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目覚めた世界で生きてゆく 僕と愛犬と仲間たちと共に  作者: SUGISHITA Shinya
第一部

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026 合金製バングル、アンクレット、首輪が完成した

地上16日目

 何事もなく朝になる。今朝は街で買って来たパンとスープとサラダ。簡単に済ます。


 マリアさんがテントを収納しようとするからちょっと待って貰う。

 収納袋からバングルを取り出し、マリアさんに左手を出してもらいバングルを着け、収納袋の機能を複写し連結した。人は収納袋から出した方が良い場面もあるだろうからね。


 「マリアさん、収納機能付きバングルだよ。今までの収納袋からも出し入れ出来る。使ってくれると嬉しい」

 「こんな綺麗なバングルは王侯貴族でも持っていません。持っているのが怖いです」

 確かに綺麗だね。複雑な色が動的に絡み合って自ら光を放出している。角度によっては、虹のようにも金にも銀にも見える。

 

 「みんな同じ物を作ったんです」

 アカとブランコ、エスポーサにアンクレットと首輪を付け、自分にバングルを着ける。確かに輝きは人が作ったレベルじゃないな。神レベルだな。


 ひとつ気になったのは、アカと自分を除き、着けた時、バングル・アンクレットから光が出て体を覆って消えた事だ。アカ、何か知ってる?わかんないか。あとで世界樹さんに聞いてみよう。


 「確かに目立ちますね。あとで考えてみます。マリアさんのものは今までの収納袋と連結されています。出入口が二つになったと思って下さい。場面によって使い分けて下さい。手始めにテントを収納してみましょうか。バングルとテントに触り収納と念じて下さい」


 目の前のテントが消えた。

 「出す時もバングルに触り出したいものを思い浮かべて出よと念じれば良いです」

 目の前にテントが現れた。

 「袋を出して袋に手を入れなくて簡単、便利です」

 またテントが消えた。

 「本当に便利です」

 「他人がいる時はやらない方がいいと思います。収納袋をバックに入れておいてバックから物を出したように偽装するとか工夫してみて下さい」


 ブランコが新しいアンクレットから魔物を出したり入れたりしている。どうだ。でっかいだろう。ほらほらと得意げだ。おっと、アカがアンクレットからオオトカゲを出した。ブランコがシュンとする。尻尾が垂れた。後ろ向きになってコソコソと魔物をしまっている。エスポーサがバカねえと言っている。男の背中に哀感を感じるね。


 「今日は泉まで行くよ。森の中だから少し小さくなってね。マリアさんはアカに乗ってください。先頭はブランコ、アカ、僕、エスポーサだ。ブランコ先頭を頼んだよ」

 あ、ブランコが持ち直した。尻尾が揺れている。胸を張って先頭を行く。

 

 「ブランコ、昼までに泉に着くようにね。今日は泉で泊まりだから少し遅れてもいいよ」

 ウォンと鳴いて先頭を走っていく。単純でいいね。エスポーサが可愛がるわけだ。首輪もアンクレットもキラキラ光って綺麗だ。


 森の中はいいね。落ち着くね。小物の魔物しか襲ってこないので、世界樹さんに連絡しよう。

 『もしもーし。聞こえてますか』


 『聞こえているわよ。何か用?って聞いてみるけど、わかってるわ。バングルとアンクレットを着けたとき、マリア、ブランコ、エスポーサが光ったことでしょう』

 『そう。なんでかなと思って』


 『あれはね。私の森に入れる様に体の組成を変えたのよ。あのままじゃ台地の崖下までしか来られないからね。一緒に連れて来たいんでしょう。彼らは必ずバングル・アンクレットをつけて入ってね。体の組成は変えたけど、元々私の森の外の生き物だから、変えられないところもあってそこをバングル・アンクレットで打ち消して私の森に入れるようにしたのよ』

 『ありがとう。みんな仲間なのでいつも一緒にいたいので助かった』


 『バングル・アンクレットをつけていれば私の森の食べ物を食べても大丈夫だよ。泉の水も大丈夫。ただ効果はほとんどないわ。バングル・アンクレットを取れば本来の効能通りだけど、体が耐えられず死んでしまうわ。だから必ずつけたままにしておいてね。もっともシンとアカと私しか外したり着けたりすることはできないけど』


