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目覚めた世界で生きてゆく 僕と愛犬と仲間たちと共に  作者: SUGISHITA Shinya
第三部

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235/499

235 リュディア王国 王都エクバティアに異変あり

 こちらソーロクオアシスのシン様。

 普通の水も必要と思い、オアシスに水を引き込んでいるあたりの川に行き、竹水筒を川に沈める。冷たい水だが、川なので小さな砂粒などが入っている。水だけ入るようにしておいた。


 もう飽きてきた。このオアシスもだいたい見た。市場も見たがさほど珍しいものはない。乳香などは珍しいが、多分、生産地ではだいぶ安いのではないかと思うと、必需品ではなし、買う気も起きない。

 昼食を食べて、次のオアシスに行こうかなと考えながら昼寝。


 観察ちゃんを回収、数を数えてスパエチゼンヤに送る。

 そうか、今度は夜の砂漠を歩いてみよう。では宿を引き払って一度神国の自宅に戻ろう。

 みんなもそれでいいと言うから、宿を引き払った。シナーンさんに断ってオアシスを出て、川から竹水筒を引き上げ、自宅に戻った。


 夜は美容に大敵とかで、管理職の皆さん、オリメさん、アヤメさんは不参加だ。

 結局残ったのは僕とアカ、ブランコ、エスポーサ、ドラちゃん、ドラニちゃん、ベーベー、ベーベーマンだ。いいんですけど。

 夜までゴロゴロして、みんなで夕飯を食べて、僕らは引き払ったばかりのオアシスの外れに転移。

 夜だ夜。月の砂漠だ。

 

 『シン様、シン様、街が騒がしいよ。こんな夜中にあちこち明るいところがあるよ』

 スパエチゼンヤにいるはずの観察ちゃんが連絡して来た。

 『どれどれ、あれ、本当だ。今頃は花街をのぞいて暗くなっているよね。怪しいね。よく見つけた。一人かい?』

 『あのね。あのね』


 『明るいところに観察ちゃんを増やしてやろう。待ってな』

 『みんな手伝ってくれる?』

 すぐ手を挙げる。順番が決まっていたんだっけね。順番に従って、明るい場所に三人づつ転移させる。随分あるぞ。貴族街、富裕な商人街、中流の人の住む辺りが明るい。花街にも送り込もう。どうするんだ。20箇所位ある。貧民街もある。


 観察ちゃんはそんなにいたっけ。いるんだそうだ。分裂するんだそうだ。へえ。全く同じなので、線指輪を付けた以降は、線指輪をつけたまま分裂するんだそうだ。えええ、そうなの。みんな同じなのってか、えええ知らなかった。

 男の子と女の子が居たような気がするけど。それは気分なんだそうだ。えええ。なんということか。

 完全クローンを自分たちで生み出せるのか。増え過ぎたらどうするんだ。また合併すればいいって。うへ。


 あなたがそう望んで作ったんですとアカが申しております。へえ、そうなの。知らないことがたくさんあるね。

 気を取り直して、観察ちゃんの転移を続ける。十分間に合った。

 明るくないところは間隔をあけて二人づつ配置。

 エチゼンヤとスパエチゼンヤと孤児院は鉄壁だな。何もない。


 今回はなるべく僕ら一家は表に出ずに、国の人にやってもらうつもりだ。もちろん、情報は提供するけど。

 僕たちがやれば発見、処置など早いのだけど、危険が迫らない限り手は出さないことにした。


 というわけでまずは情報提供だな。宰相は、ぐっすり自宅で寝ているぞ。仕事のし過ぎかね。

 エチゼンヤさんは寝ているね。エリザベスさんは何か報告を聞いている。一応教えておこう。怪しい場所を書いた紙をピラっと落とす。すぐ拾い上げて礼を言われた。いまの報告と合わせると精度が上がるだろう。

 宰相のところにはドラニちゃんに行ってもらう。宰相はドラニちゃんが届ける手紙が好きそうだから書いてやろう。


 宰相殿

 こんばんわ

 お久しぶりです

 今日はこの時間にも拘わらず街の中に明るい場所が20箇所くらいありますよ

 なにかあるんじゃないでしょうか

 お知らせまで

 ○年○月○日

   樹乃神


 ドラニちゃんに行ってもらう。

 僕らは砂漠から神国の自宅スパ棟に戻った。

 みんな起きていたよ。


 宰相邸

 コンコンと窓が叩かれる。

 宰相はぐっすり寝ていて気が付かない。

 ドカン

 気がついた。

 眼の前にドラゴンが浮いている。

 たちまち頭が回りだした。


 脚を出す。

 またかと思うが手を出すと手紙がポトリ。

 慌てて読む。


 『シン様は人間界のことに手を出さないことにしたから、自分たちで頑張りな。多分大変なことが起こっているよ』


 ドラニちゃんの言葉が頭に響き、ドラニちゃんが壁にあいた穴から飛び去っていった。

 宰相は手紙を押しいただいた。


 物音に気がついた執事がやってきた。

 「支度する」

 執事は宰相の態度と穴が空いた壁を見て察した。これは宰相の友達のアレだ。事件だろう。壁の修理は見かけ丈夫で壊れやすく修理しやすいようにしよう。

 よく出来た執事である。


 宰相は、支度しながら玄関に向かう。

 「馬を引けー。王宮だ」

 物音で起きていた馬丁がすぐ馬を引いてきた。

 

 松明を持った家来が6人、先に駆け始める。

 宰相は松明に照らされた夜道を王宮に向かって駆けていく。


 ここは、ハミルトン公爵邸だな。明るい。何かが起こっているが、まずは全体の把握だ。通り過ぎ王宮を目指す。

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