表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
目覚めた世界で生きてゆく 僕と愛犬と仲間たちと共に  作者: SUGISHITA Shinya
第三部

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

238/499

238 宰相の調査の結果、王都の異変は大人数の一斉誘拐と確定

 王宮

 宰相執務室にハミルトン公爵家に行っていた近衛隊長が戻って来た。

 「ハミルトン公爵家は、執事長が出て来て何もないの一点張りでけんもほろろでした」

 「ご苦労様。一応声をかけたのだから良しとしよう。じゃ、副長と交代して指揮に当たってくれ」


 次々に衛兵が帰ってくる。富裕な家を除き、すぐ子供がいなくなったと助けを求められたと報告があった。富裕な家は最初は知らぬ存ぜぬであったが、あちこちで、同じ状態だというと渋々子供がいなくなったと白状したそうだ。自分のところだけお金で解決しようと思ったんだろう。


 塔から見えなかったところを調べに行った衛兵からも報告があった。明るい家が3軒あり子供がいなくなっていた。

 結局今のところハミルトン家、花街を除いて18軒、18人の子供が行方不明となっていることがわかった。花街は自治組織があるので申し出があるまで手はつけない。


 宰相、衛兵隊長、近衛隊長は意見交換をしたが、こんなに多くの子供が一斉に不明になるのは、当たり前だが犯罪以外ないとの結論だ。

 「薄明るくなった。陛下に報告に行く。後宮に先触れを出せ」

 宰相から指示され、秘書と近衛兵がかけていった。


 衛兵隊長は、連絡要員を呼び、命じる

 「各城門に不審者の出入りがなかったか、直ちに確認しろ。薄明るくなった。街をまわり不審な動きがないか調べよ。また何も報告がないあたりも気をつけろ。家人が子供がいなくなったことに気がついていない可能性もある。明るくなったから、もしいなくなっていれば気がつくだろう」


 陛下からは、すぐ執務室に行くので、先に行っていろと返事があった。

 急ぎ陛下の執務室に行くと執務室前で近衛兵を連れた陛下とばったり出会った。

 執務室に入り報告。

 「夜更けに、ドラニちゃんが壁から入って来て、シン様の手紙を持参、街の中に明るい箇所が20か所くらいあるとお知らせいただきました」

 壁の所を強調したな。だいぶ思うところがあるらしい。それにしてもお友達だな。ドラゴンの名前もわかるようになったのかと思う陛下。


 「ドラニちゃんが言うには、シン様は人間界のことには手を出さないことにしたから、自分たちで頑張れ、多分大変なことが起こっているとのことでした」


 「教えていただいただけで大変ありがたい。それでどうなった」

 「いまのところ、18軒、18人の子供が行方不明です。それとハミルトン家は、夜中にも拘わらず煌々とあかりが灯っていましたが、何もないと頑なに言っています」


 「そうか。一斉に18人もいなくなるというのは、誘拐か。とても誘拐犯だけではできないだろう。内部に手引した者がいるのではないか。その手引者が子供を誘拐、犯罪者のところに届けたのではないか。もう一度子供がいなくなった家を調べよ。それと、その18家のものは城門から外に出すな」

 「承知しました。ハミルトン公爵家はどうしましょうか」

 「ほっとけ。ただ、城門からハミルトン家の者が出るなら拘束して良い。すぐ連れてこい」


 「それに夜中城門は閉じられているはず。開閉記録を調べろ。それと国軍を使って良い。民を動揺させてはいけない。行軍演習だ。城壁外一周行軍演習をさせろ。城壁に問題ないか、周辺に不審はないか調べさせろ。おっと、宰相は将軍だったな。東の国のほうで女王が先頭に立って行軍演習をしているそうだな。たいそう美々麗々しく、しかも強兵との噂だぞ。将軍様も先頭に立って行軍もいいぞ。それと余は苦手なのだ。御ローコー様。友達だろう。頼むよ」


 行軍女王なら行軍国王だろう、ローコーまで押し付けられたと思った宰相。

 「諸々手配します」


 宰相は、陛下の執務室を下がった。

 それにしても陛下は成長されたな。内部に手引した者か。気が付かなかった。たしかにそうだな。二人がかりで18軒、ハミルトン家を入れて19軒、花街でも誘拐があったとすると20軒。それだけで40人必要か。公爵家は二人というわけには行かないだろう。それに後方支援が必要だ。それでは犯人は全部で50人を軽く超えてしまう。目立ってしょうがないな。確かに内部に協力者がいるな。


 宰相執務室に戻り、宰相が陛下との会見を報告。一同陛下の内部協力者の考えに感心した。直ちに衛兵隊長が手配した。その他の手配も行った。国軍には宰相将軍から命令を出した。


 エチゼンヤ本店。出勤してきた店員がローレンツ執事長に街の様子がおかしいと報告。執事長はすぐさま手のものを調べに行かせた。確かに衛兵、近衛兵、国軍の様子がおかしい。いくつかの家の周りもおかしい。ヨシツナ会長に報告した。会長からローコー名誉会長へ報告。

 わかった、とさっぱりした返事であった。わかっている、じゃないかと思うヨシツナ会長。


 宰相執務室

 衛兵から次々と内部協力者の情報が入る。

 新たに雇った者、借金がある者が協力者だった。全員が、知らない男にお金で釣られ、主家の子供を言葉巧みに連れ出し、裏道に止まっている馬車に乗せたと証言している。

 誘拐は確定した。平時において20人近い子供が一斉に誘拐されるという未だかつてない凶悪事件となった。


 もし誘拐された子供が誰も戻って来なかったら、遠からず国民の知ることになる。その前に公表したとしても誰か責任を取らねばならぬ。20人近い子供の誘拐を許したのである。それも王都からである。国民がおさまらないだろう。

 衛兵隊長は俺が一番先に首を差し出さなければならないと真っ青である。斬首の様子が頭をよぎる。宰相をみるとやはり真っ青である。

 宰相は、前代未聞の誘拐事件である。衛兵隊長ではおさまるまい。俺が首を差し出さねばなるまい。それでおさまれば良いが。

 近衛隊長は、俺が首を差し出すのはもちろんだが、俺では防波堤にはならぬ。国民の怒りがおさまらなければ大変なことになると思い真っ青である。

 青首三人組の誕生である。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