表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
目覚めた世界で生きてゆく 僕と愛犬と仲間たちと共に  作者: SUGISHITA Shinya
第三部

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

241/499

241 ジェナを連れて散歩する

 今日は管理職の皆さんは仕事。

 観察ちゃんが転移できるようになったので、ドラゴン騎乗鴇影忍者はお役御免。従ってオリメさんとアヤメさんは仕事。


 僕とアカ、ジェナ、ブランコとドラちゃん、ドラニちゃんが神国散歩だ。

 ブランコはジェナを背中に乗せてごきげんだ。


 二百人衆が畑で仕事をしている。

 「昨日の宴会の野菜はどうでしたか」

 「美味しかったよ。旬のみずみずしい野菜だった」

 「ありがとうございます。作り甲斐があります」

 「川の近くに田んぼを作ったんだ」

 「はい、粳米に餅米も作っています」

 「そうか。そのうち、餅や雑煮、赤飯が出来そうだな。楽しみにしているよ」

 「収穫したらすぐ作ります」

 「ゆっくりでいいよ」


 「それからシン様。アレシアス王国で採取した原種の野菜を頂きましたが、それと救荒作物の芋を使って、魔物が嫌う芋を作りました。滅びの草原で実験してみましたが、魔物の往来を妨げることはまったくできませんでしたが、葉っぱを食べられたり掘り返されて芋を食べられることはありませんでした。芋の味は多少落ちましたが人は今まで通り食べられます。自分たちは食べても何でもありませんでした。念の為エチゼンヤさんに働いている人から希望を募り、訳をよく話して実験代を支払い食べてもらいました。何の異常も出ず、美味しいとのことでした」


 「それは大変良いものを作ったですね。希望を募り訳を話して実験代を払って食べてもらったことも大変素晴らしい行いです。ステファニーさんに話しておきましょう。その種芋を後でください。必ず役に立つと思います」


 二百人衆が喜んでいる。それにしても良い芋ができたな。必ず役に立つぞ。ステファニーさんから褒めてもらおう。


 メーメー母親が、泣いて来る。

 「どうした」

 メーメー、メーメー。

 「赤ちゃんが具合が悪いらしいね。行ってみよう。どこだい」

 転移した。


 赤ちゃんがぐったりしている。ちょっと熱を出したみたいだね。

 病気治れ。

 「治ったよ。おっぱいを飲ませればすぐ元気になるよ」

 メーメーお礼を言われた。赤ちゃんはすぐチュウチュウおっぱいを吸い始めた。大丈夫だろう。

 ジェナが興味津々で見ていた。やる気満々だな。そう病気はないぞ。


 メーメーのモコモコを過ぎて、モーモーだ。モーモー、モーモーやってくる。いつも通りよだれべったりだ。

 モーモーを過ぎてすぐ、汚れ飛んでけ。

 ジェナもやっている。汚れ飛んでけ。

 綺麗になった。ジェナも大したものだ。


 コッコが飛んできた。ジェナもふわふわ飛んでいる。競争するらしい。

 よーい、ドン。

 二人で飛んでった。ブランコが走って追う。ドラちゃんとドラニちゃんはブランコの背中の上。

 ジェナは途中からブランコとドラちゃんとドラニちゃんと遊びだした。コッコもそれでいいらしい。


 ひとしきり遊んで、ジェナを乗せてブランコが帰ってきた。ジェナが眠くなったらしい。

 ブランコが陽だまりを見つけたので休憩することにした。ジェナを抱き取って、ブランコが横になったので、お腹のところにそっと置いてやる。ペロッとブランコが舐める。ジェナはおにたんとつぶやきながらお腹に埋もれた。

 僕も久しぶりに大きくなったアカに寄りかかって、ドラちゃんとドラニちゃんを両手で抱いてウトウトだ。

 神国はいいな。僕とアカと眷属と従うものの国だ。


 「お昼ですよー」

 遠くから声がする。マリアさんだね。

 ぐっすり寝ているジェナを抱き上げて、転移で自宅に戻った。


 昼食はみんな揃っていただきますだ。ジェナ用の小さなベッドを作ってテーブル脇に置いた。スヤスヤ眠っている。


 誘拐犯の犯人の馬車はアングレア王国内の東西街道を東に進んでいく。アングレア王国を東西街道で突っ切るらしい。馬車の連中は昼食だ。身代わり君一号の世話は観察ちゃんに頼んだ。喜んで引き受けてくれた。観察ちゃんに頼む事が増えてきたね。


 観察ちゃんの報告によれば、王都内は相変わらず衛兵が犯人の捜索をしている。エリザベスさんの手のものは一応動いてはいるが、捜索の様子を見守っている。ハミルトン家は金貨の準備をして犯人からの接触を待っている。宰相は民に気取られ余計な心配をさせてはならぬと花街やスパエチゼンヤに通常通りの営業を依頼したとの事だ。


 ステファニーさんによると、ハミルトン家は代々王家と姻戚関係があり、王家なにするものぞとの気風、プライドが高く、このような場合でも王家に頼ることはないという話だ。


 馬車はどこに行ったかな。東西街道を東へまっしぐらだな。あと10日くらいで、爺さん国境監視所だな。ご苦労なことだ。エリザベスさんに言って、爺さん国境監視所を通してもらうよう話しておこう。映像メッセージを作って観察ちゃんに行ってもらった。


 さてとりあえず10日は暇になったな。ジェナを連れて世界樹のところへ行ってこよう。アカとブランコとドラちゃん、ドラニちゃんでいいな。え、みんな行くの?

