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目覚めた世界で生きてゆく 僕と愛犬と仲間たちと共に  作者: SUGISHITA Shinya
第三部

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252/499

252 カーファ族長とその一族郎党を滅ぼす

残酷な場面あり。内容はタイトル通りですので苦手な方は飛ばしてください。

 ウータンオアシスの近くの砂丘の陰にドラちゃんが降りた。

 さて善は急げだから今からにするか、明日朝にするか。


 「いつでもいいわよ」

 後ろから声が聞こえた。


 忍者が揃っています。マリアさん、ステファニーさん、人化したエスポーサの鴇影忍者隊長、二百人衆。二百人衆は何人きたの?手が空いているもの全部。へえ。150人はいるぞ。とりあえず、皆の忍者服に熱調節機能をつけた。今日いない人たちの忍者服にも同じ機能をつける。つけなくても良いようなものだけど、気分だよ。狐面も配った。


 マリアさんに聞いた。

 「どうして分かったの?」

 「観察ちゃんは眷属に情報だだ漏れ、一人が得た情報は皆が知っているから、ちょっと聞いてみた」

 へえ。そうなの。


 それでは予定を変更して、予定があったかって。ありません。それらしいから。予定を変更して、オアシスを包囲しましょう。


 送り込んだ観察ちゃんがカーファ族長は発見したけど、オアシスが広いので、増援をお願いと言っています。たしかに広いね。観察ちゃんの作った立体地図によれば、小さいオアシスが寄り集まっていてその脇を山脈から砂漠に大きな川が流れている。対岸にカーファ族長のいる大きなオアシスがある。


 それじゃ、観察ちゃんをあと50人ほど追加しましょう。何人いるんだろうね。観察ちゃん。え、観察忍者ですか。そうですか。分裂すると忍者服も分裂するのね。そうですか。適当にまんべんなくまいてくれればいいって。そうですか。種まきじゃないんですけどね。ご希望ですから点々と転移させます。おお、立体地図がどんどん精密になっていきます。そういうことですか。助かります。


 一番大きなカーファ族長のいるオアシスに家が集まっているようですね。悪意が集積されています。人口2万というところでしょうか。対岸の小さいオアシスには悪意は感じられません。慎ましく暮らしているんでしょう。


 観察ちゃんではありませんが、皆で地図を共有。二百人衆を転移させて退路を塞いでいきます。周りは砂漠ですからね、十分な用意がない場合、退路は限られています。その退路以外は砂漠の中に埋もれて消えるだけです。


 それでは退路は塞いだし、一応宣戦布告をして来ましょうかね。

 カーファ族長宅前に転移。


 「門番さん。こんにちは」

 「坊主か。なんだ」

 「カーファ族長さんに用があってね、取り次いでくれますか」

 「何を坊主がふざけたことを言っている。とっとと帰れ」


 『カーファに取り次げ』

 「うわあ、頭が、頭が」

 頭が破裂した。残った門番は震えているね。

 『取り次がないなら通る』

 残りの門番の頭も破裂した。


 へえ、広いね。建物がいくつも立っている。カーファ族長はこっちと観察ちゃんが申しています。この建物ですか。屋敷と言った方がいいのかな。

 ドアをドン、ドン、ドンと叩く。

 ぞろぞろと人が出てきます。


 「こんにちは。カーファ族長さんに会いたいのですが」

 「族長が坊主なんかに会うものか。寝ぼけるのも大概にしろ。どうやって入ってきた」

 「門を通って来ましたが」

 「何を馬鹿な」

 「それで族長に会えないのですか」

 「当たり前だ。この広い砂漠の三族長のお一人だぞ。坊主などに会うわけがないだろう」


 「そうですか。では一応お伝え願えませんか。私はシン。リュディア王国において私の身内を誘拐した首魁カーファに告げる。一時間後にカーファと一族郎党を殲滅するために、我が軍が進軍を開始する。我々を楽しませるために備えたし」

