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目覚めた世界で生きてゆく 僕と愛犬と仲間たちと共に  作者: SUGISHITA Shinya
第三部

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233/499

233 裁判にかけられる

 獄吏が迎えに来た。今日は裁判だそうだ。そうですか。では参りましょう。鍵を開けて獄吏さんと法廷へ。見物人が大勢います。最初に出会った人たちも来ています。勿論僕の家族も。


 裁判長が開廷を告げます。コイツが独裁者のようだ。

 僕が市場の品物を盗んだと言っている。証人も揃えているね。みんな僕が盗んだと言っている。何か言うことあるかと聞かれたから言います。


 「証人が真実を述べているか、確かめたいと思います。まずは真偽判定ができるスコーピオンを用意しました」


 傍聴席を除いて全員動けなくする。スコーピオン君を証人全員の肩に付けてやる。裁判長にもだ。裁判官にもだ。検察官にもだ。書記官にもだ。コイツらぐるだからね。観察ちゃんが悪巧みを聞いていましたよ。スコーピオン君を付けてから動けるようにした。

 言うのを忘れたけど、こちらのスコーピオンは大きい。30センチくらいある。鋏をチョキチョキ、尻尾を持ち上げています。勇気ある証人がスコーピオンを払い落とそうとしました。ブス。刺されました。すぐ痙攣して静かになりました。一応言っておきます。