 『マリアさん、ブランコ、エスポーサは自分では外せないの?』

 『そう、外したり着けたりできない』

 『聞いてないよ。それって呪具みたいだ』

 『右にずっと行くと左から登場するのよ』

 『ああ、わかったようなわからないような』


 『あとバングルとアンクレットと首輪が綺麗で嬉しいんだけど、人の世界にはない輝きなのでなんとかならない?』

 『あれは綺麗でしょう。土台になった合金が良かったわね。シンしか作れない最高の合金ね。合金自体で不壊よ。だから加工できるのはシンとアカと私だけよ。不壊の属性を付加する必要もないわね』


 『崖下で色々な金属を採取させて貰ったから出来た。そうでなければ出来なかった』

 『あの合金は下界にないものだから確かにまずいわね。そうね。じゃ不可視と念じればいいよ。元々あれには誰も触れないのだから見えなければ全く問題はないわね。仲間内にしか見えない様になるわよ。首輪は銀色にコーティングと念じればいいのよ』


 『触れないの?』

 『そう。あなたのメンバーしか触れない。何かに包んで持とうとしてもダメよ』

 『もはや呪いだな』


 『バングルとアンクレットの内側には、“世界樹とシンとアカと共に生きん”という文字が古代象形文字で刻んであるのよ』

 『宗教のようだ』


 『ふふ、語句の意味をよく考えてごらん』

 『ええっと、えええええまさか』

 『ふふふふ。あっはははは。やった』

 『・・・・・・・・・・もしもーし』

 あれ切られてしまった。

 

 昼頃泉に着いた。世界樹との対話をなんて話したらいいんだろうね。そうとうヤバイね。とりあえずブランコを褒めておく。尻尾をブンブン振っている。先導をやり遂げて嬉しいんだね。そうかそうか。いい子だ、いい子だ。と現実逃避する。


 泉の畔で今日も野宿だ。ブランコとエスポーサに泉より奥から肉を取って来てもらった。マリアさんに深い森の奥の肉に慣れてもらうためだ。より美味しいだけだと思うけどね。


 マリアさんが料理をしている間、みんなで泉に飛び込んだ。小さなサイズになってだ。一頻り水遊びをする。水から上がって着替える。勿論最初にテーブルマウンテンで着ていた服だ。

 マリアさんに幅広の帯を締めた白い衣と腕輪で神様みたいと言われてしまった。


 今まで着ていた服は泉の水で空中に水球を作り水を回転させ洗った。すすぎもした。最後に熱い乾いた空気の球を作り洗濯物をぐるぐるさせて乾かした。あれ、汚れ飛んでけでも良かったのか。でも面白かった。

 ブランコが洗濯物の動きを目で追って、頭をぐるぐるして目を回してコテンと倒れた。エスポーサのバカよねのいつも通りの発言があった。


 マリアさんの手料理の夕食が終わり寝ようと思ったらマリアさんがモジモジしている。エスポーサが沐浴したいんじゃないかって言っている。さすが奥さん。よく気がついたと褒めた。

 さてどうしようか泉で沐浴。美女の沐浴は絵になるね。エスポーサからダメ出しが入る。今日は泉の中に棚付きの板囲いを作ることにした。


 マリアさんに沐浴してもらった。良かったら洗濯物は汚れ飛んでけってやるので出してくださいと頼んだ。初め恥ずかしがっていたが、洗濯袋ごと綺麗にするので大丈夫と言って出して貰った。汚れ飛んでけ、ふわふわになれって念じた。分かりやすく声を出した。


 マリアさん、テントに入ってすぐ出て来た。

 「魔法の通り本当に綺麗になって、元の生地よりフワフワになりました」

 あれは魔法と言うのか。そうなのか。ともあれお礼を言われた。


 エスポーサ、中身が見られなくて残念だったでしょうって。奥さん、私は変態じゃありません。女も奥さんになると・・・。あ、睨まないで。こらブランコ、そこで相憐れむような目をするんじゃない。それはちょっとは・・・。早く寝よう。昨日と同じ配置で寝る。

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