 「なんだと」


 「門番を調べたほうがいいですよ。では一時間の猶予を有効にお使い下さい」

 「なんだ、消えたぞ。なんだったんだ。一応門を見てこい」

 下っ端が見に行きました。


 僕は皆のところに戻って観察ちゃんの共有映像を見ています。

 下っ端さんが、門番であった者をみて吐いています。四つん這いで吐きながら戻っていきます。


 「どうした。何をやっている」

 下っ端さんは門を指差して口を抑えています。込み上げてきたようだ。

 「おえ」

 「汚いな、おい見てこい」


 下っ端より少しましな男が行きました。

 また吐いています。吐きながら帰ってきます。

 「なんだどうしたんだ。しょうがない行ってみるか」

 指図していた男が行きます。


 首から続く血花をみて、口を抑えました。さっきの下っ端よりマシです。すぐ駆け戻りました。

 「おい、さっきの坊主の言ったことを覚えているか」

 「一時間後に進軍するとか」


 「本当だぞ。すぐ千人隊長を呼べ。いや時間がない。千人隊長に全員で陣を敷いて屋敷を守れと言え。もう一時間を切っているぞ。走れ。急げ。不審なら門番を見ていけ」

 命じられた男が門の方へ走っていきました。悲鳴が聞こえる。悲鳴をあげられるだけましか。


 指示した男は建物の中に駆け込む。

 「族長。大変です」

 「なんだ」

 「リュディア王国内で誘拐を命じましたね。その誘拐された者の身内が怒ってカチコミです」

 「砂漠を越えて来たのか。褒めてやろう。返り討ちにすればいいだろう」


 「それが一時間後に進軍すると律儀に宣戦布告してきました」

 「なんだと、進軍だと。この砂漠で軍隊など動かせないぞ」

 「それが門番の頭が内側から弾けたらしく、首から先がぐちゃぐちゃになっていました。あたり一面赤いもの白いものが飛び散っていてあんな惨たらしい死体は見たことがありません。尋常ではありません。進軍も本当と思われます。千人隊には急ぎ陣を敷き屋敷を守るように命じました」


 「大げさではないか」

 「とにかく時間がありません。倒れた門番を見て下さい」

 「よかろう。行ってみよう」

 カーファ族長が門に急いで行く。門番であったものを見た。

 「非常事態の鐘を鳴らせ、狼煙を上げろ。屋敷を固めろ」


 やる気になったようだ。時間はまだあるね。住民に告げてやろう。

 ドラちゃんに頼んだ。

 オアシスの上に巨大ドラゴンが出現する。


 「オアシス住民に主人、シン様の口上を告げる」

 「私はシン。リュディア王国において私の身内を誘拐した首魁カーファとその一族郎党を殲滅するために、50分後、我が軍がウータンオアシスに進軍を開始する。関係なきものは去れ。なお、一味であって逃げるものは誅する」


 続々と避難を始めた。

 ただし、大部分が誅された。それを見て程なく避難民はいなくなった。


 時間だな。では進軍を告げよう。ブランコに吠えてもらう。

 「ウォーーン」

 オアシスにブランコの吠え声が響き渡る。


 一斉に進軍を開始した。観察ちゃんは背後を固める。誰も逃さない。

 建物全てが破壊され、人は、斬られ、引きちぎられ、殴られ、穴を穿たれ、黒焦げになり、死んだ。

 一味はあっという間に千人隊と族長らを残して殲滅された。


 二百人衆が千人隊を包囲し、わざわざゆっくりと少しづつ千人隊を削っていく。塀の内に立てこもる族長らの恐怖が増していく。間も無く千人隊もすべて誅された。


 ドラちゃんとドラニちゃんが、カーファ族長邸の門、塀を破壊する。

 ステファニーさんたちと二百人衆が中心の屋敷の周りの建物を破壊し、建物内部にいた賊を族長が立てこもる屋敷に追い込んでいく。

 族長が立てこもる屋敷以外の建物は破壊が完了した。


 屋敷を僕たち全員がとりかこむ。

 「カーファ、聞こえるか?汝はこれが欲しかったのか」

 巨大な光の輪が空中に現れ、屋敷を締め付ける。ゆっくりと屋敷が崩れていく。残るはカーファ一味のみ。


 大きな光の輪が小さな輪に分裂し、カーファ一味の一人一人をとらえ腰のあたりでだんだん縮んで行く。逃げようとするものは急に光の輪が縮み、腹が潰され、体が上下に別れた。


 「助けてくれ。何でもする」

 「三族長の一人だろう。みっともないことを言ってはいけない。お前は子供を誘拐して、私が与えた指輪を抜き取って、子供は売り払おうとしたな。その子供の中に私が名付けた赤ん坊がいた。報いを受けるが良い」


 光の輪がゆっくりと縮んでいく。首と違ってなかなか死ねない。腹の部分でちぎられそれを見ながら死んだ。死顔は恐怖に満ちている。


 「このオアシスは戒めとしてこのままにしよう」


 二百人衆にお礼を言い、神国に転移させた。

 観察ちゃんを集めて、精密な立体地図があって助かったよと一人一人、よしよししてスパエチゼンヤに転移させる。みんな嬉しそうだった。

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