242 ジェナを世界樹の元に連れて行く (上)
今日は、世界樹の元に向け出発だ。
朝食後、ジェナはおにたんの背中に乗ってご満悦。まずは環状の森を目指す。
朝早くから仕事をしている二百人衆に手を振って、二百人衆が見えなくなるとスピードアップ。環状の森に着いた。環状の森では色々な小動物がジェナに挨拶に来た。ジェナが撫でてやったり、ペロペロ舐められたりする。楽しそうだ。
「ジェナ、ここまでは皆友達だよ。ここから出るとそうではないから気をつけてね」
「おとたま。わかった」
滅びの草原に出た。
「ここからは色々な魔物が出てくるからね。おそってくるから気をつけてね」
魔の森に向かって進んでいくが、魔物が出てこない。
アカが、まだジェナが神威を抑えることを知らないから魔物が寄って来ないと言っています。神国ではそういうものだからどうでもいいと言っています。そうなんですか。
魔物に襲われるのも良い経験なので、アカがジェナの神威を抑えた。
しばらくすると魔物が周りに増えてきました。エスポーサとブランコを見て後ずさっている魔物がいます。ペコペコして逃げていく魔物がいます。
「おねたん、おにたん。あの子たちはなんで逃げるの?」
『それはね。おにたんが骨が折れたのを治してやろうとしたら一回でうまくいかなくて、何回も治してやったから痛かったみたいなの』
「ふうん」
疑惑の雲がむくむくと湧いているらしい。
おにたんがキョトキョトしています。
「ま、いいか」
ジェナは意外と物分りがいいです。
物分りの悪い魔物が与し易しと見てジェナに襲いかかります。
「メッ」
紅葉より少し大きいくらいの手で魔物の頭をぽんとはたきます。
魔物の頭が地面に叩きつけられ、顔が地面にめり込みました。鼻が出ていた魔物だったので、潰れた鼻をかばいながら逃げて行きました。
ジェナが閃いたらしい。
逃げて行く魔物の前に転移した。
「待つ。待つの。ジェナの実験台になるの」
魔物が逃げようとします。
「逃げると、消すの。おとたんがコロスと言ってはいけないというから、消すの」
魔物の足がピタッと止まった。
「治すの。鼻治れ」
魔物の鼻が治った。魔物が鼻を擦っている。ペコペコしている。ジェナを魔物が乗せて戻って来ました。ジェナが降りるとダッシュで逃げて行きます。
ジェナは無駄な殺生はしないのだ。優しいのだ。
皆がおとたんの親ばかと申しております。
周りに魔物がいなくなってしまいました。
遠くでブランコ様より上手だという魔物の声が聞こえた気がします。
魔物が寄ってこないので、魔の森の入り口まで転移。
泉まで行くよ。ブランコは、ジェナを乗せて行くの?そう。
僕はマリアさんとアカに乗る。ステファニーさんはエスポーサが乗せてくれる。オリメさんはドラちゃんに、アヤメさんはドラニちゃんに乗った。
「じゃ、泉まで走っていこう。ブランコ先頭を頼んだよ」
あれ、ジェナが乗っているんだっけ。いいか。問題なし。
魔物が出てこない。昼には泉に着いてしまった。泉に竹水筒を沈めた。補充と新しい竹水筒だ。昼食後、今日は崖を登ったところで野宿することにして、さっきと同じ組み合わせで崖下まで走る。
ドカドカオオトカゲと子供が待っていた。
ジェナ様、お誕生、おめでとうございますと言っている。
ジェナはドカドカオオトカゲの頭にぴょんと飛び乗ると、いい子いい子してありがとうと言っている。次に子トカゲにジャンプ、いい子いい子してありがとうと言っている。2頭とも目を細めて嬉しそうだ。
ジェナがぴょんと飛び降りて2頭に果物を投げてやった。誕生祝に出た果物だ。いつの間に。
パクンとして、ドカドカオオトカゲ親子はお礼を言って去って行った。
へえ。ジェナの子分だな。あれは。
さて、崖登りです。何回も登っているので慣れたものです。みんなあっという間に登りました。ジェナはブランコが乗せて登りました。もちろん落ちません。喜んでいます。
崖上まで着くと、日が傾いてきました。もう少しで夕日になります。移動用スパ棟を出してお風呂。
お風呂から出たらちょうど日が沈み始めていました。
テーブルをセットして沈む夕日に照らされて夕食。
さて、物陰に隠れている観察ちゃんを呼んで一緒に夕食だ。しかりませんよ。よしよししてやりました。もっともっとと体を擦り付けてきます。
マリアさんが夕陽が綺麗と言っています。賛同したのは、ステファニーさん、エスポーサ。
食べるのに忙しいのは、ブランコ、ドラちゃん、ドラニちゃん、観察ちゃん、ジェナだ。
大きいテントを出して、みんなで寝ます。観察ちゃんは、寝たり、出ていったり、忙しい。観察がほんとに好きなのだろうね。星でも観察しているのかな。ジェナはあっちにごろごろこっちにごろごろ忙しい。最後はブランコのお腹へ。ペロッと舐めてもらってスースー眠った。
それでやっとアカがくっついてこられる。筋肉質で余計な脂肪のないアカを撫でながら寝てしまった。




