車も付いていく。馬1頭と馬車が東西街道を爆走する。


 「久しぶりだな。シン様とコシから王都までの旅を思い出すな」

 「あのとき魔物も盗賊も次々出てきて楽しかったわ。山猫盗賊団なんてのも出てきたわね」

 「そうだな。毎日が驚きで面白くて楽しかったな。今度あのときのメンバーで集まりたいものだな」

 「シン様も、アカ様も、ブランコ様も、エスポーサ様も、ドラちゃんも、マリアもオリメ、アヤメも行ってしまったわ」


 本店の人達は思った。

 有名な山猫盗賊団の噂がある時からぷっつりと聞かれなくなったが、支店の人たちが犯人か。なるほどシン様と仲が良いはずだ。本当の人外集団だな。だからスパエチゼンヤという利権の塊を圧力をものともせず運営できるのだな。恐ろしい連中だ。これではその筋の人も怖くて手が出せないだろう。支店の人たちには逆らうまいと思った。

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