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目覚めた世界で生きてゆく 僕と愛犬と仲間たちと共に  作者: SUGISHITA Shinya
第一部

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024 青毒蛇ドリンク

今日もお越しいただきありがとうございます。

エロです。お好みでない方はパス願います。

ミッドナイトノベルズに移動しようかと思っています。

と考えていましたが、たいした描写は無いと自分では思いますので再開しました。

 朝になった。ブランコとエスポーサが帰って来た。ブランコはげっそりしている。毛の艶も無くなった様だ。エスポーサは毛艶も増し瑞々しくなり、ご機嫌だ。


 食堂に行くと、爺さんは頬がこけている。奥さんは肌の張りも良く、ツヤツヤしている。なんだか爺さんとブランコが目で会話しているぞ。通じているらしい。

 あまり深入りしないようにしよう。


 食事の後のティータイム、女性はいない。で爺さんが口を開いた。

 「あれは危険だ。全て持っていかれる。乾いた雑巾を更に絞るようなものだ」

 ブランコがうんうんと言っている。


 「もう少し効き目の弱いものをシン様に作ってもらって売ろう。売れるぞ。白狼印の青毒蛇ドリンクとしよう。魔の森の奥深く、絶倫の蛇がいると言う。人は幻の青毒蛇と呼ぶ。今白狼が命からがら手に入れた青毒蛇から作り出した秘薬“白狼印の青毒蛇ドリンク”。そこの旦那さん、もう役立たずとは言わせない。そちらの奥さん、今夜は大満足、明日の朝は肌がツヤツヤだ。さあ持ってけ。買った、買った」

 爺さんが回復してきた。香具師か。


 「待てよ、最初に王侯貴族に売ってやろう。吹っ掛けても効果が確かなら買うぞ。正妻の他に側室が何人もいて、さらに愛人がいるからお困りだろう。同志ブランコよ。我々の犠牲も役に立った。白狼印だから、名義代を支払う。売上の5%でどうだ」

 お金はいらないって。そうだよな。美味い飯が食べたいか。

 「ブランコはお金はいらないので今みたいな美味しい食事が食べたいそうです」


 「欲がないね。わかった。エチゼンヤ本支店にいる限り美味しい食事を用意しよう。シン様とはシン様が7、当商会が3でいかがでしょうか」

 「いらない、いらない。そうですね。薬瓶を用意して貰えますか。それでいいです。あとせっかくだから絵付きラベルを作りましょうか」

 「絵付きですか」

 「見ただけで万人に薬効が分かる絵を使うと文字が読めなくてもお困りの方は手に取ると思いますよ」

 「なるほど、今までそのような絵が貼ってある瓶はなかったですね」

 「赤い丸の中に青毒蛇が雄々しく頭を持ち上げているのはどうですか。丸の上にリボンを描き白狼印と書きます。その上に前足をかけ、吠えてる白狼。丸の下にエチゼンヤ謹製と書きます」

 「いいですが職人が手書きしますので残念ながら大量には出来ません」

 「それでは版画はどうでしょうか」


 「版画とは何でしょう」

 「簡単に言うと木に絵を彫ります。絵としたい部分を残してその他の部分は掘り下げます。その絵の部分にインクを乗せて紙を乗せ擦って紙にインクを写します」

 「聞いたことも見たこともない手法だ。まずは極秘に商会内部でやってみます。上手く出来たら商業組合に登録しましょう」

 特許のようなものなのかな。


 「それと多色刷りの場合は、色ごとに版木を作り、一枚の紙にその色ごとの板木で刷り重ねていきます。紙の位置が狂わないように板木の右の端よりにカギ型の線を描きその内側を掘り下げて紙の右角を合わせる様にします。一箇所だけだと狂いますから左より少し右寄りのところに線を引き線の向こう側を掘り下げます。全部の版に同じ様に彫ります。刷るときは二箇所に紙を合わせます」

 「大変そうですね。版を掘る時、刷る時の位置合わせが難しそうです。しかしこれが出来れば同じものが沢山出来ますね。研究させましょう」


 「版画を研究している間、ちょっとやることができたので10日ほど出掛けて来ます。マリアさんを借りていいですか?」

 「ん?うちの奥さんの話からすると、婚前旅行でしょうか」

 「とんでもないです。マリアさんの故郷が海を越えた大陸と聞きましたので、大陸を訪ねるための乗り物を調達しとこうと思いまして」


 「船でしょうか。あの海は潮の流れが早く、天気も変わりやすく十のうち九は遭難する難所です。エチゼンヤも大陸との貿易を目指し、祖父が5隻で船団を組んで神聖教国の港から大陸を目指したことがあります。海に面した神聖教国の海岸のみ、船着場が作れる入江があったり、遠浅の浜があったりします。他は断崖絶壁で海岸の利用は出来ません。祖父の時代には神聖教国の教皇と仲が良く、神聖教国から船出が出来ました」


 「どうなったんでしょうか」

 「大陸に着いたのは2隻。それでも剛毅な祖父は積んでいた積荷を元に大陸を巡って商売をしたそうです。その時マリアさんの国にも行ったそうです。大陸の人は海の向こうからの商売人は見たこともなかったようで、大変な歓待を受けたと聞いています」


 「貿易は続かなかったのでしょうか?」

 「戻って来た船は祖父の乗った船一隻。持ち帰った積荷から大層な利益が上がったのですが、何にも代え難い人命を多く失い、それ以降大陸には行っていません。また神聖教国の教皇が代替わりして、我が国との付き合いが塩の取引を除きほとんどなくなり、海岸が利用できなくなり、船を利用しての貿易が考えられなくなったことも大陸から遠ざかった原因の一つです」


 「マリアさんとの縁はその時のものだったんですね」

 「大陸から帰って来て5、6年後でしたか、11名の難民がエチゼンヤに辿り着き、その中に大陸で歓待してくれた方がおり、事情をお聞きし皆涙しました。私は幼かったですが鮮明に覚えています。勿論皆さんにはエチゼンヤに身を寄せて頂きました」


 「隔絶した大陸の方とエチゼンヤさんにどんな縁があったのか不思議でしたがそう言うことだったんですね」

 「だから船はおやめになった方が良いです」

 「はい。船ではありません。調達出来るか分かりませんが楽しみにしてください」

 「分かりました。どうぞお連れください。今やマリアは事実上シン様の専属ですから」

 「お借りします」

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