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目覚めた世界で生きてゆく 僕と愛犬と仲間たちと共に  作者: SUGISHITA Shinya
第三部

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248/499

248 エレーネ女王に誘拐された子供の奪還を依頼する

 さてジェナの遊び相手という大問題は解決した。

 今日はアレシアス王国だな。

 誰と行くか。

 エスポーサが行ってくれるそうだ。人化してだ。僕とアカ、エスポーサ、三人組、ジェナで行こう。決まった。管理職の皆さんはお仕事。オリメさんもアヤメさんもお仕事。


 夕方までには帰ると言って、ドラちゃんに乗って行くことにした。ゆっくり飛ぶ。王都の上空を飛んだ。孤児院が見える。普段と同じように遊んでいるようだ。僕が作った車に乗って遊んでいる。

 ブランコの頭の上のジェナに話しかけている。良かった。いい思い出しか残っていないようだ。ジェナも安心している。もう少し小さい子用にカタカタ押し車を作ってやろう。


 東西街道に沿って、アングレア王国上空へ。そうだ。おじいさん国境警備所に寄っていこう。少し手前に降りる。

 歩いて警備所に。今日もおじいさん連中はお茶を飲んでいた。


 「こんにちは」

 「おう、いつかの。今日はどうしたんだい?」

 「この子をつれて向こうに行ってみようと思って」

 「そうかい。気をつけてな。おじょうちゃん、干し芋をあげよう」

 「ありがと」

 「おお、おお。うちの孫より賢いの。あははは」

 「この干し芋はな、お兄ちゃんにもらった芋を蒔いて出来た芋を干したものだ。美味しいぞ」

 「甘い」

 「そうだろうそうだろう」


 「この間馬車が2台通った。上の方から通せと話が来たがなんじゃったのだろう。人は通るようになったがな、馬車が通るのは初めてじゃった。馬車の御者が歩いてこちらに来た人じゃったが、馬車を手に入れて帰るとこだったのじゃろうか」

 「そうかもしれませんね」


 「狩人さんは来ますか?」

 「おお、相変わらずというか、増えたぞ。石畳の道が出来たので狩人さんが移り住んできたらしい。みんな干し芋を喜んで持っていく。種芋をやったんじゃが狩人さんは、自分では栽培しないらしい」

 「そうですか。狩人さんですからね。知り合いに種芋をやったんでしょう。それじゃ行ってみます」

 国境の門は開けっ放しだった。


 森の中の街道はすっかり整備されていた。森を出るところまで歩いた。石畳の道は健在だ。当分壊れないだろう。ドラちゃんに大きくなってもらって再び空へ。

 狩人さんの集落の家が増えている。怪我を治した人も狩りに行っているだろうか。

 亡国を過ぎ、アレシアス王国へ。


 留守城の上を飛んでみる。城の周りで兵を訓練しているようだ。僕らが鍛えた兵が国軍を鍛えているみたいだ。兵が気がついた。手を振っている。国軍は腰を抜かしている。僕らも手を振った。城の周りをぐるっと回って山脈を目指す。

 左へ行くと砂漠だね。今日は山脈に向かう。懐かしいな、葛折、崖道。山脈を超えた。王都はもう少しだ。王都手前に降りる。歩いていこう。ジェナはブランコの上だ。


 城門へ着いた。兵隊さんが飛んできた。訓練した兵隊さんだ。詰め所に案内されてお茶を出される。

 「お久しぶりです。また訓練でしょうか。いま城の周りで国軍を訓練しています」

 「いや、もう皆さんは十分強くなりました。今日は女王さんに会いに来ました」

 「そうですか。女王様はシン様が来られるのではないかとずっと待っておられました」

 なんだかやばそうだな。アカが女殺しだからと申しております。エスポーサが笑っています。


 「ご案内いたします」

 兵隊さんに案内されて王宮へ。王宮前広場に僕たちの銅像があった。へえ。

 すぐ王宮に入れてもらった。


 廊下の向こうから女王様が走ってくる。

 「シン様。お待ちしていました」

 アカがやれやれという顔をしている。

 「おとたま、だあれ?」

 ジェナが聞く。

 「お父さんの知り合いのエレーネ女王さんだよ」

 パタっと女王の足が止まった。

 「おとたま、おとたま」

 混乱している。


 「今日はお願いがあってやってきました」

 女王様はお願いと聞いて少し持ち直した。

 執事長がやってくる。

 「お久しぶりです。こちらへどうぞ」

 応接室に案内された。お客様扱いだね。一番良い応接室ではないか。

 侍女長が侍女をつれてやってきた。お茶を淹れてくれる。


 「シン様、エスポーサ様、ブランコ様。ドラちゃん、ドラニちゃん、お久しぶりです」

 「はい。ご無沙汰しています」


 「こちらは?」

 「娘のジェナです」

 女王が落ち込んだ。

 「この前はいらっしゃらなかったようですが」

 「はい。この頃できました」

 貰いっ子か。女王が持ち直した。


 「今日はお願いがあってやって来ました」

 「なんでしょうか」

 「間も無く山脈下の砂漠に向かう道を2台の馬車が通ります。その馬車にはリュディア王国で誘拐された子供が19人乗せられています。子供は傷つかないように手配してあります。誘拐犯を殲滅し、子供を奪還してリュディア王国のハミルトン公爵家まで送り届けて欲しいのですが」

 「他ならぬシン様の依頼です。何があっても成し遂げます」


 「費用はすべてリュディア王国ハミルトン公爵が持ちます」

 「費用なんてとんでもない。返しきれないほどの恩を受けています」

 「誘拐された子供の中にハミルトン公爵の孫がいます。公爵家の面子もあります。とっておいてください」


 「それと誘拐された子供が乗る馬車は用意しました。帰る前に馬車は出しておきます。また誘拐犯の馬車を特定するためこの観察ちゃんを置いていきます。この子が馬車を特定してくれます。馬車は明後日ごろ通過予定です。明日辺りから配置についていただけると良いと思います。観察ちゃんは見えなくなっても観察ちゃんと呼ぶとすぐ出てきます」

 「わかりました。我々はゴードン鬼軍曹の常在戦場の言葉を守っています。部隊編成後、すぐ出ます」

 「ではよろしく」


 王宮の車寄せに人質の子供用の馬車を出した。

 「では頼んだよ」

 観察ちゃんに頼んで転移。


 王宮では、貰いっ子、貰いっ子と女王陛下が浮かれている。

 執事長と侍女長は、シン様とアカ様によく似ていたようだと思ったが黙っていることにした。


 女王が我に返って指示する。

 「兵70、兵站部隊50。人質奪還は兵40で行い、奪還後兵40は帰還。リュディア王国には残りの兵30、兵站50で行く。帰還予定の兵には、シン様から下賜された背嚢に食糧を入れられるだけ入れさせろ。シン様がお作りになった馬車を用意してくださった。馬はシン様に訓練していただいた馬を連れて行く。明日日の出とともに出発だ。すぐ手配せよ」

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