 「逃れようとすると嘘つき判定となりこのようになります」

 みんな動けなくなりました。


 働いたスコーピオン君は僕から特製ソーセージをもらって元の岩場へ退廷です。

 「さて、証人のみなさん。真実を述べることをお勧めします。では端からお聞きしましょう」


 「まずあなたです。あなたは私が泥棒したと言っていましたが、もう一度聞きます。あなたは私が泥棒したのを見たそうですが本当に見ましたか」

 「記憶違いだった。見ていない」

 「記憶違いと言ってますが、誰かに偽証を頼まれたのではないでしょうか」

 「思い出した。頼まれた」

 「それは誰でしょうか」

 「そこに座っている検察官だ」

 「あなたは日常的に検察官に頼まれて偽証をしているのですか」

 「いつもは交代で偽証している。今日は全員揃っている」


 証人全員に聞く。みなさん良く思い出してくれた。全員が検察官に頼まれたと言っている。

 傍聴席はどよめいている。冤罪で知り合い、身内が罪に落とされたんだろうな。


 「では検察官に聞きます。あなたは証人の証言を認めますか」

 「認める」

 「こういう悪巧みは仲間が必要ですが誰でしょうか」

 「裁判官席にいる裁判官全員だ」

 「他にはいませんか」

 「いない。今日は、大物で、ベーベー、高級テント、女。実入が良い裁判だから全員で出た」


 「泥棒の実行犯はどうしました」

 「分け前のために傍聴席にいる」

 「どなたですか」

 指差します。すかさず僕の家族が法廷に投げ入れます。全員両足が折れたようだ。逃げ出せませんね。呻いている。

 「これで全部ですか」

 「そうだ」


 「協力した役人がいるはずですが」

 「忘れていた。名前はーー」

 5人いました。わかっていたんですけどね。合っています。ドラちゃんとドラニちゃん、ブランコが集めてきます。法廷にポイ。両足が骨折したようだ。


 「この人達は分前をもらったと言うことですね」

 「そうだ」


 「他に薄々知っていて保身と出世のために便宜をはかっていた役人がいます。集めて来ましょう」

 3人組が集めに行った。10人ほどいた。片足骨折だ。僕を拷問したふたりもいるね。震えている。


 「この人たちで間違いないですか」

 「そうだ。一人足りないようだが」

 「残念ながら一人退職したようです。もうこのオアシスにはいない事を確認しました。あなたは真実を話してくれました。スコーピオンから解放してやりましょう」

 スコーピオン君に特製ソーセージを渡して退廷させた。


 「さて裁判官の皆さんの番です。裁判長は後にして他の方から聞きましょう。では端から。あなたは今のすべての証言内容を認めますか」

 「認める」


 「どうしてこんなことをしたのですか」

 「最初はごく些細な裁判で、証拠が揃わなくて証言をでっち上げた。それが思いの外うまく行ったので、積極的に、政敵、金持ちなどを冤罪に持ち込み有罪にした」


 「不自然に亡くなっている政敵の方が多いようですが」

 「スコーピオン、これではなくて犯罪組織だが、それを使って上手く始末した」

 「始末と言うのは殺したと言うことですね。上手くと言うのは殺しが発覚しないように事故、病気などに見せかけて殺したと言うことですね」

 「そうだ」


 「スコーピオンに頼んだ書類はありますか」

 「裁判長の自宅金庫に入っている」

 「どうして記録を残したのですか」

 「お互い裏切らないようにスコーピオンと書類を交わした」

 「なるほど。では金庫を持って来ましょう。少し待ってください」

 エスポーサが金庫をとりに行った。観察ちゃんの報告があって、場所はわかっている。


 「金庫が来る前に裁判長を除いた裁判官に聞きます。いままでの証言内容を認めますか」

 「認める」

 みなさんに認めていただきました。

 「ではあなた方の肩にいるスコーピオンを退廷させましょう」

 特製ソーセージをやって岩場へと送った。


 金庫をエスポーサが担いできた。どよめきが起こる。

 「さて裁判長、この金庫はあなたの物ですか」

 「知らない。全く知らない」

 立ち上がって逃げようとします。勿論スコーピオン君がブスッと。たちまち痙攣を始め、すぐ止まりました。


 スコーピオン君を手元に転移させ、ご苦労様。おかげで助かったと感謝しました。勿論最初に出会ったスコーピオン君です。また何かありましたら言って下さいと言っている。よしよししてやる。嬉しそうだ。特製ソーセージを二本やった。鋏で一本ずつ挟んでご機嫌だ。岩陰に送りました。

 傍聴席の方々が驚いているね。かわいいよ、スコーピオン。


 とりあえず目障りですから、証言してくれた人を片づけましょう。僕担当の獄吏を呼んで、牢に入れてくれるよう頼みました。すぐ獄吏を何人か呼んできて、みなさん牢入りです。


 さて、ちょいちょいと金庫を開けます。書類を確認しました。ほかの悪事の書類もありますね。


 さて、僕も退廷だね。傍聴席に向かって言いましょう。

 「このオアシスは自治組織が治めていると聞きました。傍聴の通りです。金庫に証拠書類もあります。後は皆さんにお願いしたいのですがどなたかいませんか」


 シナーンさんが手を上げた。

 「俺が後始末をしよう。その後でもう一度代表を選出する。いいな」

 傍聴席からは意義がないようだ。


 「ではお願いします。僕は定宿の牢を引き払って宿に仲間といます。何か用があれば宿まで」

 定宿の牢には皆さん笑ってくれた。


 「ああ、それから、この先のオアシスに盗賊団のスコーピオンの事を知らせに行ったおじさんたちがスコーピオンの情報を仕入れてもう戻ってくると思うけど、スコーピオンは壊滅しました。ラシードさんの隊商も無事戻ってきますよ」


 「坊主、ラシード様を知っているのか」

 「ええ、ここにくる途中会ってこれを貰ったんですよ」

 ラシードさんから貰ったナイフを取り出して見せた。傍聴席がどよめいた。

 「何だ。最初から見せてくれれば俺たちも動きようがあったのに」

 「ラシードさんは偉いんだ」

 「坊主、知らないでもらったのか。この山脈沿いのオアシスにいる三族長の一人だ」

 「へえ、知らなかった」

 「知らないからかえって信用してナイフをやったんだろうな。今回もナイフを使わずに解決したし。大事にしろよ」

 「わかった。大事にする」

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