 それじゃ明日朝から出よう。午後は管理職さんとオリメさんとアヤメさんは明日から留守にする手配だ。


 僕は起きたジェナをブランコの背中に乗せて、みんなで午後の散歩。ベーベーのところに行く。ベーベーが乗って乗ってと言うものだから、ベーベーとベーベーマンの鞍を出してみんなで乗った。背が高いから、ジェナはご機嫌だ。せっかくだから砂漠に転移。すぐ暑くなる。パラソルを出して鞍に挿す。涼しいね。


 どこまで行っても砂が続いていてジェナがびっくりしている。

 下に降りたいと言うのでベーベーに止まってもらった。ふわっと浮いて砂の上に着地。抱っこから下ろしてと言うので、熱いよと言って下ろしてやる。熱いと飛び上がって着地する前に足元の砂を凍らせたらしい。今度は冷たいと言っている。ベーベーがベーベーベーベーびっくりしている。


 いつもの日除けを出して、熱転換シートを熱い砂の上に敷いて休憩。ジェナはシートをめくったりして不思議そうだ。そのうちゴロゴロしてブランコと、ドラちゃん、ドラニちゃんのところに転がって行って遊んでいる。


 涼しさに誘われて、スコーピオンが出てきた。鋏をチョキチョキして尻尾を上げて、ジェナを威嚇している。

 ジェナがヒョイッと持って、メッした。スコーピオンは鋏を閉じて尻尾を下げてゴメンなさいを一生懸命している。

 「食べる?」

 聞かれてふと思った。こいつも茹でると色が変わるのだろうか。

 スコーピオンが貴重な水をタラ―っと目から流した。

 身があまりなさそうだし、美味しそうではないな。

 「食べない」

 ポイした。慌てて逃げていった。


 さて帰ろうか。帰りはドラちゃんに乗って空へ。砂漠をゆっくり飛ぶ。オアシスが見えるね。地上の人を驚かせてはいけないので、下から見えないようにする。

 ジェナに教える。あの緑のところがオアシスと言って水があるところだよ。


 少し行くと森が始まった。森の中を隊商が歩いている。ラシードさんの隊商だ。ラシードさんがふとこちらを見た。勘がいいのかも。またねーと言っておいた。

 「あのおじさん、おとたんの知り合いだよ」

 「またねー」

 ジェナが真似した。


 「おい、今なにか聞こえなかったか」

 「何も」

 「シン様の声と子供の、そうだな幼児の声だ」

 「空耳じゃないですか」

 「それより砂漠ですよ。森の泉に寄っていかないと」


 ジェナに教える。

 「あの峠の手前と峠を超えたところがアレシアス王国だよ。エレーネ女王の国だ」


 じいちゃん国境監視所が見えてきた。今日も暇そうだ。畑仕事をしている。

 「ここからアングレア王国。エリザベスさんの実家が王家だ」

 リュディア王国国境近くなる。おお6頭立馬車2台が疾走している。頑張るね。観察ちゃんが馬車の屋根の上で手を振っている。ジェナも振りかえした。


 リュディア王国に入り、王都に近づく。あの緑がスパエチゼンヤだよ。観察ちゃんがいっぱいいる。今は忙しいのであちこち出ているよ。

 それじゃ王都の上を飛んで帰ろうね。


 神国泉前に到着。ベーベーは楽しかったと言って砂場に帰って行く。


 まだみんなは戻ってきていなかった。ジェナは少しお昼寝らしい。おにたんと言って横になったブランコに寄りかかって寝てしまった。ブランコに寄りかかって寝るのが好きだよね。


 夕方でもあったので、次から次へとみんなが帰ってくる。帰ってきてすぐジェナを抱き上げるからすっかり起きてしまった。次から次へと抱っこされるのでご機嫌だ。

 みんなでお風呂だ。ブランコとドラちゃんとドラニちゃんがお湯に潜って遊んでいる。ジェナも参戦。お湯の中に潜ったりして遊んでいる。おにたんとおねたんがうまく遊んでくれるので楽しく遊んでいる。


 夕飯も済ませ、就寝。

 僕とアカの間にジェナを入れて寝るが、昨日と同じで、寝相が悪くあっちに行ったりこっちに来たり忙しい。結局落ち着いたのはおにたんのお腹だ。ブランコがペロッとしてやるとスースー寝た。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