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目覚めた世界で生きてゆく 僕と愛犬と仲間たちと共に  作者: SUGISHITA Shinya
第三部

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230/499

230 ベーベーが小悪党に狙われた

 夜中、観察ちゃんに起こされた。

 『シン様、シン様、小悪党がこちらを覗いているよ。ベーベーを狙っているみたい』

 『見張りのおじさんはどうした』

 『まだ気がついていないけど、おじさんたちは弱そうだよ』

 『わかった。行ってみる』


 夜明けが近いのでみんなに起きてもらって、少し早いがオアシスの砂丘の陰に転移。そこから昨日のオアシスメンバーはテントの中に転移した。

 観察ちゃんを呼んで、ヨシヨシしてやる。今回は危ないことはしなかったようだ。では帰ってね。もっと見たい?ダメです。スパエチゼンヤに転移させた。


 小悪党さんはどうしたかな。

 おお、ベーベーに忍び寄っていますね。ロープを持っています。首にかけるんだろうね。ロープを投げた。ベーベーは避けましたね。専守防衛だけど襲われたのでは防衛しますね。


 小悪党さんはベーベーマンに蹴飛ばされた。4人いましたが次々に蹴飛ばされます。蹴飛ばされた先にはベーベーが回り込んでいます。また蹴飛ばされました。ベーベーマンとベーベーが何回か蹴飛ばして一箇所に集め積み上げました。上にベーベーマンが乗りました。げええと小悪党さんの声。重いからね、1トン超えているぞ。大丈夫か。ダメそうだ。バキバキボキボキ聞こえてきた。


 「ベーベーマン、もういいよ。動けないだろう」

 ベーベーマンとベーベーが満足そうな顔をして寄ってくる。

 「よしよし、よくやった」

 なでてやります。


 見張りの三人は目を瞠っています。

 「見てた通り、ベーベー泥棒を捕まえましたのでよろしくお願いします」

 「ああ。でも立てないぞ。荷車を持ってきてくれ」

 一人走っていきます。


 昨日のシナーンさんが不機嫌そうな顔をして、荷車を引かせて何人かと一緒にやって来た。

 「坊主、何をした」

 「ベーベーがベーベー泥棒を捕まえたんだよ」


 「何でああなっている?」

 「ベーベーにロープをかけようとしたからベーベーが反撃しただけだよ。盗まれようとしているのに、抵抗しないのはおかしいでしょう。それにこの泥棒さんは、見張りの皆さんより強いよ。ほっといたら見張りの皆さんが危ないよ」

 「まあな。やりすぎだが、こいつらも賞金がかかっている手配中の奴らだ。やりすぎは不問としておこう」

 みんなで荷車に小悪党さん改め賞金首を積んでいる。


 「ところで坊主はどこから来たのか?国はどこか?」

 「アレシアスの向こうだよ」

 「どうやって来た?」

 「旅して来たんだよ」

 「一人でか?」

 「家族と一緒だよ」

 「どこにいる?いないだろう」

 「もうすぐ来るよ。来た来た。こっちだよ」

 マリアさんが剣を佩いている。ステファニーさんは腰に鞭だ。オリメさんとアヤメさんは武器は見えない。

 「ーー強そうだな」

 「怒らせない方がいいと思うよ」

 「ああ」


 「お待たせ」

 「このおじさんに絡まれていたから退屈しなかったよ」

 「絡んでいたの?」

 「絡んでない。事情を聞いていただけだ。もしかしてその鞭は三神聖鞭の一つか」

 「何それ」

 思わず聞いてしまった。


 「この世に3本あるという神聖鞭だ。鞭の女王が振うと、股間をやられて悶絶すると言う恐ろしい鞭だ。盗賊が本気で股間プロテクターを開発しているとの噂だ。砂漠には無縁と思っていたが。そしてそちらはもしかしたら光跡剣か」


 「光跡剣って何?」

 また思わず聞いてしまった。

 「この世のものとは思えない綺麗な光を引きながら魔物も人も武器も全てを断ち切る恐ろしい剣と言われている。まだ有名な武器があるぞ、暗殺剣、暗殺針という武器だ。これが使われると傷がなく死んでしまうという。二三歩前に歩いて、初めて自分が死んでいることに気づくそうだ。だから皆真似をして神聖鞭、光跡剣、暗殺剣、暗殺針の偽物を作って喜んでいるそうだ。お前さん達もその口かい?出来は良さそうだが」

 「ええ、まあ」

 ステファニーさんが顔を引き攣らせている。


 随分有名になったね。こんな砂漠まで鳴り響いている。

 人の世ではありえない武器だから当然とアカが申しています。

 それにしてもシナーンさんは随分武器マニアだな。


 「それで坊主、坊主の武器は何だ?」

 あれ、なんだろう。相棒だろうけど、めったに使わないな。

 「僕の武器は仲間だよ。信頼で結ばれた仲間」

 「なるほど違いない」

 砂漠の人は笑っているよ。いいんだけど。

 ドラちゃんとドラニちゃんは嬉しそうにピッタリくっついてくる。ブランコもエスポーサもスリスリだ。ベーベーたちはベーベー言っている。アカは腕の中だよ。


 「それでお前さんたちはこれからどうするんだ」

 「しばらく街を見て回るつもり」

 「どこに泊まるのか」

 「テント暮らしには慣れているからこの広場を使ってよければ、テントを増設するけど」

 「ああ、使っていい。広場の使用料は先程の賞金首の賞金で相殺でいい」

 「そう、じゃそうして」

 「お前ら目立つから気をつけろよ。ここの住民も必ずしもいいやつばかりとは限らない。上もな」

 「わかった」


 シナーンさん達はベーベー泥棒を乗せた荷車を曵いて去っていった。

 いいやつばかりではないか。上もというのは偉い人にいい人でない人がいるのだろうな。観察ちゃんをーー。

 『シン様、シン様、今度は僕たち4人だよ』

 人数指定かよ。しょうがない、呼びました。

 『暑いから気をつけるんだよ。危ないことはするんじゃないよ。危なかったらすぐ戻ってくるんだよ。すぐ呼ぶんだよ』

 『はーい』

 返事はいつもいいんだけど。けど。よしよししたら、散っていった。


 まずはテントを二張追加。

 街を回ってみよう。ベーベーたちはお留守番だね。悪いやつが来たらやっつけていいからね。ベーベーと返事をしています。

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