227 スコーピオン盗賊団を襲撃する
宣戦布告はブランコに吠えてもらうことにして、全員が展開。岩山を囲んで布陣。
「さて、行きますかね」
「ブランコ、頼んだよ」
ウオーーーン
岩山に響く吠え声。
バリアは外からは入れるので一斉に突入する。
上から見てみよう。
イサベルさん、ステファニーさんが、エリザベスさんの指導を受けている。すこし鞭の振り方が気に入らなかったらしい。盗賊はイサベルさんとステファニーさんの練習台になっている。
三馬鹿と20人は神流無手勝派だから、賊はあっという間にあちこち切り飛ばされて絶命。剣の動きに規則性がないから族の皆さんも大変だろう。
五番組とおまけ10人は、神流忍術派だから、背に刀を背負い、駆け抜けていくと賊の首が落ちている。
オリメさんとアヤメさんは、神流必殺派だから、出会うと一見傷がなく倒れてしまう。
エチゼンヤさんには刀の大小を進呈した。二百人衆の刀と同じ材質、巨木マークと樹乃神の銘を刻んである。受け取りを遠慮されたが、エリザベスさんには神聖鞭を進呈しているからと言って受け取ってもらった。間違って刃が岩に当たっても刃が欠けることはない。エチゼンヤさんは刀を抜いて美しく力強いと驚いていた。すぐ楽しそうに振り始めた。盗賊は災難である。うまく岩の後ろに隠れたと思ったら岩ごと両断されてしまった。いくらなんでも岩は刃筋が立っていないと切れないぞ。エチゼンヤさんはなかなかの遣い手だ。
ハビエルさんは、トルネードにまたがって、あーとか言っている。トルネードが次々と盗賊を蹴飛ばしている。盗賊は岩山を飛び出し、バリアに当たって下に落ちていく。
ベーベーとベーベーマンも参戦した。こちらも蹴り技だ。多彩な蹴り技を繰り出して盗賊を絶命させている。
ゴードンさんは、ロシータさんとリリアナちゃんに手取り足取り教えている。相変わらずこう構えて、こう振って、こう突くだ。見かねて、ブランコ、ドラちゃんとドラニちゃんが前にやった棒を取り出して、振って教えている。
教師にはいずれも難点があるが、生徒が優秀なのだろう。だんだん様になってきた。
エスポーサは今日もパラソルの下で水を配っている。乾燥しているので、みなさん喉が乾くらしい。賊にも飲ませています。賊が動けないとつまらないでしょうと、なるほど。そうですか。
賊はだいぶ片付いてきた。生き残った盗賊は頂上付近で防戦一方だ。ロシータさんとリリアナちゃんが練習に突っ込んでいく。ゴードンさんが心配してオロオロしている。面白い。ロシータさんとリリアナちゃんも盗賊より強かった。ゴードンさんがホッとしている。
30分もしないうちにスコーピオン盗賊団は壊滅した。
みんな岩山の麓に集合。族の数は153人。結構いた。ドラちゃんとドラニちゃんに綺麗に消してもらった。僕とアカがみんなを汚れ飛んでけした。
盗賊のベーベーは綱を解いて、盗賊が持っていた飼い葉を与え、水を飲ませた後、放してやった。好きなところに行くだろう。
さて一度オアシスに転移。賊は殲滅したと教えた。
神国泉前に転移。あれれ、テーブルがはなえてあって、料理が並んでいる。
「お帰りなさい。宴会の準備が整っています」
そうですか。
「それではみなさんお疲れ様でした。ありがとうございました。おかげで砂漠のスコーピオン盗賊団を壊滅できました。まだ日も落ちていません。打ち上げの大宴会をしましょう」
「乾杯はエリザベスさん、お願いします」
エリザベスさんの乾杯の音頭の後大宴会に突入した。食堂は夜営業も休みらしい。神国中の人も集まり、大宴会だ。楽しいね。ベーベーもベーベーマンも来た。メーメーもモーモーもコッコも参加だ。
楽しい夜は更けて行く。リリアナちゃんがこっくりこっくり始めた。エスポーサに合図すると、ゴードンさんとロシータさん、リリアナちゃんを送って行った。それを潮にパラパラと帰り始める。
三馬鹿ハルトと20人は戻ってきたエスポーサに送ってもらう。また呼んでくださいと言って帰って行った。エチゼンヤさん夫妻とイサベルさん、ハビエル神父とトルネードはアカが送って行った。また会いましょうと言って帰って行った。
二百人衆が会場を片付けてくれる。いつもすまないとお礼を言うと、我々はシン様のお役に立てるのが嬉しいので、いつでもお命じくださいと言われてしまった。済まないねほんとに。ステファニーさんも礼を言っているからいいか。礼を言う方も言われる方も嬉しそうだ。
ベーベーもベーベーマンも楽しかったと言って砂場に帰って行く。メーメーもモーモーもコッコも楽しかったと言って帰って行った。
残ったのは僕たち一家。自宅に帰る。なんとなく寂しい。アカが戻ってきてヨシヨシしてくれる。
みんなでお風呂に入って寝室へ。落ち着くね、自宅でみんなとくっついて寝るのは。すぐぐっすり寝てしまった。




